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 ◇セ・リーグ 阪神3―0中日(2026年4月12日 バンテリンD)

 阪神・好投手相手に後手には回れない。5回2死一、二塁。中野が初球攻撃で先制点となる決勝打を放った。高橋宏の甘い140キロカットボール。きれいに芯で捉えた打球は中堅左への適時二塁打になり、0―0の均衡が破れた。

 「(3回の)2打席目もチャンスで回ってきて、積極的にいけなかった部分があったので、あの打席は割り切った。甘いボールが来たら最初からいこうという思いだった」

 2打席目までは最初のストライクをじっと見送った。それはかつてのスタイルをほうふつとさせた。

 「待ちの中野」といえば、岡田前監督が指揮を執った23年のトレードマークだ。積極性を封印し、球を絞ることで自己最高の打率・285を残し、四球数を飛躍的に伸ばした。

 ところが、この成功体験が翌24年に思わぬ副作用を生む。ストライク先行の配球に、頭ではわかっていても体が反応しなかった。「消極的になってしまった。自分から振っていかないといけない」。苦い教訓を経て、今の中野は自由自在だ。この日見せた序盤の「待ち」の姿は、勝負どころで初球を叩くためのまき餌にすら見えた。

 直後の森下も2点打で続き、この回一挙3得点。先制した試合はこれで8戦無敗になった。中野は言う。「うちは先発ピッチャーがいい。ある程度の援護があれば気持ちよく投げられる。先制点の重要性を感じているので取りたい」。先に点を取れば負けない。今季2度目の勝利打点を挙げた不動の2番打者も、「先制の虎」に欠かせない存在だ。(倉世古 洋平)