クレジットカードは支払った感が少ない分「痛み」を感じにくい?なので使いすぎを防ぐには…専門家「ある方法で<支払いの見える化>を」
「毎月節約しようと思っても続かない…」「貯金しようと決意しても、気づけば残高がゼロ…」こうした悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。明治大学教授の堀田秀吾先生は、「お金が貯まらないのは、私たちの脳や心には、知らないうちに貯蓄を妨げる『クセ』が仕込まれているから」と語ります。そこで今回は、堀田先生の著書『科学的に正しい[お金が貯まる]習慣』から抜粋し、世界の名門大学の研究で証明された「科学的にお金が貯まる習慣」をご紹介します。
【書影】貯蓄は習慣が10割。堀田秀吾『科学的に正しい[お金が貯まる]習慣』
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お財布の痛み、忘れてない?
みなさんが、クレジットカードでサクッとお買い物するとき、「支払った感」が薄れて、ついつい余計なものまで買っちゃったという経験もあるのではないかと思います。
実はマサチューセッツ工科大学のプレレックとカーネギーメロン大学のローヴェンシュタインが発表した研究では、この現象を「支払いの痛み(pain of paying)」と名付け、消費と支払いの「つながり具合」がポイントだと教えてくれています。
現金での支払いは「消費」と「支払い」が同時に起こるため強く結びついており、(これをカップリングと呼びます)その場でお金が減る実感=痛みを感じやすい。
一方で、クレジットカードだと支払いが後になることで、「お買い物」と「払うこと」が時間的にも心理的にも離れてしまい、痛みが和らぐそう。
支払いを「見える化」すれば浪費は減る
そこで、実生活で使えるヒントが「支払いの見える化」。
たとえば、現金主義に切り替えて財布に使えるお金だけを入れて持ち歩く「封筒予算法」と呼ばれる手法。この方法では、決められた予算ごとに封筒を分け、その中身がなくなったら支出をストップ。物理的な制約が「支払いの痛み」をリアルに感じさせ、つい使いすぎるのを防ぎます。
また、買い物前に「必要なものリスト」を手書きで作成し、それ以外の購入を控える方法もあります。これにより、消費行動が計画性をもって行われ、無駄な出費を抑えやすくなります。
こうした物理的・視覚的な工夫が、消費と支払いの心理的なつながりを強め、無駄遣いを防ぐ効果を持つのです。
ほどよい「痛み」と上手に付き合う
考えてみれば、これって支払い行為を「先延ばし」にしてしまうクレジットカードの弱点を逆手に取った生活の工夫。プレレックとローヴェンシュタインの理論が示すように、支払いの痛みは決してイヤなものではなく、自制心をサポートする大切な感覚なんです。
だからこそ、わざわざ手をかけて「見える化」する価値があるのです。
節約は、痛みも伴うけど、それがあるからこそ成果が見えてくるもの。お金の世界もほどよい「痛み」と上手に付き合うのが賢者の秘密ですよ♪

(写真提供:Photo AC)
ひとことアドバイス
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出典: Prelec, D., & Loewenstein, G. (1998). The Red and the Black: Mental accounting of savings and debt. Marketing Science, 17(1), 4-28.
※本稿は、『科学的に正しい[お金が貯まる]習慣』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
