2025年のマーケティングおよびメディア業界は、急速な技術進化と市場構造の変化が重なり、これまで当たり前とされてきた前提が揺らぎ始めた1年だった。とりわけAIの進化は、ツールの域を越え、マーケティングにおける生産性と創造性の前提を書き換えつつある。加えて、検索、ソーシャル、コマース、生成AIといった接点が絡み合い、顧客体験の「入り口」そのものも分散・再編されはじめた。Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT 2026」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブたちにアンケートを実施。2025年をどのように総括し、そして2026年に向けてどのような挑戦とビジョンを描いているのか。その声を紹介する。マドラスで、事業本部 取締役 本部長 DX・OMO事業推進/PRコミュニケーションを務める岩田敏臣氏の回答は以下のとおりだ。

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――2025年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。

2025年は、LTV向上に向けた基盤整備を本格的に進めた1年でした。2月には20年以上稼働していた物流のWMSを刷新しました。会社の数字を見える化するためのデータウェアハウス(DWH)構築を進めており、2026年に向けて本格的に運用できる基盤を整えるために尽力しておりました。一方で、海外のインフルエンサー施策によるショート動画が40万以上の再生回数となり、銀座店の集客が3倍になるなど、インバウンド需要とSNSの爆発力を肌で感じる“嬉しい誤算”もありました。TikTokの運用もスタートし、デジタル上の接点が一気に広がった年でもあります。

――2026年に向けて見えてきた課題は何ですか。

データウェアハウス(DWH)の本格運用と浸透です。基盤構築を終えたDWHの社内運用を本格化させ、現場レベルでの業務効率化とデータドリブンな意思決定を定着させる必要があります。また、生成AIの全社的活用も課題です。生成AIの利用を個人の取り組みに留めず、全社的な業務プロセスに組み込むことで、組織全体の生産性向上を図りたいと考えています。さらに、TikTok(ショート動画)のコンテンツ最適化も重要です。新しいプラットフォームであるTikTokの特性を深く理解し、Instagramなど既存のSNS施策とは異なる、ショート動画に特化した認知獲得のためのコンテンツ企画を確立することが鍵になると認識しております。

――2026年にチャレンジしたいことを教えてください。

2026年は、構築済みの基盤(データウェアハウスなど)をフル活用し、「業務効率化」と「ファンづくり」を両立していきたいと思っております。まず、データとAIで業務効率化を目指します。データウェアハウス(DWH)の本格運用により、「勘」ではなく「確かな数字」で判断する文化を定着させます。同時に、生成AIを全社業務に組み込み、定型作業の効率化を通じて、社員の生産性を飛躍的に向上させたいと考えています。次に、インフラ進化とロイヤリティプログラムです。WMS刷新を活かし、RFIDなどの技術導入を本格的に検討したいです。在庫のズレを根絶し、販売機会損失を防ぎます。また、データに基づいたロイヤリティプログラムの刷新を目標に、お客様一人ひとりに最適なサービスを提供し、ファンとの強い関係を築き、LTV(顧客生涯価値)を最大化したいです。さらに、ショート動画のチャレンジによる認知獲得です。インスタグラムのみならず、TikTokなどショート動画プラットフォームの特性を活かし、これまで接点のなかった層へブランドの魅力を伝えていきたいと考えています。