「次は全日本選手権で勝ちたい!」チャレンジサイクルロードレース王者・新城雄大選手インタビュー
伝統ある国内自転車ロードレース「第49回チャレンジサイクルロードレース大会」(報知新聞社ほか主催、4月11〜12日、静岡・日本サイクルスポーツセンター)男子エリートの部を初制覇した新城雄大(30)=KINAN Racing Team=が、スポーツ報知のインタビューに応じた。キャプテンとして今季好調なチームを引っ張る実力者は、今後さらなる飛躍を目指す。(協力・日本自転車競技連盟、KINAN Racing Team)
―ロードレースでの個人優勝は2021年7月の「広島トヨタ広島ロードレース」以来、約5年ぶり。やはり、感慨深いものだった?
「久しぶりの優勝で、いろんな方に喜んでもらえた。地元・沖縄の新聞にも載せていただいて、勝利はいいものだなと改めて実感した」
―レースを振り返って、
勝因を分析すると?
「(チームメートの)草場(啓吾)選手が(3位に入った)留目(夕陽)選手をしっかりマークしていて、スプリントに持ち込んだ場合に草場選手の方が分があると読んでいて、草場選手の良さをより生かす意味で僕が早駆けをした。結果的に僕が勝ったけど、草場選手が勝ってもおかしくない状況だった」
―新城選手にとって、チャレンジサイクルロードレースは、どういう価値を持つレース?
「これまで3回ほどしか出場していないけど、いずれも勝負に絡めなくて悔しい思いをした。今回はチームとしても合宿からの流れで出場して、前のレースで失敗した部分を修正したかった。そういう意味でも勝てたのはすごくうれしい」
―今年は1月のツアー・オブ・シャールジャ(UCIアジアツアー)で、チーム総合時間賞トップとレイン・タラマエ選手が個人総合優勝。その後、何度も国内とアジアツアーで所属選手が優勝している。個人的にもチームとしても手応えを感じているのでは?
「手応え、ありあり。とてもいい状態。去年の後半からいいリザルトが出始めて、その流れのまますごくいい風が吹いている。チームとして一番の目標にしているツール・ド・熊野(7〜10日)に向けて調子を上げている状況」
―好結果を残せている理由は?
「チームのバックアップ体制がすごく良くて、選手がレースに専念できる環境が整っている。また、近年のロードレースはトレーニング理論や補給食など、いろんな分野で新しい考え方が次々に出てきている。それもバックアップのおかげで知識のアップグレードができているので、国内では最先端のチームではないかと思う」
―レースでのチーム戦術については?
「試行錯誤しながら選手の意識を変えていった。個々の力はあるけど、良くも悪くも力を使いたがる傾向にあった。前に人数を残していても詰めが甘くて結果を残せていなかった。もっと周りを生かすようにチームで話をした」
―18年にKINAN Racing Teamに加入。キャプテンを務めるのは今シーズンで5年目。リーダーとして心がけていることは?
「先輩の山本元喜選手やトマ・ルバ選手はすごい経験値を持っているし、去年から加入したレイン・タラマエ選手はワールドツアー仕込みの経験や知識がある。僕が彼らにいろいろ教わり、それをかみ砕いてほかの選手に伝えることを意識している」
―チームの雰囲気は?
「先輩も後輩もコミュニケーションが取れていて、すごくいい雰囲気。若い選手が入ってきているので、いろんなノウハウを伝えている。レースでは、今は逃げ切りでもスプリント勝負でもどっちもできるのが強み。誰が仕掛けても勝てるのではないかと思うぐらい自信がある」
―ところで、本格的に自転車競技を始めたきっかけは?
「高校(八重山農林高)で自転車部に入ったら、たまたま農業科の先生をしていた(新城)幸也さんのお父さん(貞美さん)が、自転車部の顧問をされていたのが、きっかけ」
―当時のことで印象に残っていることは?
「先生とのマンツーマンのトレーニングが印象的。1年生の最初の頃、『おじさんには負けないだろう』という気持ちで一緒に(石垣)島一周をしたら歯が立たなくて。高2ぐらいまで、ちぎられていた。毎週土日のロングライドで、ちぎられながらいろんなノウハウを教えてもらって少しずつ成長した」
―高校卒業時にプロの道へ進んだ。やっていく自信はあった?
「自信があったというより、知らない世界でこの競技をやってみたいという思いが強かった。先のことは全く考えていなくて、とりあえず自転車競技をやってみたいという気持ちだけあった」
―今年、個人的に勝ちたいレースは?
「全日本選手権ロード(6月27〜28日、新潟県南魚沼市)と地元のツール・ド・おきなわ(11月7〜8日開催予定)は大事なレース」
―全日本選手権ロードは、18年が3位。22年が、新城幸也選手とのスプリント勝負の末に惜しくも準優勝。4年周期の今年はチャンス?
「全日本は、去年もすごく優勝を狙っていたけど失敗してしまった(18位)。今年は戦術が生きてくるレースだと思う。ぜひ勝ちたい」
◆新城 雄大(あらしろ・ゆうだい)1995年7月3日、沖縄県石垣市生まれ。30歳。八重山農林高校自転車競技部で本格的に競技を始め、同校卒業後の2014年に那須ブラーゼンでプロデビュー。ブリヂストン・アンカー・サイクリングチームなどを経て18年からKINAN Racing Teamに所属。全日本選手権では17年に個人タイムトライアル(U23)優勝、22年にロードレース(男子エリート)で2位。177センチ、65キロ。血液型AB。
