さらに「森さんのお芝居って常に流動性というか、不確実性に満ちている感触が、人物に実在感と説得力を持たせていて、スクリーンから目を離せない理由のひとつだと思う」とも感じたという奥山監督に、今村氏も「そういうの感じますよ。撮影って、台本があって、いちおう僕たちつくる側の想像ってあるじゃないですか。でも彼女は基本的にどっかに行っちゃうので。自分たちが想像してないことをしてくるんだけど、俺らみたいなのはそういうのが好きなんですよ。だから流動性を感じられるんですよね」とその意見に深く同意した。

今村氏は「今回は(役柄としては)どちらかというと受ける方じゃないですか。ちょっと前なら逆だった。発散する側の役が多かったと思うんで。大人になったなと思って。謎の親戚のおじさんのような気持ちでいます」としみじみ付け加え、会場を沸かせた。

☆映画「アット・ザ・ベンチ」

川沿いの芝生の真ん中に一つのベンチが佇んでいる。ある日の夕方、そのベンチには久しぶりに再会する幼馴染の男女が座っている。彼らは小さなベンチで、どこかもどかしいけれど、愛おしくて優しい言葉を交わしていく。この場所には他にも様々な人々がやってくる。別れ話をするカップルとそこに割り込むおじさん、家出をした姉とそんな姉を探しにやってきた妹、ベンチの撤去を計画する役所の職員たち。一つのベンチを舞台に、今日を生きる人々のちょっとした日常を切り取るオムニバス長編作品。

出演:出演:広瀬すず(第1編・第5編)、仲野太賀(第1編・第5編)、岸井ゆきの(第2編)、岡山天音(第2編)、荒川良々(第2編)、今田美桜(第3編)、森七菜(第3編)、草なぎ剛(第4編)、吉岡里帆(第4編)、神木隆之介(第4編)