快進撃を続けるNECと佐野(中央手前)。CL出場と国内カップ優勝の二兎を追う。(C)Getty Images

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 3月の英国遠征で日本代表はスコットランド、イングランドに連勝し、北中米ワールドカップに向けて弾みをつけた。あの時、得た手応えと課題をさらなる成長の糧に繋げるべく、選手たちは各所属チームに散った。

 スコットランド戦で先発したものの、イングランド戦ではベンチ外になった佐野航大(NEC)は4月4日、アウェーのエクセルシオール戦にフル出場。セントラルMFとして強度の高い守備を披露しつつ、チームの2得点に絡んだ。

 30分にFWブライアン・リンセンが挙げた先制ゴールは、アタッキングサードでいったんNECの攻撃が止められた瞬間、佐野がスライディングで相手に襲い掛かり、MFネヤスミッチが挟み込んでボールを奪ってから、アシストに繋がるスルーパスを出して生まれた。

「ボランチ(佐野&ネヤスミッチ)だけでなく、俺らの距離感がいい時はごちゃごちゃとなった時に奪い切れるんですよね。1人目、2人目、3人目が(連動して)行ってショートカウンターを打つみたいな。あのゴールは攻撃も含めて、今シーズンのNECの良さが出たゴールだったと思います。

 どこのレベルのサッカーを見ていても、強いチームはそこの距離感がいい。攻撃→守備の“守備の強度”とか“切り替えの速さ”とか、距離感がいいとうまく行く。そういった意味であのゴールは、チームとして取ったゴールだったと思います」
 
 71分の追加点は、空中戦で佐野がヘッドで競り勝ったボールを縦に繋いで一気呵成に縦に2本のパスで攻め切って、最後は左ウイングバックのバサル・ウナルが仕留めたもの。

「今年のNECはダイナミックなプレーも含めてボールを持てるし、ああいうシュートカウンターも打つ攻撃もできる。そこが今のチームの強みですね」

 同時刻に行なわれたアヤックス対トゥベンテは、2−1でアウェーチームが勝ち、両チームの順位が入れ替わってトゥベンテが4位に、アヤックスが5位になった。残り5節、2位フェイエノールト、3位NECを加えた4チームによる2位争い(チャンピオンズリーグ・グループフェイズのストレートイン)は熾烈なものになりそう。NECはさっそく次節でフェイエノールトとの直接対決が控えている。さらに4月19日にはAZとのKNVBカップ決勝という大一番を戦う。

「やばいですね(笑)。この2週間、大事なゲームばかり。でも俺はあんまり変わらないですね。というよりチームとしても『1試合1試合がファイナル(決勝戦)』と言ってるので変わりません。シーズンの最後はそういうものだし、いい位置にいるからこそ経験できることですし。そこで今年のチームのやってきたことが報われればいいなと思います。それに向けてしっかり準備したいです」
 ハムデン・パークでスコットランドを、ウェンブリーでイングランドをともに1−0で破った日本。NECに戻ると佐野は「良かったね」と祝福された。佐野自身はスコットランド戦で2シャドーの一角でプレー。45分間だけの出場とはいえ、高パフォーマンスを発揮したかに見えたが、イングランド戦ではメンバーに入れずスタンドから戦況を見守った。

 日本代表での英国遠征について佐野に尋ねると、45分間プレーしたスコットランド戦の自己評価は極めて厳しいものだった

「全然ですね。短い時間の中で結果を出したかったですし、短い時間だからこそもっと何か爪痕を残すために、あの試合でもっとできたはず。そういう印象しかないです」

 周囲から「いいプレーだった」と言われたのでは?

「みんなに(良かったなと)言われました。でもあんまり。ボールを受けることも、前にプレーすることもそうだし。周りから思われてるより、自分としては全然ダメだなと思いました」