ベトナム人男性、反省せず逃走図る! 495台盗難“被害10億円超え”事件のリーダー、裁判中に暴れる事態に 懲役6年の判決に抵抗!? 刑期は延びるのか? 弁護士に聞いた
ホンダカーズ野崎での窃盗事件とは?
2025年12月17日、さいたま地裁にて自動車窃盗の実行犯リーダーであるベトナム国籍のチャン・ドゥック・ルオン被告に懲役6年の判決が言い渡されました。
ルオン被告は技能実習生として来日しましたが、「実習先でいじめや暴力を受けたことで仕事が嫌になり」(本人談)逃走。不法滞在は2年半にも及びます。
【画像】これが被害にあった店舗&金庫です。画像を見る!(26枚)
ルオン被告を実行犯リーダーとする窃盗グループは、これまで1都11県の中古車店やディーラー、成田空港周辺の民間駐車場などで多数の自動車窃盗を行っており、盗んだ合計台数は495台。クルマ以外の窃盗も多数あり合計点数は1619点、被害総額は10億円を超えています。
17日の裁判はルオン被告が関わった窃盗の一部、52台の自動車窃盗と現金約467万円を盗んだ件について行われました。52台のうち、39台は発見されましたが残りは売却して換金したとみられています。
犯行は7〜8名のベトナム人によって組織的に行われ、実行役リーダーの被告はその見返りとして約2500万円(52台の窃盗を含む関わったすべての窃盗に対して)の報酬を得ていました。
ルオン被告には懲役8年が求刑されていましたが、17日の裁判では懲役6年の判決が言い渡されました。ルオン被告は前回の公判で「求刑8年は長すぎる。せめて5〜6年にしてほしい」と話していたそうですが、2年が減刑されたことでルオン被告の希望通りの結果となりました。
懲役8年求刑も…判決は6年。それでも裁判中に窓ガラスを割って逃走図る… 「どこが反省しているのか?」 現場では何が?
減刑の理由は「ルオン被告は反省しており、捜査に協力している」からということでした。しかし、実際には反省の色がまったく見えなかったといいます。
2024年8月にルオン被告を中心とする窃盗グループに11台の車両を盗まれた(11台全車発見されています)ホンダカーズ野崎(栃木県大田原市)の松本正美店長は下記のように話します。
「何をどう見て裁判官は『反省している』と判断したのでしょうか。ルオン被告は、『日本で収監されるのは嫌だ! 6年なんて長すぎる! ベトナムに強制送還してほしい』と言っていたそうです。
裁判で傍聴に来ていたルオン被告の実弟は私の顔を見るなり申し訳なさそうな表情で軽く会釈していましたが、本人にその気配はありませんでした」
そして17日は判決を言い渡された直後、反省どころかとんでもない事件が起きました。

ルオン被告が突然立ち上がり、ペンのようなもので法廷の窓を割ってそこから逃走しようとしたのです。
すぐに4人の刑務官に取り押さえられましたが、「警察を呼べ!」「誰か110番!」などの声や傍聴に来ていた人たちからの悲鳴も上がり、場内は騒然としました。
「ルオン被告は裁判に出廷するため、場内に入って刑務官によって腰縄などを取られた状況でした。つまり自由に動ける状態です。突然起きた暴動には本当に驚きました。
裁判官、検事、弁護士すべて女性だったことも関係しているかもしれません。
ルオン被告を取り押さえた刑務官4名は全員男性でした。法廷は建物の2階で行われましたが、窓ガラスを割って2階から飛び降りるつもりだったのでしょうか。
反省していることで2年の減刑となったわけですが、こんなことするなんて反省など全くしていないことがわかりますね。
何度も言いますが、減刑を決めた裁判官は何を根拠に『反省している』としたのでしょうね。
経緯もよくわかりませんし、本当に腹立たしい限りです。この暴動で罪を重ねることになるのでしょうけど、どんな罪になるのか気になります」
懲役6年判決言い渡し後の逃走未遂、どんな罪になる? 弁護士に聞いた
松本店長が話したように、気になるのは言い渡された判決6年に加えてルオン被告の罪がどうなるのか、刑期は延長されるのか、ということです。
この件に関して、アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士に聞きました(事件のタイミング、実際にした言動や何を持っていたかなど詳細がわからないため、回答は「可能性」としてのコメントです)。
―― 裁判所のガラスを割って逃走を図り大暴れしたルオン被告はどんな罪に問われるのか。
裁判所の窓ガラスをたたき割った行為は『器物損壊罪』に当たります。
状況に応じて問われる可能性がありそうなものとしては、取り押さえた警察官ら公務員に対して暴行や脅迫をしていれば『公務執行妨害罪』、暴行により怪我をさせていれば『傷害罪』。
また、逃走目的で窓ガラスを割って逃げようとしたとすれば『逃走未遂罪』、拘束器具の損壊や暴行・脅迫があれば『加重逃走未遂罪』も考えられます。
―― 12月17日に判決を受けた懲役6年から延長されるのでしょうか。
事件詳細が不明な点もありますが、報道からわかる範囲では延長になる可能性があると思います。今回法廷で暴れた事件について、別途書類送検や逮捕・起訴される可能性があります。
懲役6年を言い渡された窃盗等に問われている裁判は確定していないので、今回の事件とは、法律上併合罪という関係にあります。
この併合罪の関係にある複数の犯罪に対する処罰は、有期刑の場合、原則として、最も重い罪の刑期をベースとして判決で言い渡される懲役の上限や刑の執行の上限が決まるのですが、ルオン被告の場合、少なくとも上限は懲役15年にはなると考えられます。
だとすると、今回の事件が起訴されて懲役6年の判決とは別に判決が出ると、その分刑期が長くなる可能性はあります。
今後控訴する可能性もあるので、最終的にどのような刑期になるかは今後の推移次第かと思います。

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昨今、不法滞在対策や外免切替試験の厳格化など外国人への規制が進んでいるものの、筆者がこれまで取材した自動車盗難事件を振り返ると外国人による自動車盗はよほどの大量窃盗でない限り、不起訴になることが多い印象です。
しかし、盗まれたクルマのオーナーにとって大量窃盗かどうかは関係なく、愛車は家族と同じ大切な存在。外国人でも日本人でも罪の深さを認めてしっかり裁かれる体制が必要です。
