日本代表【写真:Getty Images】

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1次リーグ最終戦は“時間稼ぎ”批判も…海外メディアはこぞって絶賛

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は2日、決勝トーナメント1回戦で日本はベルギーに2-3で逆転負け。初の8強進出はならなかった。しかし、優勝候補のFIFAランク3位に一時は2点リードするなど追い詰めた。1次リーグ最終戦では“時間稼ぎ”が批判の的になっていた日本だったが、海外メディアは一転して手のひら返しの称賛を送っている。

 同じ敗戦でも、世界の心を打った。日本が確かに、ベルギーを追い詰めた。後半3分、カウンターからMF原口元気の右足一閃で先制ゴールを挙げると、4分後にはMF乾貴士が無回転ミドルを突き刺し、2点をリードした。試合は追いつかれ、後半アディショナルタイムの失点で壮絶に散ったが、海外メディアを釘付けにした。

 英紙「インディペンデント」は「あきれるほど人材豊富で怖いほど才能あふれた彼らのレッドデビルズが多くの点で日本に下回った」とタレント軍団のベルギーを凌ぐほどの試合展開を日本が見せたと伝えている。

 原口の先制ゴールについて「新たな番狂わせのため、この荒れたワールドカップで正しい道筋をつけているように見えた」とジャイアントキリングを予感させたと評価している。

 乾の追加点については「マルティネス監督の3-4-3システムにある最も明らかな欠陥に付け込み、25ヤード離れた所でボールを持つとプレスも受けずに離れたところから叩き込んだ」と相手の足が止まった隙を突いた判断を称えている。

「乾は過小評価されたスターの一人」「吉田がマン・オブ・ザ・マッチ」

 また、乾の活躍ぶりを受け、「今大会で過小評価されたスターの一人。香川真司や長谷部誠といったより定評ある選手と連携しつつも、彼ら以上に輝いていた」と日本代表のNO1クラスの評価を与えている。

 欧州衛星放送「スカイスポーツ」は「日本の腹の据わったパフォーマンスにもかかわらず、ベルギーが3度目の準々決勝進出を決めた。勇敢な試みにより続いた日本のワールドカップ8強到達の旅は徒労に帰した」と健闘を称えている。

「マン・オブ・ザ・マッチ」にはDF吉田麻也を選出し、「ロストフ・アリーナでの胸打つ90分を通してルカクを抑え、日本の粘り強い立て直し方をよく表していた」と「29歳の見事なパフォーマンスだった」と称賛している。

 ほかにも英公共放送「BBC」、米スポーツ専門局「ESPN」、海外解説者など多くのメディアが日本チーム、各個人の奮闘に軒並み拍手を送っていた。

 1次リーグのコロンビア戦ではリードを許しながら、フェアプレーポイントの差で決勝トーナメント進出を狙った“時間稼ぎ”が海外メディアの批難の的になっていたが、同じ敗戦でも称賛を受けながら、日本は最後の戦いを終えた。(THE ANSWER編集部)