この記事をまとめると

■2025年3月28日午後0時50分にミャンマーを震源とした地震が発生した

バンコクモーターショーの会期中であったため会場は大混乱となった

■市街地も渋滞が多数発生しEVタクシーは走行不能間際になるケースも見られた

バンコクモーターショー中に地震発生!

 2025年3月28日午後0時50分(現地時間)、ミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生、震源地から1000kmほど離れたタイの首都バンコクでも、過去20年で最大の揺れ(現地在住日本人A氏)となり、建設中の高層ビルが倒壊したり、道路がゆがむなどの被害が多数発生した。

 東南アジアでは、高層マンションやホテルの最上階にブールが設置されることが多いが、そのような高層階にあるプールの水が地震の揺れにより溢れ、最上階から地上へ降り注ぐという事案も、現地報道を見ると多数発生したようである。

※画像はイメージ

 筆者は2025年3月23日よりバンコク国際モーターショー取材のためバンコクに滞在しており、28日は追加取材のためショー会場を訪れ、被災した。

 震度自体は驚くほどではないもので、日本人なら揺れているよねと思う程度だったのだが、大きな船に振られて乗っているような、独特の揺れの大きさを筆者は感じた。会場内天井の照明や看板が大きく揺れるなか悲鳴とともに、会場にいたひとたちが一斉に出口に殺到していた様子のほうが、むしろ筆者は恐怖を感じてしまった。

 地震発生までは多くの来場者で混みあっていた会場もほとんどひとがいなくなったので、一般公開用に新たに展示されていた車両などを撮影していたら、係員からすぐに会場を出ろといわれ、強制退出させられた。

 会場外の屋内コンコースもほとんどひとの影はなく、屋外に多くのひとが避難していた。警備スタッフから、日本でも地震報道のたびに紹介されていたのと同じような、バンコク市内の高層ビルの倒壊動画を見せられ、事の重大さが初めてわかった。

大渋滞によりEVタクシーが満足に走れず

 会場を出ると、慌てて駐車場から出てきたクルマで、道路のいたるところで大渋滞が発生していた。鉄道の駅は少し離れたところにあり、シャトルバスでの移動が必要なので、この大渋滞では……と考え、ショー会場から少し離れた場所でタクシーを探すことにした。しばらく待っていると、中国上海汽車系ブランドとなるMGのEPプラスというステーションワゴンタイプのBEV(バッテリー電気自動車)タクシーがきたので、ドライバーにバンコクに戻りたいと伝えると乗せてもらえることができた。

 そこから高速道路の入口へ向かうのだが、渋滞でなかなか前へ進まない。そんななか、ドライバーが急にクルマをUターンさせたのである。ドライバーいわく申し訳ないが充電量が残り36%となっており、この調子(大渋滞)がバンコクまで続けば充電残量が途中でゼロとなってしまう可能性が高いとのことであった。仕方がないので最寄りのBTS(高架鉄道)の駅まで送ってもらうことにした。しかし、その最寄り駅までも大渋滞が続いていた。その様子は2011年3月11日、つまり東日本大震災発生当時の東京や隣接県の様子
とまったく同じであった。

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 しばらくするとドライバーのもとへBTSが全面運休しているとの情報が入った。そして高速道路も閉鎖されたみたいだとドライバーが教えてくれた。

 担当ドライバーは、今日中にバンコクに帰るのは諦め、ここら辺でホテルをとったほうがいいとアドバイスしてくれた。そのアドバイスどおりに、いつも使っているホテル検索サイトを使って検索すると、ショー会場近くで泊まったことのある外資系ホテルでの残り1部屋を確保することができたので、そのホテルまで送ってもらった……という結果に。

 その道中でもバンコク市内へ向かう車線はまさにほとんど動かない大渋滞が続き、夕方のラッシュとも重なり、運休しているBTSの駅前では途方に暮れるひとたちがたくさんいた。あとでホテルにて報道を見て知ったのだが、バンコク市内でも多くの帰宅難民が発生したとのことであった。

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 乗ったタクシーはいたるところにビニールが残り、新車の香りが充満するまさにおろしたての新車だったので、おそらくBEVに慣れていないとのこともあったのだろうが、ドライバーの賢明な判断でバンコクに帰ることはできなかったものの、途方に暮れることがなかったのはよかったと考えている。災害発生時にBEVの充電量で一喜一憂する、貴重な体験ができた。

 翌朝、同じMG EPのタクシー(ドライバーや会社は違う)で無事バンコクの宿泊先に帰ることができた。