【国土交通省】「航空一本足」脱却に向け ANAがマイル経済圏を拡大
「航空一本足打法から脱却し、非航空事業に新しい収益の柱を打ち立てる」。アプリ事業を担う子会社の轟木一博社長はグループ戦略を強調する。
新アプリには、航空券予約や搭乗手続きのほか、ホテル予約、観光・飲食店情報の提供といった機能を集約。来年初めには新たなECモールを導入し、日用品や食料品、家電、衣料も取り扱う。将来的には保険や不動産など幅広い商材をアプリ上で展開し、日常的にマイルを貯めて使えるようにする。
国内ではこうしたポイント・決済サービスが乱立。利用者囲い込みの競争が激化し、消耗戦の様相も呈している。ANAHDが敢えてそこに挑む背景には、コロナ禍が突きつけた厳しい現実がある。
世界的な旅客需要激減でANAHDの2021年3月期連結決算は過去最大の4046億円の純損失を計上。航空事業だけに頼る危うさが露呈した。こうした状況から、同社は非航空事業収入を5年後に4千億円に倍増させる目標を掲げており、新アプリはそのエンジンとなる。
ANAのマイル会員は約3800万人。「陸マイラー」と呼ばれるファンも多い。芝田浩二社長は「関連事業のビジネスチャンスは3800万人まで広がる」と期待を込める。
ただ、10月にはカルチュア・コンビニエンス・クラブと三井住友フィナンシャルグループがポイント事業統合で基本合意。会員数は単純合算で1億2200万人となるなど、ポイント経済圏の合従連衡も進んでいる。ANAは「他のサービスと遜色のない機能」(轟木氏)をうたうが、具体的なサービス拡充はこれからだ。
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