「ジャパネット」を継いだ2代目…900億円ビッグプロジェクトの全貌:ガイアの夜明け
タクシー業界No.1や通販業界大手と、誰もが知る大企業のかじ取りを任された若きリーダーたち。時代が変わり、それぞれの業界が大激動する中、彼らは今、新たな挑戦へと乗り出していた。ガイアはその第一歩から追いかけ、終わりなき戦いに密着した。
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“通販”だけじゃない!ジャパネット2代目 次は何を売る!?

小さなカメラ店からスタートし、テレビショッピングで巨大通販会社「ジャパネット」を一代で築き上げた郄田明さん。その後を継いで社長になったのが、息子の旭人さん(当時36)だ。
8年ほど前、ガイアはその引退の瞬間に立ち会っていた。
2015年に社長就任後、売り上げを着実に伸ばしてきた旭人さん。2年目には、父・明さんの時代の最高記録を超え、2023年は2625億円と、さらに過去最高を更新する見込みだ。
成長の裏には、通販だけにとどまらない旭人さんの独自戦略があった。
東京・港区にある「ジャパネットホールディングス」東京オフィス。客の声をもとに改善を話し合う、商品品質検討会議が行われていた。
そこでは、客から「(掃除機の)ゴミがたまる所にフィルターがついていて、閉めづらい」という声が。実物を確認した旭人さんは、すぐさま改善を指示する。

こちらのシェーバーのスイッチは、客から「硬くてスライドできない」との声が。早速メーカーと交渉し、スライドする方式から押しボタン式に変更した。
「1回買った方が後悔しなければまた来てもらえる。電話がかかってきて『使えません』というのは、かなり大きな問題。たくさん数を作ってもらっている分、メーカーにも価格交渉力があるので、ちゃんとこういう部分にも労力をかけていく」
旭人さんは、取扱商品の数を8500から777と10分の1以下に絞り、一つ一つの商品にこだわることにしたのだ。

今度はリモートで参加したのは、ツアー会社との打ち合わせ。実は去年、新たに旅行事業を行う「ジャパネットツーリズム」を設立した。
「究極の行き先だけにしたい。日本の隠れた名所・宿を見つけ、徹底的に磨き上げ、伝えていく」と話す旭人さん。すでにクルーズ旅行を商品化しており、今後は国内のオリジナルツアーも生み出していく予定だ。

さらに旭人さん、去年9月に立ち上げた食品サイト「たべる。ジャパネット」の会議にも参加。食品専門のバイヤーが全国から見つけてきた商品を、厳選して販売する。
食品担当の勝野友介さんが見せてくれたのは、取り扱っている商品の数々で、それぞれ5段階でユーザーの評価がついている。4点以下のものは入れ替えの対象とし、品質の改善を図ることで、常に商品磨きをしているのだ。
旭人さんの目に留まったのは、宮崎牛の切り落とし1キロ6980円(税込み)。販売数は抜群だが、評価は入れ替えギリギリの3.99。「切り落とし方が細かい」との声があるという。
「生産者の方にできることはやってほしいと思うけど、それによって割安でできなくなったら意味がない」と旭人さん。
宮崎・都城市。勝野さんは、早速バイヤーとともに宮崎牛の加工業者の元を訪れ、「切り落としなので、細かい部分が入りすぎると、どうしてもレビューが下がり気味」と、現状を説明した。

相談の結果、機械で切る時に出てしまう細かい肉は、選り分けることに。メーカー担当者いわく「他にも店舗があるので、切り落としの商品として販売できる」という。二人三脚で考えた、一石二鳥の改善策だ。「日本全国、良い商品がたくさんあるので、僕らが見つけて届けた後、さらに“磨いて”しっかり“伝えて”…。どんどん広げていきたい」と勝野さん。
他にも、水の宅配事業やスポーツ事業、自前のBSテレビ局まで、「ジャパネット」のグループ会社の数は15に上るが、そこには旭人さんの一貫した経営哲学がある。
「通販で大事にしている、いいものを見つけてくる・磨く・伝えるという3つの切り口は全部つながっているので、それがつながらないと、ただの売り上げ拡大したいだけの会社になってしまう」。

「ジャパネット」創業の地でもある長崎県。旭人さんは、「長崎ヴェルカ」のバスケットボールの試合にやって来た。「ジャパネット」は、プロスポーツチームも運営しており、旭人さんは「長崎ヴェルカ」会長を務めている。スポーツを通じた地域創生が、次なるプロジェクトだ。

そんな中、旭人さんは、2024年10月のオープンに向けて、長崎市内の中心部にスタジアムを建設していた。「ジャパネット」が運営するJリーグチーム「V・ファーレン長崎」の新しいホームグラウンドになる予定だ。

横の敷地にはバスケのアリーナも建設中で、併設されたホテルも。スタジアムを見渡せる部屋もあり、施設は「ジャパネット」のグループ会社が運営する。
その他、7階建ての商業施設やオフィス棟も併設。「長崎スタジアムシティ」の総工費は約900億円で、試合がない日も多くの人が集う“一つの街”を目指していた。
900億円と言えば、「ジャパネット」全体の売上高の35%に当たる額だが、社運を賭けた大勝負の行方は…。
番組では、福山雅治が駆けつけた「長崎スタジアムシティ」発表会の様子も紹介する。
“戦国時代”を戦い抜いた「タクシー王子」次なる目的地は?
全国で20万台が走っているタクシー。近年普及しているのがスマホのタクシー配車アプリ。これを使えば、指定した場所にタクシーを呼べるだけでなく、目的地も事前に指定でき、到着後の支払いまで全てアプリで完結できる。

その配車アプリナンバー1が「GO」で、累計ダウンロード数は1800万を超えている。
この「GO」を仕掛けたのが、「日本交通」の川鍋一朗さん(53)。実はガイアは、20年前から川鍋さんの闘いを追いかけてきた。
2004年、バブル期のつまずきから1900億円の負債に苦しんでいた「日本交通」は、創業者の孫の川鍋さんを専務として招き入れた。当時ついた呼び名は“タクシー王子”

まず川鍋さんが着手したのは徹底したコストカット。そして営業所の統廃合など、リストラも進めていた。その最中、川鍋さんは労働組合に呼ばれた。
「銀座の統合は、いつやると決まったのか」
「人間が最低限暮らしていける環境を作るのが会社の役目。社員がいてなんぼの商売。それを粗末に扱ったら売り上げは上がらない」
「粗末に扱っているつもりはない。裕福にやっていて生き残れる時代ではない」
生き残りをかけた血のにじむような闘い…。さらに、ライバル社との値下げ競争が追い打ちをかける。
その後、2005年に社長に就任した川鍋さんは、業績をV字回復。「日本交通」を業界最大手へと導いたのだ。

現在、川鍋さんは「日本交通」の取締役と「GO」の会長を兼任している。今や業界の顔として、全国ハイヤー・タクシー連合会の会長も務める川鍋さんは、「日本における公共交通、出発地点のタクシーをどうやって進化させるか」と笑顔で話す。
そんなタクシー業界は、今、大きな壁に直面している。それが、2024年問題だ。
4月から働き方改革がタクシー業界にも適用され、ドライバーの勤務時間が制限されることに。ここ10年で、ドライバーの数は4割も減ってしまったが、さらに、稼働できるタクシーがますます減る恐れがあるのだ。この危機に直面し、川鍋さんはすでに動き出していた。
舞台は真冬の北海道、スキー・スノボの聖地、ニセコ。パウダースノーを求めて、多くのスキーヤーが詰めかけるが、そのほとんどが外国人。冬のシーズンだけで人口の160倍、約80万人が訪れるが、そこで問題となっているのが移動の手段だ。
バス停は大混雑し、町を走っていると、雪にハマったレンタカーを発見。慣れない雪道で、事故が多発していた。
そこで頼りになるのがタクシーだが、駅前の乗り場は空っぽ。地元で営業するタクシーだけでは明らかに足りていないのだ。

そこで川鍋さんは、特別に国土交通省に許可をもらい、冬のピーク期間だけ、車両とドライバーをニセコに派遣する「ニセコモデル」を立ち上げた。東京の「日本交通」と札幌の7社が協力する、この実証実験が成功すれば、全国の観光地に広げていく予定だ。
ニセコモデルが始動して1カ月…果たしてタクシーの利用状況は? 日本のタクシーの底力を見せることができたのか――。
さらに番組では、川鍋さんが仕掛けた“青いタクシー”の全貌、新たな闘いについても紹介する。
