血管の詰まりを招く「4つの危険な生活習慣」とは? 動脈硬化を防ぐ対策を医師が解説

血管が詰まるリスクは、日々の生活習慣と深く関係しています。喫煙や過度の飲酒、運動不足や慢性的なストレスといった習慣が積み重なることで、動脈硬化が進行しやすくなります。特に注意すべき生活習慣とその血管への影響について、日常生活の見直しに役立てていただけるよう詳しく説明します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

血管詰まりの危険度を高める生活習慣

血管が詰まるリスクは、日々の生活習慣と密接に関係しています。不適切な生活習慣を続けることで、動脈硬化が進行し、血管の詰まりを引き起こす可能性が高まります。ここでは、特に注意すべき生活習慣について説明します。

喫煙と過度の飲酒

喫煙は血管の健康に極めて悪影響を及ぼす習慣です。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させ、血圧を上昇させます。また、喫煙は血液中のLDLコレステロールを酸化させ、血管壁に沈着しやすくします。さらに、血小板の凝集を促進し、血栓ができやすい状態を作り出します。喫煙者は非喫煙者と比較して、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが2~4倍高いとの報告があります。一方、適量の飲酒は心血管疾患のリスクを低減する可能性があるとする報告もこれまでにありましたが、近年ではこの考え方は見直されつつあります。WHOなどは、健康に悪影響を与えない安全な飲酒量はないとの見解を示しており、飲酒量が増えるほど健康リスクが高まる可能性が指摘されています。
特に過度の飲酒は、高血圧や脂質異常症、心房細動などを引き起こす要因となり、結果として血管の詰まりを招くリスクを高めることがあります。そのため、心血管疾患の予防という観点では、飲酒量を控える、あるいは飲酒習慣を見直すことが重要と考えられています。

運動不足と慢性的なストレス

身体活動が不足すると、肥満や脂質異常症、高血糖などのリスクが高まります。運動不足は、血液中の中性脂肪を増加させ、HDLコレステロールを減少させるため、動脈硬化が進行しやすくなります。週に150分以上の中等度の有酸素運動(早歩き、水泳、自転車など)を行うことで、心血管疾患のリスクを低減できることが知られています。また、慢性的なストレスは、交感神経を活性化させ、血圧や心拍数を上昇させます。ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が続くと、血管の炎症や血栓形成が促進されることが報告されています。十分な睡眠、リラクゼーション、趣味の時間など、ストレスを軽減する生活習慣を取り入れることが重要です。

まとめ

血管の詰まりは、生活習慣や基礎疾患と深く関連しており、自覚症状が乏しいまま進行することが多い病態です。しかし、初期のサインを見逃さず、適切な食生活や運動習慣を取り入れ、定期的な検査を受けることで、予防や早期発見が可能です。胸痛や手足のしびれ、言語障害などの危険サインが現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。血管の健康は、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を防ぐための基盤となります。日々の小さな積み重ねが、将来の健康を守ることにつながります。気になる症状や検査結果がある方は、循環器内科や内科の専門医に相談し、適切な治療や生活指導を受けることをお勧めします。

参考文献

日本動脈硬化学会 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2025」

厚生労働省「循環器病対策」

日本循環器学会「2025年改訂版 心不全診療ガイドライン」

国立循環器病研究センター「病気について」

日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021(改定2025)」