胴上げされる慶大・今津慶介(カメラ・桜井 彩乃)

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 慶大が早大を下し、5季ぶり41度目の優勝を決めた。慶大は8日開幕の全日本大学野球選手権(神宮、東京ドーム=報知新聞社後援)に5年ぶり13度目の出場が決定。5年ぶり5度目の大学日本一を目指す。

 総立ちの三塁側スタンドを見上げ、慶大・今津慶介主将(4年=旭川東)の胸に感謝の思いがこみ上げた。「お待たせしました」。4番として3安打の大暴れで、5季ぶりのリーグVに貢献し「苦しい時期から支えていただいた関係者の方々にささげる優勝。みんながついてきてくれたからこその結果。最高のチームのキャプテンにしてくれてうれしい」。よく日に焼けた顔で、さわやかに笑った。

 現在の4年は23年に入学。高校時代には、21年に春秋リーグ戦と全日本大学野球選手権を制し、大学4冠にあと一歩と迫った慶大に憧れた。しかしチームは24年秋から3季連続5位と低迷。昨秋、主将に就任した今津は、ナイン一人一人に訴えた。「僕らが憧れて入ってきた慶応野球部はこれだったのか?これを見て、今の高校生や子供たちが憧れるかな。もう一回、自分たちが憧れていた慶応野球部を取り戻そう」。熱い思いは確かに伝わり、チームは変わり始めた。

 強い慶応を取り戻す。そのために、心身の鍛錬が始まった。昨年11月からトレーニングや栄養面の知識が豊富な広池浩成投手(4年=慶応)らが肉体作りを主導。年が明け、2月の愛媛・松山キャンプでは積み上げてきた土台が生きた。堀井哲也監督(64)が、「ものすごい練習量をこなすことができた。手応えを感じた」と語るほど濃密な時間を過ごした。

 松山キャンプは、チームの一体感も生み出した。例年はA、Bチームが分かれてキャンプインしていたが、今年は全員で最初の10日間を実施。「どういう慶応野球部を作っていくのか。方針をしっかりと立てられたことが良かった」と今津。今年のチーム方針、目指す野球の姿が共有されたことは大きなプラスを生んだ。

 練習の意識も変わった。チームの合言葉は「アンサー」。一人一人が対話を意識しながらチームとしての成熟を目指し、積極的な情報共有や声かけが増えた。「部員が200人いても、対話ができていないと大所帯の意味がない。一人一人が成熟していけば、組織として強くなる」。今季から上田誠投手コーチ(68)、上田和明コーチ(63)が加入して厚みを増した指導体制のサポートもあり、戦う集団へと進化したチームが頂点に立った。

 8日からは5年ぶりの大学日本一を目指して、全日本大学野球選手権に臨む。今津は「これから選手みんなの思いは全日本に向かっていく。それまでに最高の準備をするだけ」とナインの思いを代弁した。目指すのは、21年に逃した大学4冠。苦しみの先につかんだ3年ぶりの歓喜も、強さを取り戻した慶大にとってはまだ序章に過ぎない。(小島 和之)