石川の“和の心のもてなし”窮地に 原油価格高騰が影響 苦悩する和菓子製造や銭湯
和の心でのもてなしが今、窮地を迎えています。原油価格の高騰は、少しずつ石川の伝統産業にも影響を及ぼし始めています。
“鮮やか”かつ“繊細な技術”が光る日本の伝統菓子「落雁」。
ただ…
落雁諸江屋・諸江 豊 専務取締役:
「日々考えながらやっていかないと、ここは乗り切れない」
危機感をあらわにしたのは、江戸後期から暖簾を掲げ、伝統を守り続けてきた名店「諸江屋」。
その味に欠かせないのが…
「こちらが和三盆です。この和三盆を使わないと、今までの味が出せないので重要な食材ですね」
この味の決め手について、業者から「安定した量の提供が難しい」という連絡を受けたということです。
背景にあるのは、原油の価格高騰でした。
先の見えない中東情勢の影響で原油の価格が上昇。その結果、和三盆の製造が滞るという事態となりました。
落雁諸江屋・諸江 豊 専務取締役:
「和三盆糖というのは特殊な材料で、国内需要というのはほとんど埋まっているという状況なので、新規に材料の仕入れ先を探すというのは非常に困難」
さらに、菓子を包むビニールなどの材料も35パーセントの値上げという追い打ちもあって、伝統のおもてなしは窮地を迎えています。
落雁諸江屋・諸江 豊 専務取締役:
「今のところ、この状況が続くと価格を上げざるを得ないですけども、一方で、お客様に手に取っていただきたい価格で提供しないといけないという課題もありますので、何とも言えない」
一方、影響は街の銭湯にも…
金沢市の「大和温泉」。
15年ほど前に価格高騰の影響で燃料は重油から廃油に変えたため、こちらの銭湯では現在のところ、価格高騰の影響は受けていないといいます。
ただ、組合に加盟する31店舗の中には、休業を余儀なくされている店もあるといいます。
石川県公衆浴場業生活衛生同業組合・村上 憲明 理事長:
「皆さん、いろいろと工夫しながら頑張ってやってらっしゃるんですけど、ただ重油だけのお風呂さんは、本当に大変だと思います」
銭湯は法令に寄って、石川県内では入浴料金の上限が決められているため、自由に値上げできない事情があります。
石川県公衆浴場業生活衛生同業組合・村上 憲明 理事長:
「経費が上がったんですけど、それに合わせて(入浴料金を)上げるということはできなくて、新しい知事さんにも少し考えていただいて、本当にこのままだと本当にお風呂屋さんがなくなっていくので」
生活に密接する銭湯や、伝統文化すらも脅かす原油価格の高騰。不安定な状況はいつまで続くのでしょうか。
