知られざる家族関係が浮かび上がってきた(安達結希くん)

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 京都府南丹市の山林で安達結希くん(11)が遺体として見つかり、養父の安達優季容疑者(37)が死体遺棄の疑いで逮捕された事件。逮捕後の取り調べで、容疑者は発見までに「遺体を複数回、移動させた」と供述したとされ、府警は周辺の公衆トイレや池などの徹底的な捜索を続ける。そんななか、本誌・週刊ポストは結希くんと優季容疑者の関係をめぐる重要な証言を掴んだ。

【写真】「この子を知りませんか」 結希くんの情報提供を呼びかけるビラを手に地域の飲食店などを回っていたという安達優季容疑者

離婚前は、結希くんと実のお父さんと3人でよく里帰りしていた

「私がやったことに間違いありません」と全面的に容疑を認めた優季容疑者。安達家の近隣住民は今年に入って、ある光景を目撃したという。

「自宅の外で、メガネのお父さん(優季容疑者)が結希くんを頭ごなしに怒鳴る姿を何度か見かけました。理由はわからないけど、結希くんはじっと黙って聞いていた。わざわざ家の外に出て怒鳴ったのは、中にいる他の家族に大声を聞かれたくなかったからだと思います」

 複雑な状況が養父と息子の軋轢を招いたのか。生前、結希くんは同級生にこう漏らしていたという。

「家に帰ると変なオッサンがいるから嫌や」──。

 優季容疑者は京都市出身で、幼少期に母親が失踪するなど複雑な家庭に育ち、中高は公立校に通った。中学は1学年1クラス10数人の小さな学校だったが生徒会長を務め、高校では「サッカー部の補欠だった」と同級生は振り返る。

「毎日遅刻せず真面目に練習に参加していた。服装もきちんとして授業中に騒ぐこともなく、休み時間は数人のグループでごく普通に冗談を言い合っていた。突然キレることもなく目立たない生徒でした」

 高校卒業後は京都市内の電気機器メーカーに就職し、そこで出会った女性と一度、結婚している。

「その後に離婚し、昨年末に同じ工場で働いていた結希くんの母親と再婚したと聞きます。母親は東京で美容師をしていた時に出会った男性と結婚して結希くんを出産したが、ほどなく離婚して南丹市の実家に戻り、工場で働くようになったといいます」(工場関係者)

 再婚後は容疑者が婿入りして、結希くんの母親の実家で一緒に暮らすこととなった。四方を山々に囲まれた地域にある母親の実家は代々続く農家で、曾祖母、祖母、母親、母親の兄夫婦と結希くんの4世代が同居して暮らしていた。

「結希くんの曾祖父と祖父は亡くなり、お母さんが離婚したため、女性の多い大人数の家族でした。今回の結希くんの捜索活動でも、通学用のリュックを見つけたのは母親のお兄さんだったと聞いていますが、それまでも広い邸宅で家族が協力し合って暮らしていました」(一家を知る知人)

 そうした家族に突如婿入りした優季容疑者は"招かれざる人物"だったとする証言もある。一家と親交がある女性が語る。

「結希くんのお母さんが離婚する前は、結希くんと実のお父さんと3人でお盆や正月などによく里帰りしていた。3人で仲良く山に入って遊ぶ姿も見ました。でも離婚して母子が実家に戻ってからはお母さんが仕事で忙しく、おばあちゃんが結希くんの面倒をよく見ていた。そのおばあちゃんは周囲に娘の再婚の話をあまりしたがらず……。付き合いが深い近所の人間も再婚相手は『職場の人』としかわからず、『何者なんやろ』と思っていました」

 近隣住民もこう話す。

「この辺りの住民は優季容疑者のことは最近までほぼ何も知りませんでした。私も見かけたのは1回くらいで声も知らなかった。今回の事件は驚いたというより、ただただ気持ち悪いというのが正直なところです」

"だったら結希はまだ生きているはず"

 3月23日に結希くんが行方不明になると容疑者は、情報提供を呼びかけるビラを手に「この子を知りませんか」と抑揚のない声で地域の飲食店などを回っていた。家族は早い段階から強い疑念を抱いていたようだ。安達家をよく知る人物が語る。

「おばあちゃんは本当に結希くんを可愛がってはったから、感じるところがあったのでしょう。早い段階から『あんたがやったんじゃ』と優季容疑者のことを疑っていました。同居する結希くんの伯父も消防団の人たちに『あいつが怪しいんや』と話していました」

 家族が養父に疑いの眼差しを向けたとされるなか、母親だけは結希くんの無事を信じ続けていたという。母親の知人が語る。

「結希くんのお母さんは行方がわからなくなった当初はひどく動揺していましたが、途中で『ナヨナヨしている場合じゃない。私がしっかりせな』とバンと気持ちが変わった。とくに4月に入ってからは絶対に探し出すという姿勢が前面に出て、周りが『きっと見つかるよ』と励ますと『ありがとう。生きていると信じて最後まで諦めんと頑張るわ』と強い気持ちを見せていました」

 気丈な母親が心の拠り所にしたとされるのが「霊視ができる女性」のAさんだ。このAさんの知人が打ち明ける。

「最初は警察が全然情報を出さず、手掛かりがなくて結希くんのお母さんは不安が募るばかりだったそうです。そこで、心配したお母さんの友人がAさんを紹介した。お母さんは藁にもすがる思いでAさんを頼りにしていました」

 母親はLINEや電話を通じて霊視ができるAさんと連絡を取り、結希くんの写真を提供して息子の居場所を知りたいと協力を仰いだという。

「霊視をしたAさんから『(結希くんの)姿勢が変わっているし、動いている』との言葉があり、お母さんは"だったら結希はまだ生きているはず"との思いを強くしたそうです。結果的に結希くんは3月23日の段階で亡くなっていましたが、姿勢が変わり、動いているという霊視の内容と、容疑者が遺体の場所を移したことは符合していた。亡くなって見つかったことは、本当に残念でなりません」(同前)

 生きて結希くんが発見される願いは叶わなかったが、せめて全容解明が望まれる。

※週刊ポスト2026年5月8・15日号