「ポンプ」のプロに聞く、豪雨災害の恐ろしさと教訓
瞬時に水没
2018年7月の西日本豪雨で浸水したのが下北方雨水排水ポンプ場(広島県三原市)。同ポンプ場ではクボタ製の陸上設置型で毎分150トン、同90トンの排水能力がある雨水ポンプが設置され、処理した水は農業用水などで活用される。豪雨でポンプ場は瞬時に水没し、雨水ポンプはエンジン部分が水につかり、使えなくなった。
仮設の水中ポンプは豪雨発生から約1カ月で設置した。2台の雨水ポンプは18年10月末までにエンジンや減速機などを交換し修繕完了。その後、仮設の水中ポンプは撤去した。
メンテナンス
愛媛県西予市では生活汚水を下水処理場に送るマンホールポンプの制御盤7台が浸水した。「通常、地上に置く制御盤が水没することはない」(前田社長)が、3日かけて復旧作業を実施。岡山県倉敷市真備地区では、国土交通省などが配備した排水ポンプ車のメンテナンスを対応した。
復旧を通じて課題も認識した。前田社長は「被災が広範囲だと修繕人員の確保は課題。(被災のポンプ場は)1カ所だったが、さらに増えると復旧活動をできるのかという思いもある」と吐露する。
もうひとつは従業員の安全確保だ。三原市のポンプ場へとつながる道路は寸断された。「向かうのに苦労した」(加藤取締役)という行程や、支援場所での宿泊先も考慮しなければならない。16年の熊本地震でも現地へ点検に向かったクボタ機工。加藤取締役は「この時は熊本市内での滞在先確保に苦労した。西日本豪雨の復旧作業では熊本の経験も生きている」と話す。
予期せぬ事態
豪雨や地震に限らず災害発生時は予期せぬ事態が起こる。迅速な作業とともに、復旧に向かう人員の安全確保なども、あらためて見つめ直す必要がある。
