「褒めてほしい…でも近付きすぎないで」管理職を追い詰めるイマドキ若手社員の”難解すぎるホンネ”データで判明

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「最近の若手は、何を考えているのかさっぱりわからない」「パワハラと誤解されるのが怖くて、まともに指導もできない」

4月になり、新入社員が入社したものの、令和世代の若手社員との“距離感”に頭を抱えている管理職は多いだろう。

わからないなら理解しようと、実際の新卒世代の声を聞いてみると、さらにややこしい。株式会社ベースミーが行った調査によると、新卒世代が求める管理職の姿は、「フランクに話せる関係」と「業務以外には深入りしない距離感」がほぼ同数で拮抗。一見矛盾した結果に、さらに接し方が分からなくなる人も多いはずだ。

しかし、これを単なる「若手のワガママ」と切り捨ててはいけない。本記事では、この“矛盾”の背景にある若手の本音と、管理職が見落としがちな距離感のポイントについて、専門家の解説をお届けする。

「褒めてほしい、でも踏み込まないで」若手の“矛盾する本音”

24卒〜27卒の新卒世代450名を対象に行われた今回の調査結果は、管理職からすれば、思わず溜息が出るようなものかもしれない。

理想のマネジメント像として支持を集めたのは、「具体的なフィードバック(201名)」と「褒めて育ててほしい(189名)」。その一方で、「厳しく指導してほしい」や「基本は任せてほしい(放置してほしい)」という声は少数派だった。

さらに管理職を困惑させるのが、上司との距離感についての回答である。「フランクに話せる距離感(119名)」と「業務以外には深入りしてほしくない(114名)」が、わずか5名差で拮抗している。

「親しみやすく接してほしいけれど、プライベートには踏み込まないで」――。 この針の穴を通すようなコミュニケーションを求められ、現場の管理職が萎縮してしまうのも無理はないだろう。

しかし、人事のプロであるThinkings株式会社 組織再考ラボ フェローの曽和利光氏は、この状況を「コミュニケーションの線引きをアップデートする好機」だと指摘する。

「褒める/厳しくする」の二択では解決しない?

前提として、今の若手は決して成長意欲を失っているわけではない」と曽和氏は言う。管理職はつい「甘やかせばいいのか、それとも厳しくすべきか」という二者択一で悩みがちだが、実はその前提自体がズレている。

『褒めてほしい』の本質は、決してやみくもに甘やかされたいということではありません。具体的なフィードバックを求める声がこれほど多いことが、その証拠です。彼らが求めているのは、人格を否定するような精神論ではなく、『自分の仕事のどこに改善点があるのか』をロジカルに示してくれるマネジメントなのです」(曽和氏)

背景にあるのは、リモートワークやチャットツールによる「非同期」な働き方の浸透だ。かつてのように、先輩の背中を「見て盗む」という暗黙知の共有は、今の現場では物理的に難しくなっている。指示を出す側が、「これくらい言わなくてもわかるだろう」と片付けるのではなく、徹底的に言語化することが必要なのだ。

評価面談などのフィードバックの場面では、上司としての『感想』ではなく、『事実→影響→期待→次の行動』の順で伝えると効果的です。褒める場合も抽象的な言葉ではなく、『何が良かったのか』を具体的に言語化してあげましょう。その方が、若手社員の自信に繋がりますし、再現性も高まります」 (前同)

「具体的なフィードバック」を求めるもう一つの背景として、SNSが若手の日常生活に深く浸透していることが挙げられる。「入社3年目で役員に」「AIで起業」「副業で月商100万円」――。スマホを開けば同世代の華やかな成功談が目に入る環境で、彼らは常に「自分はこのままでいいのか」という悩みを抱えている。

しかし、社会経験の浅い彼らには自分の実力を測る物差しがない。管理職に求められているのは「自分が社会でどこまで通用するのか」の客観的な指摘なのだ。

ここでうっかり、精神論で指導してしまったり、「俺の若手の頃は〜」と昭和の自分語りをしてしまおうものなら、若手社員の心は離れてしまう。成果という事実や、今後の期待を具体的に言語化することこそが、彼らの安心感とやる気に繋がるだろう。単なる「褒め」ではなく、具体的なフィードバックをする力こそが、令和の管理職には求められている。

後編記事『ハラスメントを避けつつ「令和の新入社員に好かれる」シンプルな方法…「会社は学校じゃない」はもう通用ません』では「令和の管理職は、どのように部下と接するべきなのか?」、引き続き曽和氏に解説してもらう。

【つづきを読む】ハラスメントを避けつつ「令和の新入社員に好かれる」シンプルな方法…「会社は学校じゃない」はもう通用ません