初めて男性を好きになったとき「女性の身体だったらよかったな」と…“可愛すぎるオネエ”としてブレイクしたゆしんが明かす、自身のジェンダーと性のこと
〈中学時代は不良の番長→鑑別所に入っている間に恋人が妊娠して女性不信→東京に出て“オネエタレント”に…『This is I』にも出演のゆしんが語る“壮絶すぎる半生”〉から続く
かつて、“可愛すぎるオネエタレント”としてテレビに引っ張りだこだった、ゆしん。華やかな笑顔と軽快なトークで人気を博した一方、その裏では想像を超える苦悩と葛藤を抱えていた。テレビの第一線から少し距離を置いた今、これまでの壮絶な半生について、率直な言葉で語ってもらった。(全4回の3回目/最初から読む)
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ゆしんさん ©釜谷洋史/文藝春秋
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今でも、「私は一体何者なんだろう」と葛藤している
――ご自身の性やアイデンティティーについてもお聞かせください。ご自身の気持ちを受け入れるまでに、どのような葛藤がありましたか。
ゆしんさん(以下、ゆしん) これは、とても長い時間がかかりました。最初は、男と女にはっきり分けられていること自体が苦痛で、それもあって地元を離れた部分もあります。いろいろな世界を見ていく中で、ようやく「自分は間違っていなかったんだ」と思えるようになりました。
当時は「性同一性障害」という言葉が使われていましたが、自分には当てはまらない感覚がありました。今でも、「自分は一体何者なんだろう」と考えることはあります。
――その葛藤は今も続いているのですね。
ゆしん ありますね。今でも自分の身体を鏡で見るのが嫌になることもあります。
例えば、いいなと思う男性がいても、「この身体だからな…」と考えて、躊躇してしまったり。もし自分に胸があったら、もっといろいろな洋服を楽しめるのかな、とか、友人に子どもができたという話を聞くと、すごく嬉しいけど「自分にはこの幸せはこないな」と思ってしまうこともあります。
体を変えても、変えなかったとしても、この気持ちはずっと続いていくのかもしれません。
初めて男性を好きになったときに「女性の身体だったら」と
――そういった意識が芽生えたきっかけはありましたか。
ゆしん 初めて男性を好きになったときに、「女性の身体だったらよかったな」と思ったことが大きかったです。当時は周りに女の子が多くて、メイクの楽しさを知ったり、それまで学ランや特攻服ばかりだったこともあって、ファッションもいろいろと試すようになったり。
――先ほどもおっしゃっていた、身体を変えることについては、どのように考えてきたのでしょうか。
ゆしん それはとても悩みました。体を女性に近づけたいと、はるな愛さんに相談したこともありました。そのときに「あなたはまだやめた方がいいんじゃない?」と言われて。「考える時間も大切」という意味でもあったと思います。その言葉を受けて、「自分を認めてあげようと思っていても、実はまだできていないのかもしれない」と感じました。
もし身体を変えていたら、あのようにテレビに出ることもできなかったかもしれませんし、今は「このままでいい」と思えるようになりました。
目の整形を公表したら「イジってないって言ってたのに! うそつき!」って
――そんなゆしんさんが、2019年には女性誌のインタビューで目の整形を公表されたときは大きな話題になりました。
ゆしん 「イジってないって言ってたのに、うそつき!」と、当時はかなり批判を受けました。ただ、自分としては番組でも話していたつもりだったので、「気づいていなかったんだ」と感じる部分もありましたね。
そのときに、「人はこういうことで裏切られたと感じるんだな」と学びましたし、同時に、わざわざ書き込みをしてくれるほど応援してくれていたんだなとも思いました。
コンプレックスは、誰しもが何かしら持っているものだと思うんです。私は目のプチ整形でそれを少し克服することができたので、そういう選択もあっていいのではないかと思っています。
――今でも、コンプレックスはありますか。
ゆしん 今はメンタル鋼なので、誹謗中傷のコメントにも「どうも〜っ」と思いながら、いいねを押したりしています。ただ、昔は容姿についていろいろ言われると、傷ついていましたね。
番組で入浴のシーンがあったんですが、そのときにネットで「背中のニキビが汚い」といった書き込みをされて。そこから自分でもケアを頑張るようになったり。
あとは、顔が面長なのもコンプレックスで、自分の名前で検索すると「ざわ…ざわ…」と書かれていて。何かと思ったら、カイジって漫画のキャラクターに似ていて顔が長い、という意味だったんです。
――現在のルッキズムに注目が集まる状況や、ネットで横行する過剰な美容整形の発信についてはどのように考えていますか。
ゆしん 私は、整形をすること自体は否定しない考えです。自分のコンプレックスを解消することで、誰かが前向きになれるのであれば、それは素敵なことだと思います。
ただ、今はさまざまな情報があふれている時代なので、しっかりと見極める力が必要だとも感じています。これからはAIの発達によって、さらに情報の真偽が見分けにくくなっていくと思ので、「有名なインフルエンサーが言っているから大丈夫」と鵜呑みにするのではなく、どのようなクリニックなのか、どのような施術なのかを、自分で判断することが大切だと思います。
“自分にないものを持っている人”が恋愛対象
――ありがとうございます。このあたりで、ゆしんさんの恋愛についてもお伺いしたいです。
ゆしん 実は、これまで男性ときちんとお付き合いをしたことがないんです。なので、してみたいなと思っています。
いいなと思う人とは、定期的にご飯に行ったりしていて、一緒にいると楽しいなと思っています。その方とは3年ほど続いているので、そろそろ進展しないかな、なんて……。
――気になる男性がいらっしゃるんですね! ちなみに、どのような方がタイプですか。
ゆしん タイプはとても幅広くて、自分にないものを持っている人に惹かれます。例えば、カメラが好きで、それを仕事にしているような方は素敵ですね。
外見的なタイプは……本当にないねん(笑)。体型も、極端に太っていたり痩せていたりしなければ、特にこだわりもなくて。はるな愛さんには「恋に臆病やわ」と言われます(笑)。
いろいろ考えてしまって踏み込めないところもあるので、少しずつ向き合っていきたいですね。声を大にして言います。どなたか、お待ちしております!!!(笑)。
〈「あなた、こっち側よね」男性の姿だったのに“オネエな側面”を見抜かれて…“可愛すぎるオネエ”ゆしんが語る、パイオニア・はるな愛との忘れられない出会い〉へ続く
(佐藤 ちひろ)
