「YouTubeは1日10時間、腹が空いたらUber Eats、でも、SNSは見ない」…手取り20万円・24歳、ワンルーム一人暮らし「孤独の末期」
現代の若者が抱える孤独は、かつてのそれとは性質が異なります。ネットを通じて誰かと繋がっているはずなのに、ふとした瞬間に耐えがたい疎外感に襲われる。 そんな「見えない壁」に阻まれた若年層の苦悩が、最新調査によって浮き彫りになりました。
ある20代サラリーマンの閉塞感
都内のIT企業で働く佐藤健太(24歳・仮名)さん。大学卒業と同時に地方の実家を離れ、現在は杉並区にある築15年のワンルームマンションで一人暮らしをしています。 入社から2年が経過し、仕事の流れは一通り把握しましたが、それと引き換えに私生活は極めて単調なものになったと彼は語ります。
「平日は夜8時か9時頃に帰宅し、コンビニで弁当を食べて寝るだけです。会社では同僚と業務上の会話はしますが、プライベートな話をする仲ではありません。仕事終わりに同世代の人たちが飲み会に向かう姿を横目に駅へ向かうとき、何ともいえない疎外感を感じます」
佐藤さんは、休日の過ごし方についても淡々と語ります。
「土日はほとんど外に出ません。お腹が空いたらUber Eatsですし。朝起きてから深夜まで、だいたいはYouTubeを見ています。スマートフォンの使用時間を確認すると、10時間を超えていることも珍しくありません」
SNSについては「以前はよく見ていたが、最近はあまり見なくなった」といいます。
「知り合いのリア充な姿を見ていると、何か気分が暗くなるんです。『前まで、自分はそっち側だったのに』と」
経済的な余裕のなさが、さらに彼を内向的にさせています。
「手取りは20万円ほど。家賃や光熱費、あと奨学金の返済を引くと、手元に残るお金はわずかです。将来が不安で、NISAで月々1万円だけは積み立てていますが、そのぶん、交際費がまったくありません。以前は遊びに誘われることもありましたが、『金がない』と断っているうちに、まったく連絡がなくなりました」
データに見る「20代の孤独」の深刻なリアル
「こんな思いをするために、上京したわけじゃない……」と、ため息をつく佐藤さん。 周囲との繋がりを遮断し、デジタルの世界で生きることで、かえって自己肯定感を失っていく――。そんな今どきの20代の姿が、内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)」から浮かび上がってきました。
調査によると、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人の割合は全体平均で4.3%ですが、年齢階級別で見ると「20代(20〜29歳)」が7.4%と全年代でトップ。 30代(6.0%)や50代(5.1%)よりも高く、高齢者よりも若年層のほうが日常的に強い孤独感に苛まれているのが実態です。
この孤独を加速させている要因は、大きく分けて3つあります。
まず、一人暮らしが多い世代であること。同居人がいない20代の孤独感(12.7%)は、同居人がいる場合の2倍以上に達します。都市部での一人暮らしが心理的な防壁を高くしているのです。
次にスマートフォンの過度な利用。スマホ使用時間が「8時間以上」の人の13.3%が強い孤独感を感じており、SNSによる「他人との比較」が精神的な疲弊を招いています。
そして経済的な将来不安。調査では、日常生活の悩みとして「収入や資産、老後の生活設計」を挙げる人が54.4%に達しました。金銭的な余裕のなさが、交際の機会を奪い、孤独を深める引き金となっています。
困った時に頼れる人がいない人の孤独感は21.5%と圧倒的に高く、人間関係の断絶は将来的なリスクに直結します。複利の力が金融資産を増やすように、若いうちに築いた人間関係もまた、時間をかけて成熟していくもの。 20代の今だからこそ、人との繋がりにも投資すべきだといえるでしょう。
