Azavanaが3月12日、自身初のフルアルバム『生きていたいと流れ着いたこの街で』をリリースした。2026年初頭より関東圏を中心に開催してきたワンマンツアー<心音>のファイナル公演となったZepp Shinjukuでは、いち早くアルバムの世界観を予感させるライヴを展開。4月からは、<1st Full Album Release Tour「生きていたいと流れ着いたこの街で>を東名阪のCLUB QUATTROにて開催し、アルバムに込めた意味をさらに深く追求していく。

Azavanaが1stフルアルバム『生きていたいと流れ着いたこの街で』に描いたのは、過去から現在に至るまでのバンドの軌跡であり、未来へと繋がるストーリー。アルバムというフォーマットが持つ意味を改めて提示しつつ、今の彼らだからこそ表現できる思いと音が刻み込まれたかたちだ。その制作背景から楽曲の細部に至るまで、収録された1曲1曲について遼(Vo)、詩結(G)、S1TK(Dr)に訊いたインタビューをお届けしたい。

1stフルアルバム『生きていたいと流れ着いたこの街で』

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■別々のバンドをやっていたメンバーが
■各々の武器をひとつにして進んでいく

──まず、Azavana初のフルアルバム『生きていたいと流れ着いたこの街で』が完成した率直な感想からお願いできますか。

詩結:制作期間はワンマンツアーと同時進行だったのもあって、だいぶ目まぐるしかったんですよ。でも、いざ完成形を聴いたときは“いいアルバムができたぞ”って素直に思いましたね。アルバムとしての聴き応えがあるっていうのかな。近年、アルバムを通して聴くっていう文化は、ちょっと薄れてきていると思うんですよ。

──サブスク全盛の現代においては、そうですね。

詩結:でも、“アルバム1枚を通しての意味”みたいなものをちゃんと現代に取り戻す作品にできたと思うんです。

S1TK:アルバムが完成して一番大きく感じたのは達成感ですね。ミックスにも立ち会ったんですけど、そのときに“あのデモがこんなふうに変わったんだ”っていう楽曲に対する発見とか、“こういうアプローチをしたんだ”っていうメンバーに対する新しい発見もあって。制作過程で楽曲に命が吹き込まれるっていうことを実感したし、それも踏まえていいアルバムだなと思います。

──多忙な中でのアルバム制作だったと思いますが、遼さんはいかがでしたか?

遼:朝までレコーディングして、そのままワンマンライヴに向かうような、本当に今までに経験したことがないくらいのハードスケジュールでしたから。でも、やっぱり“1stアルバム”ということもあって、気合いは入っていました。

遼(Vo)

──その“1stアルバム”にはどんな青写真があったのでしょう?

遼:まず、『生きていたいと流れ着いたこの街で』というタイトルは1stシングル「灰色の海を泳ぐホタル」の歌詞から持ってきているんですけど、これはAzavana始動にあたっての思いを曲にしたものだったんです。別々のバンドをやっていたメンバーが各々持っていたものや培ってきたものを一つにして、これからAzavanaとして進んでいくっていうメッセージを込めたんですね。過去の意思も大切にしながら辿り着いた場所が、このAzavanaというバンドだと思うので、バンドの名刺になるようなアルバムにしたかった。結果、納得のいく仕上がりになりました。

──明確な作品像がある中で、制作はどのように進めていったんですか?

遼:いわゆる選曲会を開いて、ただ作った曲を寄せ集めたようなアルバムにはしたくなかったんです。そのことは、初めからメンバーにも伝えていました。シングル曲も含めて、全ての楽曲がピースとしてハマる曲順もそうですし、最初から最後まで順に聴くことでストーリーを感じさせる流れにもこだわりました。

詩結(G)

──詩結さんもおっしゃった“アルバム1枚を通しての意味”ですね。では、収録曲1曲ずつ順を追いながらお訊きします。1曲目はインストゥルメンタル「「」」で、ワンマンツアー<心音>ファイナルのZepp Shinjuku公演のオープニング曲としても披露されました。

遼:<心音>ツアーの地方公演で使っていたSEにバンド演奏を混ぜて作った曲です。ドラムから始まって、ひとりずつ音を重ね、その最後に全員の音が一つになるようなイメージで作りました。タイトルはアルバム全曲を聴いてもらって、聴いた人それぞれに決めてほしい。だからタイトルは付けずに「「」」と表記しました。

S1TK:自分も、ドラムからベース、そしてギターとひとりずつ音を重ねていく流れの曲がほしかったので、それがアルバムのSEっていうのは、おしゃれでいいなと。

詩結:それぞれ短いセクションの中でも、メンバーのキャラクターがわかりやすいプレイで構成されてると思うんですよ。Zepp Shinjuku公演でもアルバムと同じく「「」」から「Erica」に続く流れだったんですが、いい緊張感を持ちつつ披露できたんじゃないかな。

──遼さんの中には、その流れも構想としてあったんですよね?

遼:はい。「「」」からのつながりを考えて作ったのが、「Erica」です。

詩結:遼から「Erica」のデモが上がってきた時に、まずは諒平(G)がアレンジをしたんですけど、その時点ではローのリフが前面に出て、いわゆるハードロックっぽい雰囲気だったんです。そこから「もっと幻想的な雰囲気がほしい」という遼のリクエストとともに僕にアレンジが回ってきて、今の形になったんですよ。

遼:ヴァースはなるべく抑えて、サビで爆発させるようなイメージを伝えながらアレンジしていきました。ギターアレンジもデモの時点であまり作り込まず、ふたりのギタリストの個性をガッツリ入れてほしくて任せたんですよ。

詩結:僕は全体的にシューゲイザーっぽく、後ろでワーッと雰囲気を作るようなギターアプローチをしています。あとはBメロの両サイドのクリーントーンも、特に印象的に聴こえるんじゃないかな。ここはベースがコード進行を引っ張っていて、その上でツインギターが装飾音としての役割を担っているんです。

S1TK:ドラムは曲の流れに沿って、AメロとBメロは疾走感を出したかったので、ハイハットの使い方にこだわりました。ドラムに関してもわりと好きにやらせてもらえるので、その都度マイブームとか、やったことがないアプローチも織り交ぜながら叩いています。

S1TK(Dr)

──「Erica」という言葉は花の名前だと思うんですけれど、Azavanaの原点作品でもある「カトレア」に続いて、花の名前がつけられた楽曲が出てきたことも興味深いです。

遼:“エリカ”の花言葉が“孤独”や“寂しさ”で、過去のことにも触れて書いたんですけど。そういった過去から今につながっていくということを表現しました。だからこそ、“この位置”に並べたっていうのもあります。

詩結:ちなみに、諒平は「エリカって誰やねん!」って言いやがりましたけど(笑)。

──諒平さんらしい(笑)。遼さんのおっしゃる“この位置”というのは、3曲目の「灰色の海を泳ぐホタル」に続く位置ということも含めて?

遼:はい。“過去のことにも触れて書いた”「Erica」から、『灰色の海を泳ぐホタル』の“今”につながっていく流れも、初めから決めていました。

──この機会にうかがいたかったのですが、遼さんの中で“ホタル(蛍)”というモチーフはどういった意味合いで使っている言葉なんでしょう?

遼:“ホタル”は以前から使っていたワードで。蛍に儚さや命を強く感じることもあって、自分の中でテーマにしていました。

──ある種、“命”の象徴といいますか。

遼:そうですね。それも踏まえて自分が掲げていた“ホタル(蛍)”、楽器隊はもともと“灰色の迷宮”という意味をバンド名に持って活動していたこともあったので、「灰色の海を泳ぐホタル」というのは両方を示すワードをタイトルにしたというのもあります。

──その「灰色の海を泳ぐホタル」に続く楽曲が、「TATTOO」です。

遼:ダークな雰囲気の曲があまりなかったので作りました。変わったリズムも入れたい要素のひとつではあったし、今までにはなかった音色も使って、ちょっと遊んでみました。

──エスニックな雰囲気があって、歌も妖艶な感じですよね。そういった部分を強調させるギターアプローチは必要不可欠です。

詩結:やっぱり一番耳につくのはイントロをはじめとするペダルエフェクターを駆使したノイジーな遊びフレーズじゃないかと。ただ、案外アレンジが難しかったのは、Aメロ裏のアルペジオだったんですよ。メロディーラインとシンセフレーズの間を縫って結びつけるようなプレイは、緻密に作り上げましたね。自由に暴れるアバンギャルドなプレイの一方で律儀さがある。その両極端な要素が同居している曲です。それと、遼が最もこだわっていたのが、1サビ終わりのクリーントーンの掛け合いパートで。

遼:ツインギターがアルペジオで交互に掛け合うっていうのもなかなかなかったので、作曲段階から入れていたんです。

──ドラム始まりもポイントですよね。

S1TK:ドラム始まりの曲がほしかったんで、“遼、ナイス!”と思いました。「TATTOO」はライヴのセットリストのどの位置に入れてもハマる曲だから、盛り上がる雰囲気を壊さないように、結構シンプルなドラムにして、要所要所に自分のこだわりを入れながら、いい感じに仕上げられました。Aメロは16ビートなんですけど、普通のドラマーはひとつのハイハットで叩くところを、僕はL/Rのハイハットを使っているんです。インチも小さいのでタイトで粒立ちが良いし、普通のビートにも臨場感が生まれるんですよ。

──ちなみに「TATTOO」はベースも肝となっていますが、今回のアルバムはリズム隊としてはいかがでしたか?

S1TK:Яyu (B)とは長くやってきていることもあって、阿吽の呼吸ができているので。だからこそ安心して任せられるし、向こうもそうなんじゃないかな。性格は全く違うんですけど、ライヴでも音源でもシンクロしているなって思います。

■諒平がファンに「生きてください」と
■伝えていたことをすごく覚えていて

──続いて、詩結さん作曲の「Mist」ですが、ここで歌ものが登場するというのがアルバムのフックとなっていると思います。

詩結:シングル曲はハードなものが多いし、新曲もライヴを意識した激しくヘヴィな曲が既にいくつか上がっていたので、あえてそこを外して作った曲ですね。リズム展開は淡々としつつ、要所要所で使ってこなかったコード進行もあって、今までAzavanaになかったタイプの曲だと思う。サビは遼のおいしいところが出るキーに照準を合わせて転調させてみたり。

遼:デモを聴いたときから、メロディーがまっすぐに飛んでくる感じがあって、シンプルに“歌ってみたい”と思いました。基本的に他メンバーの曲も歌メロは自分が作っているんですけど、詩結くんらしさもよく出ていたので、この曲はもともとあったメロディーをなるべく崩さないようにアレンジしつつ歌いました。

──そして「擬態」では雰囲気がガラリと変わりますけど、ライヴ感という意味では作曲者のS1TKさん“らしさ”も感じられます。

S1TK:まさに、ライヴで盛り上がる曲がほしくて着手した曲です。超原型段階では逆ダイループも入っていたりして、尺も5分くらいあったんですよ。

──しかし、仕上がりはその半分の尺に。

S1TK:遼と相談して、「この曲は短いほうがいいんじゃないか」っていうことになったんです。自分的にはライヴ曲として、とにかく盛り上がればいいっていうところが第一だったので、そこはしっかり形にできましたね。

──曲構成も含めて、ヴィジュアル系らしいライヴのノリを感じられるところもありました。

S1TK:そうそう。古き良きヴィジュアル系みたいな曲が、自分でも好きなので。

遼:S1TKからきた原型も、ほぼシャウトのようなライヴ曲だったんですよ。ただその時点では、全体的な構想を考えるとアルバムに入れるのが難しそうで、「ごめんけど、今回は入れられないかもしれない」ってS1TKに話したら、ちょっとしょんぼりして……(一同笑)。だから、もともと自分が作っていた別の曲と混ぜて、テンポも大幅に変えて、原型よりあっさりした作りにして、メロディーもありつつ激しい曲にアレンジしました。曲構成も変わっていて、“サビが最後だけ”という遊び心も入れつつ。

Яyu (B)
諒平(G)

──シングル曲「Hysteria」を挟んで、ノスタルジーな雰囲気も感じられる歌もの曲「白露」。遼さんが作詞された際、作曲者である諒平さんに寄せた思いもあったんじゃないか、と想像したのですが。

遼:はい。諒平が家族を亡くして。ちょうどバンド活動が忙しい中でもあったんですけど、辛いはずなのに彼は弱いところを見せなかったんですよね。自分なりに寄り添えたらなと思って書いた歌詞ではあります。

詩結:この曲の原型は、実は過去にライヴで一度やっているんですよ。その時は、まだタイトルもなくて。Azavanaとして最初の諒平のバースデーライヴだったんですけど、当日のMCでも諒平がファンに「生きてください」と伝えていたことをすごく覚えていて。それ以降、演奏することはなかったんですけど、ここへ来てアルバムに収録することになりました。

──詩結さん作曲の「Mist」、諒平さん作曲の「白露」。ギタリストの二人が手掛けた楽曲は、いずれもアルバムに繊細な表情を加えているなと思いました。

S1TK:僕の観点だと、ギタリスト二人の曲は両方とも“’90年代ヴィジュアル系”を感じるんですよ。僕もそういう曲が好きだし。’90年代の楽曲って、ドラムは疾走感を重視している曲が多いんですよね。そこを自分なりの解釈で叩いていきました。

詩結:’90年代の楽曲って、現代の曲みたいにセクションごとにガラッとリズムパターンが変わる構造ではなくて、一定のビートで刻み続けているものが多かったりするんです。「Mist」も「白露」もまさにそうで、セクションごとの表情の違いを出すのがドラマー的には難しい部分でもあり、やりがいのある部分でもある。デモを投げた時から、きっと「Mist」のテンポだったらS1TKは“神の舞”をやるだろうなと思っていました(笑)。

──“神の舞”?

S1TK:“2種類のハイハットをオープンハンドで叩く”っていうやつですね。スネアの拍も、かなり変わってます。「白露」は一度ライヴで披露したときに全体像は出来上がっていたんですけど、演奏はレコーディングをするにあたってアレンジを変えた部分もあります。

──アルバム終盤の「秒針に沈めて」の壮大さもフックになっていると思います。

遼:曲を並べてみたときに“ここにこういう曲があったらいいな”と思って、最後に作った曲です。たぶん、昔から自分のことを知ってくれているファンは、僕っぽいと感じてくれたんじゃないかな。 実はAzavanaになってからはそういう曲をあえて避けていたんです。自分のこだわりや個性を入れつつ、新しいバンドだからこそできることに重きをおいて曲を作ってきたんですけど、そういうことを一切考えず、自分の趣味で作った曲ですね。

──遼さんは、メンバーのストロングポイントを活かすことに重きを置いている節があると思うんですけれど、ある意味「秒針に沈めて」は遼さんの個性を存分に活かしているという。

遼:はい。ここまでAzavanaで活動してきて、“作りたいものを作ろう”っていう気持ちになってきたからこそできた曲ですね。

S1TK:さっきギターの二人が作る曲は“’90年代”を感じると言いましたけど、遼の作る曲には“平成”を感じるんですよ。主に2000年代。当時のJ-POPからのインスパイアを感じるというか、自分の学生時代を思い出すメロディーというか。そもそも遼がつけるメロディーには、“懐メロ感”があるんですよね。

詩結:「秒針に沈めて」は、Bメロ終わりからサビへの繋がり方が独特なので、コードの処理が難しかったんですけど、綺麗にハマったかなと。ギターソロは、自分の中にある“遼の曲にありそうなフレーズ”が自然に出てきました。

■曲はバンドの命だと思っている
■音楽があってこその自分たちだから

──そして、現状アルバム曲の中で一番多くライヴ披露されているのが「空っぽな唄」です。

S1TK:最初にレコーディングしたのが、この曲でした。ライヴでやって馴染んでいたんですけど、フレーズを見直してレコーディングしましたね。難しいことはしていないんですけど、意外と苦戦しました。

詩結:ギターも特に凝ったことはやっていなくて、めちゃくちゃシンプルですね。ライヴで演奏していたままのノリで弾いた部分が多かったんですけど、レコーディングにあたって改めてツインギターで細かいニュアンスを確認しながら弾いたところもありました。ライヴでは頭を空っぽにしてプレイできる曲なので好きですね。緻密に作り込む良さもありますけど、シンプルなディストーションギター一発のストレートさがまたカッコ良かったりする。

遼:この曲はイントロのギターリフが自分の中でなかなか決まらなくて、苦戦して結構ギリギリにできました。だから気付いているファンもいると思うけど、<心音>ツアーで演奏していた頃とは印象もかなり変わったと思います。ただこの曲も、自分の中ではアルバムに入れる予定ではなかったんです。去年までは“自分たちの思うライヴとは何か?”を示すために、この手のライヴ曲をあえて多めに作り続けてきたんですよ。ただファンも自分たちがライヴで何を大切にしているのか、もう分かってくれたと思うし、そこを芯に持ちつつ、次のフェーズに移っていくことを示せるアルバムにしたかったのもあって、いい意味で予想を裏切りたかったんです。恐らく誰もが、ライヴでよく披露している「微熱と過呼吸」や「シガラミ」も収録されて、全体的にもっと激しい曲が多いアルバムだと思っていたんじゃないかと思うんですよ。その予想通りにはしたくなかったことと、他の曲を活かすために、フェイント的な意味で「空っぽな唄」をアルバムに入れることにしました。

──なるほど! 確かに、「微熱と過呼吸」や「シガラミ」といった2曲はアルバムに収録されるんじゃないかと予想していたので、嬉しい裏切りでした。そしてシングル曲「獄詩」を挟んで、「星灯り、滴る虚夢」と「心音」のエンディング2曲に向かっていくわけですけれど。アルバムをどのように締めくくるかということも、最初から遼さんの中ではイメージできていたんですよね?

遼:はい。Azavanaとして、「灰色の海を泳ぐホタル」、「Hysteria」、そして「獄詩」とシングルをリリースしてきて、その先にどういうものを出せばいいかっていうことは、結構悩んだんです。その中で「心音」ができたときに、この曲に向けて他の曲が流れていくイメージが浮かんで。

──「心音」ができたことでAzavanaの先が見えたということだと思いますし、実際に歌詞の内容もバンドのこれからが描かれているように思うんです。その前に、非常に素直な表現で書かれている「星灯り、滴る虚夢」があるのも、すごくぐっときました。

遼:優しいコード進行の曲は自分の好みでもあって、これまでも同じ雰囲気の曲を作ったこともあったんですけど、そういう曲でどうしても前向きな歌詞が書けなかったんです。でも、今回は心から納得できる曲を作れて。Zepp Shinjuku公演でも伝えたんですけど、僕にはファンの日常的な苦しいことや辛いことは分からないし、その逆も然りなんですよね。だけど音楽で繋がっていたいと考えたときに、ファンへの思いとして書きました。

詩結:完成形を聴いたときに、個人的に一番「おー!」と思ったのが、「星灯り、滴る虚夢」でしたね。アルバムの中でも特に好きな曲です。ギター的には、素直に歌のメッセージ性を大事にしながら寄り添うようなプレイを心がけました。「心音」は、弦楽器隊のチューニングをLow G#まで下げていて。アルバム収録曲は曲ごとにチューニングがバラバラなので、そういう部分でも対応が大変でしたけど、特に「心音」はアルバムの核となるシリアスなテーマとドラマティックさを持った楽曲なので、多角的な視点でのアプローチが必要で。1曲の中でも、ローのリフを録っている時とアルペジオやギターソロを録っている時ではチューニングを変えたり。あの手この手で表現を追求して、この形になりました。

遼:みんながいろんなことを抱えながら生きていると思うんですよね。「心音」は、自分で作っておいてなんですけど“とんでもない曲ができたな”と。メンバー全員が本気でこの曲と向き合わないと簡単には演奏できないというか、気を抜くと曲に飲まれそうな感覚があるんです。

S1TK:アルバムの最後がこういう流れなんだっていうのはおもしろくもあったし、「心音」はデモを聴いたときから、遼に「これは超大作でしょ!」って伝えたら、「でしょ?」と(笑)。

詩結:僕も「「星灯り、滴る虚夢」、メッチャいいな!」って連絡したら、「でしょ?」と嬉しそうな返事がきました(笑)。

遼:作った曲を一番初めに聴くのはメンバーだから、まずはメンバーを驚かしたいという気持ちで作っているんですよ。それが伝わったのは、嬉しかったですね。

S1TK:バンドが何年続いたとしても、そういう気持ちは大切にしていきたいですよね。そういう気持ちを共有できたら、より良いバンドになってくると思いますし。

──1曲ずつ順を追って訊きましたけれど、メンバー同士で共有できている思いがあると作品の説得力も上がるんだなと実感できる作品になりましたね。

遼:やっぱり、曲はバンドの命だと思っているので。音楽があってこその自分たちだから、Azavanaはこれからも音楽を大事にしていたいですね。

──では、渾身のアルバムを引っ提げて東名阪のCLUB QUATTROを回るワンマンツアーは、どんなものになりそうでしょうか?

遼:さっきも話題に出しましたけど、去年まではとにかく“ライヴで何を大切にしているのか”をまずファンに伝えることに徹した1年にしたんです。でもこれからは、そこを基盤にしながら“新しいAzavana”を見せていく時期に入っていくと思うので、今回はそういうところを見せられるツアーにしたいと思います。

取材・文◎平井綾子

 

■1stフルアルバム『生きていたいと流れ着いたこの街で』
2026年3月12日(木)発売
AZCD-007 \4,500(Tax out)
Azavana Online shop / 各ヴィジュアル系専門CDショップにて販売
・Azavana Online Shop:https://azavana.buyshop.jp
・配信リンク:https://www.tunecore.co.jp/artists/azavana
▼disc1:CD
01.「 」
02.Erica
03.灰色の海を泳ぐホタル
04.TATTOO
05.Mist
06.擬態
07.Hysteria
08.白露
09.秒針に沈めて
10.空っぽな唄
11.獄詩
12.星灯り、滴る虚夢
13.心音
▼disc2:DVD
01.「心音」(Music Video)
02.「心音」(オフショット収録映像)

 

■<1st Full Album Release Tour 「生きていたいと流れ着いたこの街で」>
4月24日(金) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
open18:00 / start18:30
4月25日(土) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
open17:00 / start17:30
4月29日(水) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
open17:00 / start17:30
▼チケット
前売\5,500 / 当日\6,000
一般発売 :4/11(土)10:00~

 

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