メールでの「お詫び」誠意が伝わる・万能な言い回し文例集

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文章を書くのが苦手だ。メールの表現に悩み、時間がかかる。マナーに厳しい取引先がいる……。一般的な書き方を知れば、面倒は減る。今回、ニーズ別に、フレーズと文例を集めた。「ビジネス表現の基本」を確認しよう。

■難解な表現よりもいつもの言葉で

お詫びが必要なときは、つい肩に力が入って、難解な文を書いてしまいがち。肝心の受け手はどう感じるでしょうか。たとえば「陳謝いたします」は最上級のお詫びの言葉ですが、これを22歳の社会人1年生が書くか60歳の経営者が書くかでは、意味合いが変わってきます。「自分は会社を代表している」という認識があるような人を除けば、「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と書くほうがいいでしょう。大切なのは、ふだん使っている語彙のなかから、その場にふさわしい言葉を選び出すということです。

相手が勘違いをしているなど、自分に非はなくても事態を収めるために謝罪しなくてはいけないときもあります。その場合、安易に謝罪すれば責任を認めたことになりますから、ストレートな謝罪の言葉は使えません。私自身が使っているのは「ご迷惑をおかけしております」という言葉です。トラブルの原因ではなく、その結果生じている業務の遅れなどについてお詫びするという形です。現実にはこのような「お詫び」が多いのではないでしょうか。

【基本のフレーズ】

◆ご迷惑をおかけしました。
――さまざまなケースで使える万能の謝罪フレーズ。

◆失礼いたしました。
――記載する期日を間違えた、別のファイルを添付してしまった、などの単純ミスの謝罪に。

◆すみませんでした。
――単純ミスの謝罪に。「失礼いたしました」よりも、親しい間柄で使う。

◆申し訳ございません。
――「失礼いたしました」「すみませんでした」よりも、少し深刻なミスのときに。

◆深くお詫び申し上げます。
――明らかな自分の非を認めて、謝罪するとき。

◆多大なご迷惑をおかけし、弁解しようもございません。
――自分の非を認め、深い謝罪の気持ちを伝えるときに。

◆どうかご容赦ください。
――謝罪の言葉のあとに続ける。「ご寛恕ください」も同じ意味だが、若い人には不向き。

◆すべて私の不手際です。
――責任の所在を明確にする一言。ただし言質をとられることになるので、乱発は避ける。

◆ご心配をおかけしてしまい恐縮です。
――トラブルの話が伝わり、心配してくれている目上の人に。

【“逆効果”の恐れがあるフレーズ】

◆陳謝いたします。
――最上級の謝罪の気持ちを伝える言葉。ただし30代以下の人が使うと上滑りする古風な表現。

◆大変失礼しました!
――親しい間柄では「!」も悪くないが、目上の相手に乱発すると、逆効果になりかねない。

◆昨日まで小職へ報告が上がっておらず〜
――「報告」は社内事情なのでここでは不適当。「小職」の意味を知らない人もいるかもしれない。

◆いずれ改めてお詫びに上がります。
――お詫びに行きたい気持ちがあるなら、まず実際に出向くべき。

■シーン別「お詫び」の例文

ケース1:単純なミスをした

大変失礼しました。先ほどのメールで、
「6月9日」とあるのは
「9月9日」の誤りでした。

POINT●誰にでも間違いはある。気がついたらすぐに追伸で訂正する。そのときに、「失礼しました」といった謝罪の言葉を添えると好印象だ。

ケース2:相手に損害を与えた

このたびはご迷惑をおかけしたこと、
深くお詫び申し上げます。

POINT●「ご迷惑」だけでは必ずしも非を認めたことにならないが、「深くお詫び」と続けることで、謝罪の気持ちが強く伝わるはずだ。

ケース3:年長の怖い上司に

すべて私の不手際でした。
深く陳謝いたします。

POINT●「陳謝」は堅苦しい漢語だが、形式を重んじる年長者には効果的。また、こういうとき責任回避はご法度だ。「私の不手際」と明記しよう。

ケース4:仲のいい部下や同僚に

このたびは私の不手際でご迷惑をおかけしました。
みなさまでフォローしてくださったこと、
たいへんありがたく深く感謝いたします。

POINT●ふだんフランクに接している人にも、いざというときは丁寧な言葉を使いたい。例文は同僚に対して。部下相手でも相応に丁寧さを心掛ける。

ケース5:新しい営業先に

私の勘違いでご訪問の日程を間違え、
大変ご迷惑をおかけしました。
できればもう一度謝罪におうかがいしたく〜

POINT●アポの日時を間違えて訪問先に叱られた営業マン。トラブルではあるが、相手と話をするきっかけでもある。リカバリーのための謝罪文だ。

ケース6:謝罪すべき事実はないが

このたびはご迷惑をおかけしました。
今後とも貴重なご意見を頂戴したく〜

POINT●謝罪するような事実はないが、対応を誤るとクレーマーになりかねない。そんな相手には、謝罪ではなく「ご意見」へのお礼を述べたい。

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平野友朗
1974年生まれ。筑波大学人間学類卒業。広告代理店勤務を経て、2004年にアイ・コミュニケーションを設立。13年には一般社団法人日本ビジネスメール協会を立ち上げ、ビジネスメールスキルの標準化に取り組む。『モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)など著書多数。

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(プレジデント編集部=構成、文例作成)