チームは首位でグループリーグを通過し無事に帰国【写真提供:横浜F・マリノス】

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【短期連載│最終回】“カツ”に始まり“カツ”に終わった今大会は最後もやっぱりタレ“カツ”丼

 横浜F・マリノスでマーケティング担当を務める矢野隼平氏が、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の裏側を伝える短期連載。

 最終回は、無事にグループ首位通過を決めた第5戦ホアンアイン・ザライFCからの帰国編をお届けします。

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 ACL2022帯同記はグループステージにおける最終回となる第4回となります。横浜F・マリノスは中2日で6連戦という過酷な環境のなか、見事にグループHを首位突破となりました。ゴールデンウィークやJリーグを挟みましたので公開が遅くなりましたが、今回はグループステージ第5戦、第6戦、帰国後の出来事を中心にお届けしていきます。

 毎日のように通い詰めた練習場ですが、その真横は池になっています。釣りをしている人もちらほら……。この日の練習中には選手がクリアしたボールが練習場のネットを越えて池ポチャ! 

 もちろん水に飛び込むことはリスクがありますが、ボールは1個買うのに数万円かかることもあるくらい高級品のため救出をあきらめることもできない……。ということで、スタッフ数名でボール救出大作戦を決行しました。

 波で右往左往するボールに悪戦苦闘しますが、その時“隣でのんびり眺めていた釣り人”が救世主として現れます。特に救出作業をしているスタッフに話しかけることなく、釣竿を駆使してボールを岸のほうまで持ってきてくれました。ここまで来れば後はスタッフが拾い上げるだけです。無事にボールは救出されましたが、大会期間中はほかにも2度の池ポチャがありました(笑)。

グループステージ第5節vsホアンアイン・ザライFC

 4月28日、ベトナムのチームであるホアンアインとの再戦がやってきました。この日も大観衆のお客様がスタジアムに入る予定だと聞いていたので、難しい試合になると覚悟してスタジアムに入りました。

 18時にキックオフした試合は白熱した展開になりましたが、前半と後半に1ゴールずつ点を取った横浜F・マリノスが2-0で勝利!ベトナムの気候に慣れてきたこともあるのか、試合を重ねるごとにF・マリノスらしい試合の組み立てができているように素人ながら見受けられ、アスリートは凄いなと感じさせられました。

 今大会はミックスゾーンが設けられています。ミックスゾーンとは、記者が試合後に選手へ取材をする場所です。コロナ禍となってから基本的にオンラインでのインタビュー対応のみだったので、このような光景を見るのは2年以上ぶりでした。

 ちなみにF・マリノスでは先日の試合からJリーグのホームゲームにおけるミックスゾーンが復活しましたので、少しずつさまざまなセクションがコロナ前の運用方法に戻ってきている実感があります。

 試合後の諸々の片づけを終わらせたあとは、西村拓真選手、吉尾海夏選手と一緒に全北現代(韓国)対シドニーFC(オーストラリア)の試合を途中まで観戦。ホテルへ帰ろうとすると、警備服を着用してスタジアムの誘導係をされていた方から写真撮影のお願いがあり、関係者からの依頼ということでしっかりとマスクをして記念撮影に応じました。

 日本だと、仕事をしているスタジアムスタッフから選手への写真撮影を依頼されることはありませんが、その辺りの“緩さ”もACLならではだと思います。たった1枚の写真ですが、「F・マリノスの選手と写真が撮れた!」と非常に喜んでくれていましたし、F・マリノスを受け入れてくださったベトナムの方々の思い出に残るようなことをできることは幸せですね。

グループステージ第6節vs全北現代モータース

 5月1日、いよいよグループステージ最終戦の日がやってきました。相手は前回敗戦をした全北現代です。F・マリノスは引き分け以上で首位突破、敗戦しても条件次第では2位突破が決まります。

 逆に言うと、敗退が決定する可能性もあるという状況でした。大事な一戦に向けてリラックスしていると、ホテルからプレゼントをいただきました。サプライズだったので非常に嬉しかったですし、ベトナムの思い出として会社に飾ろうと思います。

 実は、我々も選手のサイン入りユニフォームを準備していたので、このタイミングでホテルへプレゼントしました。お互いにサプライズプレゼントを考えていて素敵な時間でした。

 最終戦だからといって気負わずに、いつものように先発隊が出発。第3回ではスタッフ弁当のカツ丼についてクローズアップしましたが、縁起の良い“カツ”の弁当についてはまだ続いており、最終戦はタレカツ丼でした。選手のみでなくスタッフにも食の喜びを届けてくれた川合シェフに感謝です。

 我々もいつも通りのルーティンで19時過ぎにスタジアムに入り、運命の一戦は21時にキックオフ。幸先良く先制するも、早い時間で追いつかれる苦しい展開。しかし、F・マリノスのサッカーを選手たちが最後まで表現し、1-1の引き分けで試合終了。見事に8月に行われるノックアウトステージへの進出を首位突破という形で決めてくれました。

 異国の地で戦い抜いた選手たちからは、「やったぞ!」という気持ちよりも安堵の表情が見受けられ、大きなプレッシャーがあったのだなと感じました。そして、スタジアムを後にしようとしたその時、バスを見送りに来た多くのマリノスサポーターの方々の姿が出口に! 丁度雨が降ってきた中でしたが、声援を直接届けてくれて大変嬉しかったです。

 6試合戦ったトンニャットスタジアムに別れを告げ、ホテルへ戻って食事会場へ。そこでお世話になったシェフやwaiting staffへ、横浜から持ってきたユニフォームをプレゼントしました。

 いろいろと試行錯誤しながら過ごしてきたベトナムでの生活ですが、食事面については驚くほどに不自由がなかったです。そのような環境で過ごすことができたのは間違いなくホテルスタッフの方々のおかげです。ユニフォームを渡すと皆さんが喜んでくださり、我々にとっても特別な時間となりました。

帰国に向けては徹夜作業!

 試合が終わってホテルへ戻りシャワーを浴びて、「さあ寝よう!」とはなりません。実は帰国便は5月2日の朝8時発。最終戦が21時キックオフの時点で察してはいましたが、朝4時前から荷出し作業を始めるので、その日は徹夜で作業を進めます。

 と言っても、緒方圭一ホペイロを始めとしたスタッフ陣が、帰国の準備を最終戦前日までにほぼ終わらせてくれていたので作業はあまりなく、想定よりも自分の部屋で過ごす時間が長かったです。寝起きが悪いので、寝ることは諦めましたが……(苦笑)。

 荷出し作業は約15名のスタッフで行い、無事にトラック2台分に帰りの荷物を収めました。そして、朝4時半に先発隊としてホテルを出発。ホテルとの別れは感慨深いものかと思っていましたが、バタバタしていてそれどころではなかったのが正直なところです(笑)。とは言え、3週間不自由なく生活させてもらい、非常に思い出深い場所となりました。

いよいよ日本へ! ありがとうベトナム!!

 空港に着いたら、いつも通りホペイロの緒方くんによる荷物チェックが始まります。数が足りているか、預けることができる内容か、空港の方々とともにチェックしていきます。作業を進めていると、選手たちを乗せたバスも空港に到着し、出国手続きへ。

 初めの数日間はどうなることかと思っていたベトナム遠征でしたが、終わってみれば結果もしっかりと付いてきた充実な内容でした。感謝の気持ちを胸に、定刻通りの朝8時に日本へ向け出発しました。

 徹夜だったということで機内ではほとんど寝ており、気がついたら着陸態勢に入っており、無事に成田空港へ到着。機内を降りた一言目は、全員「寒い!」でした(笑)。

 一昨年のカタール遠征の際もそうでしたが、到着してから空港を出るまでには時間がかかります。我々の場合は、抗原検査結果を待っている時間が圧倒的に長かったので、それは仕方ないかなと感じました。

 検査結果を待っている間、宮市亮選手、西村選手、高丘陽平選手の近くにいましたが、3人とも自分たちの試合映像や欧州サッカーの映像をスマホで見ていました。連戦かつフライト後で疲労があるなか、本当にみんなサッカーが好きなのだと改めて感じる瞬間でした。
 
 無事に結果も出て、空港到着から約3時間後の19時にチームは成田空港を出発しました。そしてチームを見送ったところで、僕のACLグループステージの旅も終了しました。

帰国してすぐに行われたJリーグでも勝利!

 帰国してからの僕はと言いますと、実は3日間、会社から休暇をいただきました。でも選手たちはそういうわけにはいきません。すぐにJリーグが待っているからです。改めて大変な日程だなと感じます……。

 ということで、5月7日にJリーグの名古屋グランパス戦が日産スタジアムで開催されました。約1か月ぶりのホームゲーム、そしてベトナム帰りの選手たちには多くの声援や労いの声が待っていました。

 試合は見事な逆転により2-1で勝利! F・マリノスではキッチンカーが40台以上出ていたり、試合毎にさまざまなイベントがあったりと、試合以外でも楽しんでいただけるようなエンタメ空間をご用意しています。謎に宣伝チックになってしまいましたが、是非日産スタジアムへ遊びに来てください!

 ACL2022グループステージの帯同記は以上となります。F・マリノスは8月にセントラル開催で行われるノックアウトステージへ進出しましたので、次はノックアウトステージ編として帯同記を執筆する予定です!(FOOTBALL ZONE様、そうですよね?笑)

 さまざまなトラブルがあったベトナム遠征でしたが、いろいろな出会いもありました。このような海外遠征はチームの力だけでは成立させることが難しいため、関わっていただいた多くの皆様に感謝いたします。今年はワールドカップイヤーでもありますので、日本のサッカー界が盛り上がるように、チーム一同邁進してまいります。(横浜F・マリノス マーケティング・FRM担当・矢野隼平 / Shumpei Yano)