今大会では、2回戦で日ノ本学園を破り、準決勝では互いに初の決勝進出を賭けた修徳との“東京ダービー”に勝利した。その修徳とのゲームはPK戦になり、9人連続でキックを成功。90分戦った上で左右のコースに蹴り分けられたように、全員が足下の技術に自信を持ち、ピッチ上に穴がない。
 
 右の松本茉奈加(3年)、左の蔵田あかり(2年)とサイドハーフにスピードスターを配し、ダブルボランチの鈴木紗理(3年)、源間葉月(3年)、センターバックの熊谷明奈(3年)らは大きなサイドチェンジでこれを活かす。トップ下のキャプテン・村上真帆(3年)は自ら中央を突破できる。GKK川端涼朱(3年)を中心に守備も固く、ここまで4試合でわずか1失点。全国大会では今年の夏まで出場3大会連続で、作陽(岡山)に敗れていたが、逆サイドの山に入っていた天敵の姿はすでにない。頂点へ駆け上がる、またとない好機だ。
 
 昨年度のインターハイでファイナルを経験している大商学園だが、選手権の決勝は初めてのステージ。十文字は全国大会のファイナル自体が初体験になる。もちろん、どちらが勝っても初優勝だ。
 
 単純な戦力の合計値では十文字がやや上と見るが、全国大会終盤の経験値は大商学園のほうが高い。十文字が自分たちのペースで試合を運べるか、大商学園がシビアな白兵戦に持ち込めるか。新女王の座をかけた戦いは、1月8日14時10分、ノエビアスタジアムのピッチで始まる。
 
取材・文:西森 彰(フリーライター)