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日本の人口約1億2286万人のうち、15歳未満の子どもの数は約1329万人で、45年連続で減少が続いている。一方、50代以上の人口は約6248万人と、総人口の50%以上を占めている。

日本の少子高齢化が進む中で、消費の中心にいるのは「シニア層」であり、とくに60代の消費意欲は旺盛だ。例えば、総務省の調べ(2024年)によれば、項目別の年間消費額で「外食費」に17万9278円、「通信費」に14万8258円、「旅行費」に7万9499円使っている。こうした消費意欲を支えているのは貯蓄で、2人以上世帯の平均貯蓄額は2659万円となっており、これは若年層の約3倍だ。

通信費で14万円以上ということは、月平均1万円以上使っているということであり、スマートフォン利用が急速に広がっている。シニアのトレンドを調査・分析するハルメク生きかた上手研究所の梅津順江所長はテレビ朝日系「モーニングショー」の中でこう分析している。

「今の60代は得するかどうかに敏感な世代。ネットショッピング、オンライン決済・QR決済、ポイ活といった消費に直結するデジタル活用も増加している」

イマ活を楽しむシニア世代

さらに、シニアの旅行について梅津さんは「いつか行こうと後回しにしていたことへの再挑戦や、体力があるうちに今を最大限に楽しむ“イマ活”にお金と時間を費やす傾向がある」と話す。

イマ活の具体的な内容としては、歌舞伎やオペラ鑑賞などの高額チケット、長期間の豪華クルーズ旅行などが挙げられる。とくにクルーズ旅行などは、お金に余裕があっても、仕事をしている現役世代には難しい。

シニアトレンドとして、「ご自愛消費」もある。節約疲れからのリバウンドや自分へのねぎらいとして、「理由があるなら高くても納得して上質なものを買いたい」という消費行動だ。男性だと高額なスポーツカーを購入したり、女性はファッションや美容にお金をかけたりする。

同研究所の調査によれば、シニアトレンドは遊びやレジャーばかりではない。場所や時間に縛られない自由な働き方を求めている人も多い。地域活動を通じて働く姿が増加しているが、彼らの動機は「もう一度自分の好奇心で働く」というもので、目的は必ずしもお金ではない。好きで始めたことが、いつの間にか周囲に影響を与え、戦力として頼られる存在になっていくことを感じたいのである。

50代はまだ現役世代として会社勤めをしているだろうし、70代はさすがにリタイアしているだろうが、健康不安が大きくなってくる世代だ。自由な時間とお金があって、気力も体力も残っているのは60代ということになる。

企業が新商品・新サービスを開発する際は、人口ボリュームゾーンのシニアは避けられない。シニアにアプローチする際は、彼らを「高齢者」として見るのではなく、自分のために人生を楽しもうとする「アクティブな生活者」として捉えるべきだろう。その意欲に応える「確かな価値」と「体験」を提供できれば、シニアマーケティングは成功する。

文/横山渉 内外タイムス