【活性化へ】ホテル・大学・企業の進出表明など大きな動き相次ぐ“浜松駅周辺”まち中心部変革なるか…ヒントは横浜に!?
これは静岡県内で一番高い「浜松アクトタワー」です。これまでは不動産投資会社の所有でしたがこれを地元企業らが取得し地域活性化を目指すことが発表されました。
実は今、浜松駅周辺では、ホテルや大学が進出を表明するなど大きな動きが相次いでいます。空洞化が問題となっていた浜松市中心部は変わることができるのでしょうか。
そのヒントが横浜にありました。
人口約78万人。県内最大の都市・浜松が、今大きく変わろうとしています。
「長らく中心市街地の空洞化が課題となっていた浜松市ですが、ことし浜松のシンボルともいえるアクトタワーをめぐり大きな動きがありました」
32年前に開業した地上45階建ての浜松アクトタワー。ハーモニカをイメージした音楽のまちが誇るランドマークですが、これを先月、静岡銀行など地元企業が出資するファンドが地域活性化を目的に取得することを発表したのです。
現在、オフィスの稼働率は高い一方で休日に訪れる人が少ないことが課題で、 飲食店などが入る低層階の改修を進めにぎわいを生み出したい考えです。
浜松の中心部を巡る動きは他にも…。
自動車メーカー「スズキ」は浜松駅南口の土地を取得し郊外にある本社機能を一部移転させる計画で、常葉大学も浜松駅から車で40分かかる浜松キャンパスを駅前に移転する計画で2028年春に開校する予定です。
さらに、遠州鉄道は中心市街地にある飲食店が入っていたテナントビルを再生する計画を発表。オフィスに加えカフェやバー、サウナを整備し社員の新しい働き方と地域とのつながりを実現する「モデルオフィス」を計画するなど中心部に進出する動きが次々と生まれています。
人口減少が進む中、都市機能を利便性が高い“まちなか”に集約する“コンパクトシティ化”が進んでいるのです。
アクトタワーを含めた“まちなか回帰”の流れについて経営コンサルタントの坂口孝則氏は…。
(経営コンサルタント 坂口孝則氏)
「すごくいい動きだと思いますね。いわゆる点から面への移行と思っていいと思います。点というのはタワー単体で収益を上げる方式から面、その周辺を含めて再開発でまち全体を盛り上げていこうというのは地元企業でしかできないんですね」
こうした動きを受け土地取引の目安となる地価にも変化が…。
(記者)
「長年空洞化が大きな課題となっていた浜松市の中心市街地ですが、今回大幅に地価が上がりました」
静岡県内で上昇幅の大きい上位10地点のうちJR浜松駅周辺が6地点もランクイン。駅周辺への企業の進出が相次ぎ需要が高まっているのです。
生まれ変わろうとする“浜松の将来像”について坂口氏にたずねると…。
(経営コンサルタント 坂口孝則氏)
「“MICE”という言葉があるんですね。その街やビル自体で完結するのではなくてその周辺、全体で盛り上げていこうというものなんですね」
「MICE」は「会合」「企業の報奨旅行」「学術会議」「展示会」の英語の頭文字をとった言葉。多くの集客が見込めるビジネスイベントを指し“大きな経済効果を生み出す”といわれています。
(経営コンサルタント 坂口孝則氏)
「それで成功しているのが横浜ですが、横浜は狭い地域の中で仕事もできるし、楽しむこともできるし観光もできるスポットが完成している。そこは外部からの企業ではなくて、地元に根差した企業の方がやりやすいと思うので、これは面白い取り組みではないかと思いますね」
そこで取材班は“MICEの先進地”横浜へ。
横浜市が3年前から取り組んでいるのが…。
(横浜市観光MICE振興課 佐伯 哲郎 担当課長)
「こちらが2023年に策定した“横浜観光MICE戦略”というものになります。持続的に成長・発展していくためには交流人口を取り入れて経済を活性化させていくことが重要になっているので、観光MICEは非常に重要な成長ドライバーと捉えています」
人口減少が進む中、人を呼び込んでまちのにぎわいを創り出そうというものです。“MICE戦略”の核となっているのが…。
(横浜市観光MICE振興課 佐伯 哲郎 担当課長)
「あちらがパシフィコ横浜という市でも最重要のMICE施設になっています。ホテル・展示場・劇場・ホールなどが一体となっていて、MICE開催に必要な要素が全てそろっている施設になっています」
横浜市の場合、パシフィコ横浜に「国際会議」や「大規模な展示会」を誘致。そして、会議後に観光などを楽しむ“アフターコンベンション”を充実させ、まちを回遊してもらうことで経済の活性化につなげています。
パシフィコ横浜で2024年に開催されたMICEよる経済効果は約1890億円に上るなど大きな成果が出ています。“MICE戦略”成功のカギを聞いてみると…。
(横浜市観光MICE振興課 佐伯 哲郎 担当課長)
「飲食店やホテル、パシフィコ横浜、観光協会、行政ですね。関係者が一堂に会して話を進めていくことが重要と思います。連携していく上では課題や目指すものを共有していくことが最も大事」
重要なのは行政や観光協会など地域が一体となった“協力体制”をつくること。横浜のMICE戦略は長く停滞が続く浜松中心部の復活への大きなヒントになりそうです。
(スタジオ解説)
(伊藤 薫平 アナウンサー)
変わろうとしている浜松の中心部です。見ていきます。浜松駅の北側にはこのように地元資本が取得するアクトタワーがあって、そして遠州鉄道が再生を手掛けるビルもあります。今度は南側に行きます。南側は常葉大学が移転するほか、スズキも本社機能の一部をこちらに移転させる計画ということになっています。他にも複数の企業やホテルが進出計画ということなんですが、もちろん浜松だけじゃなくて全国で都市部とか中心地の空洞化ってあるわけで、動きとしてはどうご覧になっていますか。
(コメンテーター フリーアナウンサー 望月 理恵 氏)
いやもう本当に、それぞれで問題になっていると思うんですけども、今回みたいに先ほどお話しあった「点から面へ」っていってね、モデルオフィスだったりアクトタワーだったり…いろいろ点だけど、そこ一体が変わるって…これだけが動くと本当に人の流れが大きく変わりますよね。
(伊藤 薫平 アナウンサー)
望月さん、ちなみに、企業が動くことによっての効果というのは何か感じるところありますか?
(コメンテーター フリーアナウンサー 望月 理恵 氏)
はい、その人の流れだって考えると、やっぱり大きい流れがあるんじゃないですか。私、地元が兵庫県なんですけれども、淡路島にパソナが本社が(人材派遣の)大きい本社が変わりましたので、その変わった後、人の流れが…本当にもう見てわかるぐらい変わったなと思うんですよ。もう見てわかるように…そのいろいろなものが出来上がったり、あと、移住者が増えて、いろいろな施設が増えて、さらには、やっぱり、人がいるということで、教育とか医療とかも変わってくるって…その波を起こすっていうのをすごく間近で見て、それが本当に今、いろいろなところでも必要なことなのかなとは思ってしまいましたね。
(伊藤 薫平 アナウンサー)
全体の高レベルが上がっていくという中で、一つVTRの中でワードが出てきましたね。横浜市で成功している「MICE戦略」です。会合であったり会議であったり展示会、こういった頭文字から「MICE」ということなんですが、津川さん、浜松でのこの「MICE戦略」の可能性というのはどう?
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
実はこの「MICE戦略」というのは、日本全国の地方都市がみんな狙っているところなんですよ。なかなか簡単ではないです。ただですね、ポイントとしては会場、十分な会場があると。それからアクセス、当然、東京、大阪、名古屋からのアクセス。行きやすさですよね。それから宿泊施設。そのどれかが欠けるとダメと言われているんですが、浜松は、ここはものすごくバランスがいいといわれているんですよね。ですから、もっと強化していくという意味で、ものすごく可能性あるんじゃないかなというふうに思いますね。
(伊藤 薫平 アナウンサー)
ですから…これも仕事で来て…望月さん、その後、「浜松餃子」食べようかな、ウナギ食べようかな、そういう流れになる可能性があるということですね。
(コメンテーター フリーアナウンサー 望月 理恵 氏)
そうですよ。観光して、浜松を好きになって、「あら、住んじゃうかな」みたいな。そこまで行ったらすごいことになりませんか。
(伊藤 薫平 アナウンサー)
そうですね。そのためには、恐らく経済界、行政も重要だと思いますけれども、坂口さんも言っていましたけども…今後に向けて、まだまだ課題は残されているという状況です。浜松駅前、長らく空洞化が進んできていました。寂しい状況が続いていましたが、これを機に新たな街に変化をしていくのか、私たちも期待を持って注目していきたいと思います。
