販売のプロ 心得は『現場を訪れること』 売れ筋の佃煮を作る海苔師と共に“ノリの赤ちゃん”養殖解禁に臨む
生産者と販売者、後継者が減るノリ養殖業界に新たな風を吹かせるため、熊本特産のノリを新たな形で全国に発信しようという2人がいます。(2024年11月6日放送)
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九州で生まれた“熱い思い”を売る店長
「それお肉、高千穂牛です」
「曲げわっぱ、熊本でたった一人だけの職人さんが作っています」
熊本空港の店舗で商品のプレゼンをする女性。古田和子(ふるた かずこ)さんは、熊本を中心とした九州の珍しい商品を扱う店の店長です。
QSHU HUB 古田和子さん「空港から熊本のものを中心に、県外色々なところに行く人たちに伝えて発信して、持って帰ってもらおうというお店です」
この思いを込めた店の名前は『QSHU HUB(きゅーしゅーはぶ)』。八代産のいぐさ製品や、幻のかんきつと言われる「くねぶ」のポン酢などが並びます。
古田さんはイベントの司会やラジオパーソナリティの経験を生かした軽妙なしゃべりで商品の魅力を客に伝えます。
古田さん「すごい熱い思いで作っている人、熱い思いで売る人、その思いに惹かれて購入する人、という素敵な循環できると思う」
「海苔師」のノリに熱視線
この日、古田さんのもとに商品が入荷されました。
古田さん「おぉ!1、2、3、4…5箱で50個!ありがとうございます」
店の人気商品、熊本市沖で養殖されたノリの佃煮です。前回入荷した時は1か月ほどで30個が完売しました。
この佃煮を手がけるのは、ノリ養殖のスペシャリスト“海苔師”の梅田和孝(うめだ かずたか)さん。後継者不足が深刻化する熊本のノリ養殖を次世代につなげようと、SNSなどで情報発信を続けています。
潤輝 海苔師 梅田和孝さん「熊本でノリの養殖をやっているというものの、なかなか一般の人には分かってもらえていないので、それをぜひ知ってもらいたい」
また、梅田さんは海苔の新たな可能性を開拓するため、希少価値の高い「一番摘みノリ」の新商品、佃煮を開発しました。この商品の魅力を、古田さんが店で伝えます。
古田さん「お茶って、新茶とか一番摘み茶とかあるじゃないですか。あれをノリのバージョンで考えていただいたら」
自慢の佃煮ができるまで 「海苔師の仕事」を自ら取材
仕事を終えた古田さんは、「商品の魅力をより自分の言葉で伝えられるように」と、梅田さんの元へ取材に向かいました。
古田さん「ノリの赤ちゃんをつけて、それを海に出して育てるという解禁日を迎えるらしいんですよ。そのための準備をされている」
養殖ノリの種付け解禁を控えた時季の作業を聞き取ります。
梅田さん「ヒーターを焚いてるんですけど、ちょっと温度を暑くして水温が下がらないようにしている」
解禁日に種付けしたノリが、来年、古田さんの店にやってきます。
梅田さん「食べていただいてる方とお話しする機会はほとんどないので、こうやってお話していただけるのがありがたい」
ノリのおいしさ 二人三脚で「守り届ける」
解禁の前日も、古田さんの姿はノリ養殖の現場にありました。
古田さん「体験した人でしか伝えられない言葉があるんだろうなと。どういう風にお客様に伝えようか、わくわくもあります」
ノリの種が付いた貝、約1万枚が網に取り付けられました。そして迎えた解禁日の11月1日午前0時、暗闇の中での作業が始まりました。
梅田さん「12時になったので今から出航します。けが無いように頑張っていきましょう」
貝殻がついた網を手作業で海へ沈め、種は約1か月後には「一番摘み」として収穫され佃煮に加工されます。
地域の宝を守る者と届ける者。熊本の新たな名産が生まれようとしています。
梅田さん「後継者が減っているという中で熊本産のノリを残していきたいという思いでやっているので、それを知っていただくことで新しいノリの養殖の形ができると思います」
古田さん「その場所を訪れて、探して、交渉して、一緒に混ぜてもらうというのをすごく大事にしている。熊本と九州のことを、みんなが興味持って面白いと思ってもらえるといいなと思って頑張っています」
