「コンビニ弁当」バトル大研究…日本一の座を狙う「ローソン」と「ファミリーマート」の知られざる戦略

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インフレ時代のコンビニ3社の新戦略とは?

「できたて」が今後のトレンドになるかもしれない。昨年7月、全国に約1万5000店舗を展開するローソンは、新たなできたてメニューの提供と省人化に向けた取り組みとして『鍋さばきロボ』を北大塚一丁目店(東京都)に導入した。

FRIDAY記者とともに同店を訪れたフードジャーナリストの長浜淳之介氏が語る。

ローソンは、全国にある店舗の約7割で店内調理(『まちかど厨房』)を導入しています。『厚切りロースとんかつ&から揚げ弁当』(697円)など、店内調理が活(い)きる揚げ物系の弁当や丼ものが人気です。

自社工場から配送される弁当も販売していますが、できたての商品に手が伸びやすいのは当然のことでしょう。昨年導入された調理ロボは、新たにできたての炒め物を提供するためのものです」

入口近くに設置されたタッチパネルにはメニューが表示され、客は「炒飯」「パスタ」「野菜炒め」「あげもの」の中から好きなものを選び、調理の様子を見学できる。

記者が『野菜炒め』(538円)を選ぶと、スタッフが具材や調味料を鍋に入れる。スイッチを押せば、鍋はドラム式洗濯機のようにぐるぐると回り出し、野菜を炒め合わせる。シャキシャキとした野菜の食感や、できたての温かさを楽しめるのはこの上ない魅力だ。

「レジを省人化したとしても、具材を投入したりロボットを清掃したりするためのスタッフは必要ですから、この取り組みを全国に広げるにはまだ課題がある。しかし、『できたてをコンビニで食べられる』というコンセプトは間違っておらず、セブン−イレブンも埼玉県の一部でラーメンなどの調理器を導入し、テスト販売を行っています」(同前)

背景にあるのは、インフレに伴う価格の高騰だ。かつてはワンコインで買えたコンビニ弁当も、いまや700円前後の商品が多くを占める。「高い弁当を買うよりも、おにぎりやサンドイッチで済ませたほうがいい」と考える人は少なくない。

「実際、順調に売り上げを伸ばしているのはおにぎりとサンドイッチです。弁当はこの二つの後塵を拝しており、販売数は現状維持です。おにぎりやサンドイッチは予算内で複数個買えるので、挑戦的な新商品も手に取ってもらいやすい。

一方で、高単価の弁当がもし口に合わなければ、そのランチはたちまち失敗になります。したがって、コンビニ弁当は他の商材に比べると、定番商品が多い。その中でどう差別化を図るかが、各社の共通課題なのです」(コンビニ研究家の田矢信二氏)

言うまでもなく、ローソンが図る″差別化″は、店内調理によって「できたて」を提供すること。『まちかど厨房』を導入する店舗では、『三元豚の厚切りロースソースカツ丼』(646円)が売れ筋だ。

「店内で揚げたロースかつに、新鮮な千切りキャベツ、そして『とんかつ まい泉』が監修したフルーティながらスッキリしたソースがマッチしている。かつを支えるのは店内で炊いたご飯です」(消費経済アナリストの渡辺広明氏)

ファミリーマートがハンバーグにこだわっているポイント

対するファミリーマートは、ライバル2社の定番商品とは異なる″異色系弁当″を武器とする。

「ファミマには普通の唐揚げ弁当はなく、『3色そぼろ&チキン南蛮弁当』(645円)や『だし巻き玉子&から揚げ弁当』(関西限定、698円)などを用意している。定番であるのり弁も、ファミマの場合は『明太海苔弁当』(598円)と、明太子を入れています」(前出・田矢氏)

また、ファミリーマートは人気商材であるハンバーグにもこだわりを見せる。近年では、’21年に発売した『肉の旨み感じる ビーフハンバーグ弁当』(現在は販売終了)のクオリティの高さにネットがザワつき、大好評を博した。

「現在販売されている『コク深い濃厚デミソースの鉄板焼ハンバーグ』(753円)も絶品です。肉厚で柔らかなハンバーグに、ビーフのコクを感じられるデミグラスソースがたっぷりかかっている。個人的には『びっくりドンキー』のハンバーグに近い味わいだと感じています。それほどにクオリティが高いのです」(同前)