漢代の医書「医薬簡」、処方100種以上収録 中国医学史の貴重資料

【新華社蘭州4月6日】中国甘粛省蘭州市の甘粛省博物館に、長さ30センチ余りで墨の跡がまだらに残る1組の木簡が陳列されている。1972年に同省武威県(現在の武威市)の旱灘坡(かんたんは)墓群で出土した漢代の「医薬簡」で、中国医学史の貴重な文献とされる。
地元の水利施設の建設で偶然見つかり、木俑や銅製装飾品、陶器などの副葬品が多数出土。最も重要な発見は棺板の間に挟まれていた簡牘(かんどく)1組で、木簡78枚、木牘14枚の計92枚からなり、保存状態が良く文字もはっきり判読できた。
出土した簡牘は一般的な文書でなく医学書だった。専門家は被葬者について、後漢初期に70歳過ぎまで生きた医師で、簡牘は生涯にわたる医療経験の記録だったと推定している。
医薬簡は2万6千字余りからなり、処方は100種以上あり、内容は内科や外科、婦人科、小児科、五官(耳鼻咽喉科・眼科・口腔科)などに及んだ。薬も100種以上に記録されていた。各処方には病状や薬材の構成、配合比、調製方法、服用上の禁忌が詳細に記され、「臨床マニュアル」と呼ぶにふさわしい内容だった。
甘粛省中医院の医薬簡専門家、張延昌(ちょう・えんしょう)主任医師はこの文献の価値を「量だけでなく、実用性にある」と指摘。例として「活血化瘀」(かっけつかお=血の巡りを改善する治療法)を明確に提唱している点を挙げた。
医薬簡の体系性と網羅性は、中医学(中国伝統医学)の二大古典「黄帝内経」「傷寒雑病論」の間の重要な空白を埋める価値を持つ。張氏は「医薬簡の処方は一つ一つが先人の経験であり、貴重な文化遺産だ」と語った。(記者/賀晋、白麗萍)
