「皇室の未来」を閉ざす高市政権の「旧宮家養子案」――専門家が懸念する「小室圭さん以上のバッシング」
女性・女系天皇は認めない
「皇室典範で皇位は、皇統に属する男系男子がこれを継承すると定めております。ですから、(女系・女性天皇は)認められません」
2026年3月、高市早苗首相は国会で改めて「男系男子継承」について明言した。
また、中道改革連合は所属する国会議員にアンケートを実施。「女性皇族が婚姻後に皇族の身分を保持すること」についての問いには賛同が相次いだ。その一方で、「婚姻後の女性皇族の配偶や子に皇族身分を付与すること」については、「反対」「どちらともいえない」が賛成を上回る結果になった。
また、自民党の麻生太郎副総裁も2026年4月に行われた派閥の会合で、今国会での皇室典範改正について意欲を示している。
皇族数の減少により公務の担い手が不足し、次世代の継承者が秋篠宮家長男・悠仁さまおひとりという状況が続いている。人数を確保し、皇室を維持するための対策は急務だが、そうした中で浮上しているのが「旧宮家」からの「養子案」だ。旧宮家の男系男子を現皇族の養子として迎えることで、「男系維持」「皇族数確保」を両立させるというものである。
旧宮家とは、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の皇室制度により縮小され、1947年の皇室典範改正で皇籍離脱した11の宮家のこと。
養子を迎えようとしているのはこの時、離脱した宮家。戦後、首相を務めた東久邇宮稔彦王の東久邇宮家や、保守系作家としてメディアなどにも出演する作家の竹田恒泰氏の竹田宮家などが有名だが、いずれも戦後は一般人として生活している。現在の皇室とは「男系の血筋」だが、かなりの遠縁にあたる。
「自民党と日本維新の会は意欲的です。連立合意の際に『養子を第一優先させる』と訴えていたことから、少なくとも、高市政権はその方針でいくものとみられます」(週刊誌皇室担当記者)
一般人が皇族になってくれるのか
皇室を存続させるための切り札とされている養子案。だが、旧宮家の男系男子を養子として皇室に招き、再び皇族としての役割を担わせるのは、制度上は可能でも、現実的にはそう単純な問題ではない
長年、皇室研究を続けている名古屋大学の河西秀哉教授は強い懸念を示す。
「元皇族、皇族の血筋ではあるものの、一般人として生活してきた人が、突然、皇族になってくれるのでしょうか」
まず制度の骨組みからみていこう。旧宮家の男系男子を養子として迎え、皇籍に復帰させ皇族の身分を与え、皇室行事を担う存在とするもの。だが、養子は皇位継承資格を与えられず、将来天皇となることはない。旧宮家の男系男子を養子として迎え、皇族にする。しかし、その養子は皇位継承権を与えられず、将来天皇となることはない。しかし、結婚後の配偶者や子どもを皇族とし、この子どもから皇位継承権を与えようとしているのが今回の制度。
あくまでも「皇族数の確保」と「男系維持」に限定された制度なのだ。
「制度だけを整えたところで、実際に誰が養子になるのでしょうか。自由に生きてきたのに、突然、皇族になる。困惑される方ばかりだと思いますよ」(前出・河西教授)
長年、天皇家の取材を続ける皇室ジャーナリストもこう指摘する。
「政府は対象となる旧宮家の人々に十分な意向確認もしていないのです。ただ、多くは『うちには適任者がいない』『辞退させてもらいます』と皇籍復帰を望んでいない」
国民が徹底的に探る可能性
つまり、制度は整っても「誰も手を挙げない」という事態は、現実的に十分起こり得る。
加えて、公務を担える年齢層の問題もある。
「11宮家のうちいくつかは断絶しているといわれ、数が減っています。高齢の方も多く、天皇陛下よりも年上という方も少なくありません。実際に公務を担えそうな若い男性はそれほど多くないのではないか」(前出・河西教授)
未成年の養子候補者もいるとされるが、一般人として育った普通の少年を突然、皇族にすることには疑問も残る。
また、仮に復帰が実現したとしても、新たな問題が生じる。
「メディアや国民が養子となる方の過去も含めて、徹底的に探る可能性があります。発言、考え方、振る舞い、などありとあらゆることに注目します。秋篠宮家長女、眞子さんとご結婚した小室圭さんのことを思い出してください。最初こそ好意的でしたが、母親の金銭トラブルで一転、日本中からバッシングを受けるなど大騒ぎになりました。小室さん以上に非常に厳しい目で見られるのではないでしょうか」(同前)
嫁ぎ先のトラブルだった眞子さんと異なり、養子は国民が“税金で支える立場”になる。そのため、わずかな問題やスキャンダルであっても、大きく拡散される可能性は極めて高い。
一般人として生活してきた人々がそうした環境での生活に耐えられるのだろうか。
後編記事『愛子さま・佳子さまは旧宮家養子と政略結婚!? 続く「男子誕生」のプレッシャー』ではさらなる懸念点について聞いた。
