二足歩行する人型ロボット「Atlas」の開発で知られるボストン・ダイナミクスが、強化学習によってさらに「Atlas」を進化させていくため、非営利団体・Robotics&AI Institute(RAI Institute)と提携したことを発表します。RAI Instituteは30年にわたりボストン・ダイナミクスのCEOを務めたマーク・ライバート氏が2022年に設立した団体です。

Boston Dynamics and the RAI Institute Partner | Boston Dynamics

https://bostondynamics.com/news/boston-dynamics-and-the-robotics-ai-institute-partner/



Boston Dynamics joins forces with its former CEO to speed the learning of its Atlas humanoid robot | TechCrunch

https://techcrunch.com/2025/02/05/boston-dynamics-joins-forces-with-its-former-ceo-to-speed-the-learning-of-its-atlas-humanoid-robot/

発表によると、ボストン・ダイナミクスはRAI Instituteと共同で、新しい「Atlas」のための共有強化学習トレーニングパイプラインを確立し、動的で一般化可能な移動マニピュレーション挙動を構築するプロジェクトを2025年2月から開始したとのこと。

ボストン・ダイナミクスとRAI Instituteは、以前から四足歩行ロボット「Spot」の強化学習キットの共同開発を進めていました。「Spot」向けキットでは、時速11.5マイル(18.5km)で走らせることに成功しています。

「Atlas」に焦点を当てた今回のプロジェクトは、3つの目的が設定されています。

1:ロボットのための「Sim to Real」の開発

高速な並列シミュレータや洗練された制御最適化技術があるにもかかわらず、「シミュレーション結果を実際のハードウェアに適用する」のは、ロボット工学で最も困難な側面の1つだとのこと。この「シミュレーションと現実のギャップ」を埋めるため、両社のチームは共同で、物理的ハードウェア上でさまざまな機敏な動作を行うポリシーを訓練し、斬新でたくましく、実用的なロコモーション(移動)動作の実現を目指しています。

2:全身のロコマニピュレーションの改善

ロコモーションと連動してドアやレバーといった物体を操作する能力があれば、ロボットの有用性は高まります。チームはこうした事例での安定性を高めるポリシー開発を進めることにしています。

3:全身運動戦略の探求

3点目として、たとえば「勢いよく走る」や「重量物を扱う」のような、腕部と脚部の緊密な連携が必要になる全身運動戦略を必要とするタスクと高度な全身ロコモーションについての探求を行います。この目的は、強化学習を利用して、厳密な要件を課すことなく、複雑な接触イベント中にそのような行動を生成することだとのこと。

ボストン・ダイナミクスのロバート・プレイヤーCEOは「私たちは人型ロボット開発にとって、とてもエキサイティングな時代に生きています。しかし、人型ロボットが有用であるためには、さまざまな環境で動作し、さまざまな用途でタスクを実行できるだけの柔軟性が必要です。RAI Instituteとの提携は、世界有数の2つのロボット工学組織が力を合わせ、Atlasのようなロボットを人々の生活の中で価値あるものにするために必要なコア能力の強化を支援するものです」と語っています。