『紅白歌合戦』2025年出場者予想

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 年末の風物詩『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の出場者を予想するうえで欠かすことができないのが、その一年を象徴するトピックとの結びつきだ。2025年は『大阪・関西万博』をはじめ、国境など、さまざまな“壁”を越えた繋がりが日本全体のテーマとなった。その上で“個”を尊重する価値観が浸透し、ことアーティストの活動においても“その人らしさ”がクローズアップされる時代になった。2025年の『紅白』の一つの注目ポイントは、その多様な“個”をどう映し出すかではないだろうか。

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 今年2025年はNHKの放送100年という節目の年でもある。その記念イヤーを締めくくるにふさわしいアーティストは誰なのか。発表が待ち遠しい今、出場者を予想してみたい。

 それらの点でまず出場濃厚に思えるのが、個人的にはコブクロだ。『大阪・関西万博』のオフィシャルテーマソング「この地球の続きを」は万博ファンの心をガッチリとつかみ、令和のコブクロの代表曲に。万博会場に向かうOsaka Metro(大阪市高速電気軌道)の車内でも同曲が流れたが、万博閉幕直前には、乗客から「(BGMの)音量を上げてほしい」というリクエストが寄せられるほど、楽曲の訴求力が高まった(※1)。2025年を象徴する一曲とあって、コブクロの『紅白』出場は多くの国民が望むものだろう。

 多様な“壁”を超えて活躍した点で、ガールズグループ・XGの『紅白』出場にも期待したい。メンバーそれぞれの“個”を尊重し、活動の中でパーソナリティを伸ばしながら世界へ進出していく姿は、今の時代性を体現していると言っていい。同じく、ガールズグループのHANAも、プロデューサー・ちゃんみなが掲げたテーマ「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください。」のもと行われた『No No Girls』で結成され、メジャーデビュー曲「ROSE」も大ヒット。以降、若者はもちろんのこと、世代を超えて支持されている。XG、HANAともに「『紅白』で見たい」と思える新人グループだ。

 海外で高い評価を集めたことをきっかけに、日本でもブレイクを果たした点では、歌謡曲枠の歌心りえも外せない。韓国の歌番組でその圧倒的な歌唱力が話題となり、2025年、51歳にして日本でメジャーデビューを果たした。夢を掴んだ歌心は、『紅白』に出場することができれば一気に国民的歌手へ上り詰めることができるかもしれない。また、BiSH在籍時に『紅白』経験があるアイナ・ジ・エンドも「革命道中」がグローバルヒットを記録。アジアを中心に欧米でも楽曲が広がりを見せており、2025年のJ-POPシーンを代表するひとりとなった。ソロ転向後、初の『紅白』出場を射程に入れていると言えるだろう。

 もちろん、全英語詞のアルバム『Prema』で新たなステージへ向かった藤井 風、6年ぶりのワールドツアーを成功させ、同ツアーがグラミー賞を主催する米「レコーディングアカデミー」に「エポックメイキングな出来事」(※2)と絶賛された米津玄師も、間違いなく出場が待望されるアーティストといえる。

 “2025年の話題”という点では、2025年末をもって“コールドスリープ”(活動休止)に入るPerfumeも『紅白』が一旦の締めのステージとなるのではないだろうか。過去の出場時にはプロジェクションマッピングやVRディスプレイなどテクノロジーを駆使したパフォーマンスを展開しただけに、どんなサプライズ演出があるのか楽しみだ。昨年に続いてチャートを席巻したMrs. GREEN APPLEは、今年12月31日に“フェーズ2”完結を宣言。2026年1月1日より「フェーズ3」がスタートする。『紅白』の舞台でその締めくくりを飾るかもしれない。

 Netflixシリーズ『グラスハート』から誕生した、佐藤健、宮粼優、町田啓太、志尊淳によるバンド・TENBLANKも話題性が大きかったことを考えると、『紅白』出場は十分あり得る。Netflix発の劇中バンドが“放送フォーマット”の垣根を越えてNHKの『紅白』の舞台に立つ、というのも時流に合っている。またサカナクションは、今年2月リリースの「怪獣」がヒット。ストリーミング再生回数も2億回を超え、12年ぶりの『紅白』出場に期待したい。

 “初出場組”は、ガールズグループとしては前述したXG、HANAのほか、女性声優の降幡愛、大西亜玖璃、大熊和奏の3人によるユニット・AiScReamは、一部メディアで「『紅白』出場内定」が早々に報じられた。楽曲「愛♡スクリ~ム!」の台詞パートが大流行した今年、世界をも巻き込んだその話題性は、出場内定報道も納得の活躍だ。

 ボーイズグループでは、韓国1stミニアルバム『Back to Life』をリリースして韓国デビューを果たし、日韓ともにミリオン出荷を記録した&TEAM、今年6月リリースのアルバム『THE ORIGIN』が自己最高の初週売上を記録し、公演規模も国内グループトップクラスへ拡大しているINIの2組は外せない。また、〈ビジュいいじゃん〉のフレーズを起爆剤にヒットを生んだM!LKにも期待したいところ。ロックバンドでは、SUPER BEAVERの動向が気になる。〈誰しも脇役で 主人公〉というメッセージが多くのリスナーの胸を打った楽曲「主人公」は、まさに“個をより尊重する時代”のアンセムになったと言ってもいい。

 STARTO ENTERTAINMENT所属グループが『紅白』出場するか否かも注目を集めている。同事務所とエージェント契約を結ぶ嵐は2026年春に活動終了を予定しているとあって、最後の『紅白』出場を楽しみに待つファンは多いだろう。最新アルバムの初週売り上げがミリオンを突破したSnow Man、オーディションを経て新メンバーを迎えた新生timeleszらも、出場候補の筆頭と言える。

 女性グループは、果たしてどうだろうか。国民的なアイドルプロジェクトへ急成長を遂げたKAWAII LAB.からは、FRUITS ZIPPERの出場を予想したい。バラエティ番組など各メディアでも欠かすことはできず、今最も影響力のある女性アイドルとして『紅白』出場は確実という見方もある。同じくKAWAII LAB.のCANDY TUNEは「倍倍FIGHT!」もヒットを記録するなど、もしかするとKAWAII LAB.全グループが一堂に会する可能性もあるかもしれない。

 坂道グループからは、39thシングル『Same numbers』で実力の高さをあらためて証明した乃木坂46。メンバーの卒業が続いているが、グループの変革期をアピールするのには『紅白』はふさわしい場所である。櫻坂46も最新シングル『Unhappy birthday構文』がミリオンの売り上げを記録して来春にはMUFGスタジアム(国立競技場)での単独ライブを開催予定、日向坂46は新キャプテンのもとで新体制をスタートさせるなど、トピックに富んでいる。一方、同じ秋元康プロデュースグループで言うと、近年『紅白』からは少し遠ざかっているAKB48グループ。彼女たちは今年結成20周年の節目を迎えたこともあり、それが追い風にはならないだろうか。

 レジェンド/ベテランアーティスト枠で考えると、サザンオールスターズは今年、10年ぶりのオリジナルアルバム『THANK YOU SO MUCH』をリリースし、6年ぶりの全国アリーナ&5大ドームツアーも実現させた。精力的な音楽活動を送った1年のフィナーレの舞台に『紅白』はふさわしい。また、矢沢永吉は前回2012年の『紅白』出場がデビュー40周年イヤーだったことを思い出す。2025年はソロデビュー50周年を迎えたこともあり、13年ぶりの出場も現実味がある。

 また個人的に名前を挙げておきたいのが、シャンソン歌手のクミコだ。彼女は2025年で活動再開から25周年を迎え、楽曲の作詞を多く担当する松本隆も作詞活動55周年。“戦争”にも言及しながら歌い続けるクミコが、戦後80年でもある2025年の『紅白』のステージに立つ姿を見てみたい。歌謡曲という枠で言えば、昭和歌謡リバイバルに大きく貢献しているSHOW-WAやMATSURI、昨年『紅白』出場を果たした新浜レオン同様に“演歌第7世代”の二見颯一も、韓国のサバイバルオーディション番組『現役歌王JAPAN』に出演するなど話題に。有力と言えるだろう。

 2025年前期のNHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の関連企画にも期待したい。司会の今田美桜はヒロイン・朝田のぶを演じたこと、Mrs. GREEN APPLEのフロントマン・大森元貴が音楽家・いせたくや役で出演していることもあり、スペシャルステージが繰り広げられるのではないだろうか。同作主題歌「賜物」を歌ったRADWIMPSの6年ぶりの出場、また2025年後期の朝ドラ『ばけばけ』の主題歌「笑ったり転んだり」を歌うハンバート ハンバートも『紅白』初出場の可能性は大きい。

 年々、国内外で評価されるアーティストの出場が増えている『紅白』。新たな局面を迎える日本の音楽シーンを象徴する、『第76回紅白歌合戦』になるのではないだろうか。

※1:https://www.lmaga.jp/news/2025/10/974903/※2:https://realsound.jp/2025/05/post-2008047.html

(文=田辺ユウキ)