赤沢経産相“ナフサ不安”の呆れた責任逃れ シンナー不足「目詰まり」「解消済み」に塗装業界は不信感
石油化学製品の原料であるナフサ(粗製ガソリン)の供給不安が、経済活動に暗い影を落とし始めた。食品や医療、建設など、あらゆる業界に品薄や値上がりの波が押し寄せているのに、政府は「日本全体として必要な量を確保できている」の一点張りだ。
【もっと読む】米イ対立に出口見えず…トランプ大統領“ホルムズ逆封鎖”で「住宅クライシス」が日本に忍び寄る
ナフサ供給をめぐっては、大手総合化学メーカー旭化成の工藤幸四郎社長が15日、都内で開いた経営説明会で「日本全体で6月中旬から6月末ぐらいまではめどが立ったと考えている」と説明。一方、「価格の上昇はやむを得ない」と、価格転嫁が不可避との見方を示した。
そもそも、ナフサ自体の在庫は輸入分と国内精製分の計2カ月。ナフサ由来のポリエチレンなど「川中製品」の在庫を合わせても計4カ月だ。ナフサ在庫が1カ月ほど延命しても、いずれ価格転嫁が川下を直撃する。政府の「まだ大丈夫」に不信感を募らせているのが塗装業界だ。
■シンナー不足は「目詰まり」と強弁
塗装に欠かせないシンナーはナフサ由来のトルエンやキシレンが原料。4月に入ってから受注停止や出荷・販売数量の制限、値上げが相次いでいる。日本塗装工業会(日塗装)は14日、安定供給を求める要望書を国交省に提出。「政府発表と現場のサプライチェーンには大きな乖離が生じている」と訴えた。
一方、赤沢経産相は同日の会見で、原油・石油化学製品について「我が国全体として必要となる量は確保できている」と前置きしつつ、シンナー不足に関し「流通の目詰まり」と強調。次のような事例を挙げた。
「石油化学メーカーあるいは商社ですね。石油精製事業者の一番上位の辺り。川上でナフサ由来の原料、特にキシレンについて『4月までは前年実績並みに供給。5月の供給は未定』とシンナーメーカーに伝達した。そしたらシンナーメーカーと卸・小売りは4月の出荷を直ちに半減した」
供給不安に対して事業者が講じる防衛策は、「全体量は足りている」と繰り返す赤沢氏にしてみれば「目詰まり」の要因というわけだ。ナフサの供給不安を招いている不手際を棚に上げてメーカーや卸に責任転嫁した挙げ句、「4月の出荷を半減するようなことをしないでね」と全国に“お触れ”を出したことを理由にシンナー不足を「解消済み」と言い放った。
この発言に対し、日塗装の加藤憲利会長は会見で「まったく解決されていない。むしろ状況的には厳しくなってきている」と吐露。中東からナフサを持ってこられない高市政権の無策に、現場は泣いている。
◇ ◇ ◇
忍び寄るナフサ不足の危機に、高市政権は他人事のように強弁を繰り返すばかり。関連記事【もっと読む】『米イ対立に出口見えず…トランプ大統領“ホルムズ逆封鎖”で「住宅クライシス」が日本に忍び寄る』で詳しく報じている。
