“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは、新刊『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(文藝春秋)も話題の元衆議院議員の杉村太蔵さんです。

【画像】証券マンの経験もある杉村太蔵氏

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「日本のベストコメンテーター」第4位に?

 有働 テレビでコメンテーター姿を拝見していて、いつかお話を聞いてみたいと思っていました。スパッと言い切る話し方とか、皆が絡みやすいようにいじられることをご自分から仕掛けていらっしゃるところとか、めちゃくちゃ頭のいい人だなと思って。こう振る舞おうという作戦を立てたのですか?

 杉村 作戦でも何でもありません。あ、でも辛口で有名なフリージャーナリストの辛坊治郎さんっているじゃないですか。その辛坊さんが選ぶ日本のベストコメンテーターの第4位が杉村太蔵だったんです。


大学中退から外資系証券マン、さらには国会議員と異色の経歴の杉村氏(右) Ⓒ文藝春秋

 有働 おお〜、すごいですね!

 杉村 嬉しくて理由を聞きに行ったら、「太蔵さんのコメントは発泡スチロールみたいだ。中身はないけど空間を埋めてくれる」と言われた(笑)。発泡スチロールがないと物流が成り立ちませんからね。

 有働 前向き(笑)。

 杉村 中身があるわけじゃないけど、ないと困ると言ってもらえるのはありがたいなと思います。

 有働 前向きに捉える前に1回イラッとしたりはしないですか?

 杉村 するわけないじゃないですか。コメンテーターとして8本もレギュラーを持たせてもらって。そもそも私は、国会議員時代から今まで一度も自分の報道に抗議したことがないんです。

杉村太蔵専用苦情ダイヤル

 有働 1979年生まれの杉村さんは、2005年の衆院選、いわゆる「郵政選挙」で自民党の公認を得て比例南関東ブロックから出馬し、当時最年少の26歳で当選しましたよね。当選直後に「料亭に行ってみたい」などと発言したことで、過剰に叩かれていた気もするのですが。

 杉村 過剰かはともかく、当時、自民党に苦情を受けるダイヤルがあるのですが、増設したと聞きました。

 有働 杉村太蔵専用苦情ダイヤルだ(笑)。

 杉村 高市(早苗)さんが先の衆院選で圧勝したじゃないですか。1年生議員となる“高市チルドレン”が大量当選したことで、自民党が「第二の杉村太蔵を誕生させるな」と新人議員研修をしたんです。発言には気をつけろ、と。それで新人議員がビビっちゃって、メディア各社がコメントを取りに行ってもしゃべらないらしいです。テレビでも20年前の私の失言が再放送されていました。さすがに参りましたね(笑)。

 有働 それは新人議員たちの方が間違っていますね。もしあの失言がなければ杉村さんが国会議員だったことを知らずに終わる人もたくさんいただろうし、あれがあって今ではテレビで他の出演者の方々が絡みやすくなっているのですから。

 杉村 そう言っていただくと本当にありがたいです。

 有働 でもなぜ腹が立たないのですか? 元国会議員だぞというプライドがあってもおかしくないのに。

 杉村 私は大学に6年いて中退しているんです。

 有働 筑波大学在学中には弁護士を目指しておられたとか。

 杉村 結果的に何をやってもうまくいかない大学生活でした。中退した2004年といえば、超就職氷河期で。内定率とは別に大学新卒の就職率というものがあるのですが、当時55%だったんです。

 有働 そんなに低かったのですか。

 杉村 なかなか就職に至らない厳しい時代に6年かけて中退ですからいよいよ社会に相手にされませんでしたし、何を言われても使ってもらえるのはありがたいことなんです。

 有働 なるほど……。

※本記事の全文(約8000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(杉村太蔵×有働由美子「この国にはお金の流れの法則があります」)。

(杉村 太蔵,有働 由美子/文藝春秋 2026年5月号)