ネット代:プロバイダー変更なしで年間7万円減らす裏ワザ
■なぜ関西は関東よりも「光回線」が安いのか
自宅の通信費を抑えるにはどうすればいいか。負担が大きいのは光回線などのインターネット代だろう。価格比較サイトには「乗り換えで6万円をキャッシュバック」といった売り文句が躍るが、本当にそんなことがあるのか。
割引額が最大になるのは、はじめて光回線に加入した場合だ。光回線の料金は「回線事業者」と「プロバイダー」の2段階になっている。前者はNTT東日本や西日本の「フレッツ光」、KDDIの「auひかり」など、後者はOCNやニフティ、ソネットなどだ。「フレッツ光」の場合、自宅が戸建てかマンションかでも異なるが、概ね前者が月額で約5000円、後者が約1000円で合計約6000円が毎月の通信費になる。
冒頭の「6万円割引」は、「24カ月の継続契約」といった条件付きのケースがほとんどだ。6000円を24カ月契約すれば総額は14万円超。6万円割引は「4割引」にすぎない。しかも3年目からは月額料金が上昇することもある。2年以上の継続があれば、業者は十分に元が取れるわけだ。
お得を極めるなら、2年ごとに乗り換えるべきだが、更新月以外に解約すると1万円前後の解除料を請求されるケースが多い。こうした仕組みは携帯電話の「2年縛り」と同じで、乗り換えにはいろいろと面倒が多い。
頻繁に乗り換えをせずに得をする方法はないか。まず調べてほしいのが、KDDIの「auスマートバリュー」だ。固定回線を「auひかり」に、携帯電話をauのスマートフォンにすることで、1台あたり月額1480円の「セット割引」を受けることができる。
割引の対象は同じ住所に住んでいる家族で、最大10回線まで。4人家族の場合、月額5920円、年間で7万1040円の割引となる。固定回線は「auひかり」のほか、JCOMなどのCATV回線も対象だ。ただし3年目からは割引額は500円少ない980円に減る。また当然、携帯電話を他社に乗り換えれば割引は無効だ。
ソフトバンクにも「スマホBB割」というサービスがある。固定回線と携帯電話を同社のサービスに揃えることで、月額1480円の割引を受けることができる。固定は主にADSLとなるので、光回線より速度が遅くなるが、その分料金も安い。電話回線の基本料金との合算で月額約3800円となるため、速度を求めない場合には魅力のある選択肢だろう。
なおNTTグループには、残念ながらセット割引はない。光回線で7割のシェアをもつNTT東日本・西日本は、「電気通信事業法」の規定によりNTTドコモだけを優遇することができないのだ。
ちなみに、携帯電話料金は全国一律だが、固定回線の料金は地域によって異なる。とくに光回線は関東より関西のほうが割安だ。背景にあるのは競争の激しさ。関西では関西電力の100%子会社のケイ・オプティコムがNTTグループと互角に競り合っている。たとえば滋賀県でのシェアは1位。NTTが1位を譲るのは、滋賀県だけである。同社の回線はKDDIのセット割引の対象なので、組み合わせれば「全国最安」となる。
抜本的に見直すならば、思い切って固定回線を廃止するという手もある。「iPhone 5」など最近のスマートフォンには、無線ルータの代わりとしてパソコンなどをネット接続できる「テザリング」という機能がある。ドコモは追加料金なし、ほかの2社もいまは実質無料で利用できる。ただしデータ転送量には1カ月ごとに上限が決められており、動画などを楽しむとすぐに上限に達してしまう。あくまで用途は限定的なので、注意してほしい。
(フリーライター 呉 琢磨)

