「口に指を突っ込まれ、スプレーを…」「スタンガンを6発くらった」歌舞伎町“立ちんぼ”女性が告白するホテルでの“恐怖の一夜” 《買春規制は彼女を救うのか》
「口の中に指を突っ込まれたから、指を噛んだら逆上して。そのあとスプレーをかけられました。『あー、これ死ぬな』と思ってたいら、バチッと電気が走りました。首にスタンガンを当てられていたんです」──路上で売春をしているという20代のA子さんが記者に打ち明けたのは、ホテルでの"恐怖の一夜"だった。
【写真】「12〜13歳の女の子も...」立ちんぼする女性たちを”品定め”する男性、スーツケースを持ってたむろする”トー横キッズ”ほか
"立ちんぼ"が集中するスポットになっている東京・歌舞伎町の大久保公園。日夜、10〜20代の女性が路上に立ち、通りがかりの男性がそれを"品定め"する様子が日常化している。【前後編の前編】
大手紙社会部記者が話す。
「警視庁保安課によると、昨年1年間で大久保公園周辺で立ちんぼをしたとして逮捕された女性は112人にのぼります。前年に比べ摘発された人は15人ほど増えたとされます。最年少では16歳の女性もいた。
最近、変わってきているのは『身を売る理由』です。かつては単に生活費を稼ぐためという女性が多かったですが、現在はホストやメンズコンセプトカフェ、またアイドルなど"推し"に貢ぐためという若い子が多い。警視庁も声かけやパトロールで対応していますが、限界がある。私服警官の情報などが立ちんぼのコミュニティーで共有されることなどもあり、イタチごっこが続いている」
"立ちんぼ"をめぐっては、客待ちや勧誘をする女性たちが摘発される一方で、「買う側」に罰則がない売春防止法のあり方について国会内でも問題視され始めている。
「3月24日、『買う側』の規制について議論する有識者会合が法務省で開かれました。平口洋法務大臣は2月10日の会見で『社会情勢を踏まえた売買春の規制の在り方について、幅広い知見に基づいて議論していただく』としており、今秋の臨時国会か、来年の通常国会での法改正を目指すとみられています」(同前)
しかしこれはあくまで"法律上のリスク"の話である。彼女たちの視点でみれば、"立ちんぼ"には変わらずさまざまな危険がつきまとっている。
路上売春では基本的に男女の"交渉"が終わると、ホテルへ移動して行為に及ぶ。密室ということもあり、金銭トラブルや警察沙汰も尽きないという。
冒頭の20代の"立ちんぼ"女性が、恐怖の体験を語る。
スタンガンを首に「バチバチバチと6発くらい」
「去年の春くらいのことです。客は20代から30代前半くらいの男に声をかけられた。パーマでメガネをかけていて、いわゆる"アキバ系"みたいな感じでした。馴染みのホテルに着いて、『お金準備してください』と言ったら無視されて。もう一度、『お金テーブルに置いて』と伝えたら『この前、女にお金持ち逃げされたから無理』と言われました。
そのホテルは室内精算だったから、『どちらにせよ逃げられないよ』とも伝えたんですけどね。一向にお金を出しそうになかったので、『じゃあサービス出来ない』と言って帰ろうとしたんです」
A子さんは退室するため、フロントに電話をかけようと立ち上がった。その刹那、男の態度は豹変した。
「急にドンっと押されて、顔になにかのスプレーを吹きかけられ、スマホを取られました。アップルウォッチで助けを呼ぼうとしたら、引きちぎられた。怖くなって叫んだら、口の中に指を突っ込まれて。それで指を噛んで抵抗したんです。そしたら逆上してまた、スプレーをかけられました。
『あー、これ死ぬな』とか思っていたら、バチッと電気が走りました。スタンガンを当てられたんです。バチバチバチと6発くらい、首から肩にかけて打ち込まれましたね」
幸い、スタンガンはA子さんの意識を奪うほど強力なものではなかった。逃げ場のないA子さんは「言うことを聞くから、落ち着いてほしい」と男をなだめたという。
「急にまた態度が変わって、『楽しいことしようねー』って言ってきて、そのまま無理やり行為が始まり、避妊もしてくれなかった。『シャワー浴びよ』って言われたんですが、証拠になると思い、拒みました。ですが、『(待っている間に)通報されたくないから、なにも持たないでシャワーついて来い」と言われて。仕方なく浴槽の端っこで、男がシャワー浴びるのをじっと待った。
そのあと一緒にホテルをでました。別れたあとフロントには事情を報告して、清掃に入らないよう伝えました。結局、犯人はすぐ捕まったんです。近辺をうろついていたのを、界隈の女の子たちが通報してくれて。警察の取り調べで聞いた話だと、おそらく初犯ではないです。カバンの中から結束バンドとか道具も見つかったみたいですから……。ちなみにお金はほとんどなかったそうです。確信犯ですね」
記者は、「危ない目に遭ったのだから、もう(立ちんぼを)やめたらどうか」と投げかけた。しかしA子さんは「メンコン(メンズコンカフェ)」や「ホスト」など"推し"について話すばかりで、売春をやめる意思はなさそうだった。
A子さんは語り終えると、足早にまた大久保公園へと戻って行った。
A子さんをはじめ、歌舞伎町には、いまだ行き場のない若者たちが吸い寄せられるようにして集まっている。トー横などでの自治体やNPO団体による支援活動などもあり、一見、彼らの数は減っているようにも思えるが「見えづらくなっただけ」という関係者もいる。"地下化"していく彼ら周辺の治安は悪化し、立ちんぼの低年齢化も問題になっているという。
国際犯罪の魔の手も迫っており、「界隈の子で、カンボジアでかけ子(特殊詐欺)をやっている子が5人くらいいる」という証言もあった。
一体、新宿は今どうなっているのか。最新事情を取材した──。
(後編につづく)
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