「枕営業すら日常茶飯事」投げ師を取り合い、承認欲求で殴り合う《過激なライバーたち》のあまりに笑えない日常

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ネット上に溢れ返る配信者と、大金を投げまくる視聴者たち。「繋がり」が重視される現代を象徴する新サービス――それこそが「ライブ配信」だ。

ライブ配信とは、ネットを通じて映像や音声をリアルタイムで配信する仕組みのこと。配信者と視聴者が双方向でコミュニケーションできるのが特徴だが、その最たる例が「投げ銭」である。

視聴者が配信システム内の「アイテム」や「ギフト」を購入して贈ることで、配信者に金銭として還元されるのだ。アイテムやギフトには、数円程度から8万円以上のものまである。

一見すると華やかな世界だが、その裏側を覗くと……。

【前編記事】『「未来のダウンタウン」がライバー転身で大復活…元りあるキッズ・長田氏が明かす“それでも過酷すぎる”ライブ配信のリアル』よりつづく。

なぜ視聴者は高額な投げ銭をするのか

一般的には無名のライバーがほとんどで、配信の内容も雑談が中心。せいぜい歌やダンスを披露する人がいる程度だ。なぜ、高額な投げ銭を行う視聴者が続出しているのか。

ITジャーナリストで成蹊大学特別客員教授の高橋暁子氏はこう分析する。

「ライブ配信はコロナ禍で爆発的に伸びたサービスです。人との交流が激減したなかで、『繋がり』を感じられることに喜びを覚える視聴者が多くいます。何万人もフォロワーがいる著名人よりもむしろ、一般人の配信のほうが『繋がっている感』は大きい。少額の投げ銭でも喜んでくれますし、コメントも覚えていてくれる。そういったことの積み重ねで、どんどんハマっていく人が多いのです」

自身の投げ銭によって、無名だったライバーのランクが上がっていく――その快感が忘れられないという視聴者も多い。匿名を条件に取材に応じた男性の視聴者は、ライブ配信の魅力をこう語った。

「私はメーカー勤務のサラリーマンで、年収900万円ですが、ある女性ライバーに給料のほとんどをつぎ込んでいます。生活に疲れていたときにたまたま視聴したのがきっかけでしたね。恋愛感情はありません。しいて言えば、妹のような感覚でしょうか。ランク上位のライバーが表彰されるイベントもあるのですが、彼女が表彰されたときは嬉しくて泣きました」

投げ銭の額によって視聴者もランク付けされているのも特徴で、億を超える額を投じた視聴者は「投げ師」と呼ばれてライバーたちから尊敬の的となる。

枕営業に殺人事件、さらに乱交イベントまで

繋がりが魅力である一方で、それは「アイテム=金銭」が媒介したものだ。当然、トラブルも頻発している。人気ライバーで知られる、しめさば氏が明かす。

「ライバーによる『投げ師』の奪い合いは日常茶飯事です。DMで『私にも投げてください』と声を掛ける子は大勢いますし、枕営業をしていると噂される子も少なくありません。逆に『投げ師』の側が投げ銭の見返りとして枕を求めることもある。実際、私にも誘いのDMが来たことはありますね」

「オフ会」と称してライバーと視聴者が二人きりで会うケースもあり、男女関係のもつれなどで事件に繋がることも多々ある。'25年3月には、東京・高田馬場の路上で女性ライバーが刺殺された事件も発生した。

ある配信アプリで活躍する中堅男性ライバーが言う。

「莫大な金額が動く業界だけに、『ライバー事務所』も乱立しています。有名ライバーとコラボできることなどが所属するメリットですが、なかには悪徳事務所もある。ライバーの女の子たちを集めて地方の施設で乱交イベントを開き、新人ライバーが慌てて逃げ出したという話も聞きました。

また、ライバー同士で投げ銭をし合ってランクを上げようとする動きも出始めています。おカネを稼ぐという目的があればまだマシで、ランクを上げるという承認欲求のためだけに活動する人たちが現れているんです」

フォロワー数の規定があるアプリもあるが、ライバーになるハードルは極めて低い。何らかの規制をしなければ、今後トラブルはますます増えていきそうだ。

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「週刊現代」2026年5月11日号より

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