50代から知っておきたい年金の受け取り方。夫が死んだら妻はいくら受け取れる?
高齢化社会の今、気になるのが老後の資金。年金はその要となるので、正しい知識を持っておきたいものです。
50代から知っておきたい年金制度のあれこれ
ここでは、遺族年金や受給のタイミング、付加年金などの制度について、お答えします!

Q:夫が死亡したら年金はどうなるの?
A:遺族年金を受け取れます
厚生年金に加入中の夫や、加入歴がある夫が亡くなった場合、妻に遺族厚生年金が支給されます。さらに18歳未満の子どもがいる場合、遺族基礎年金も支給※。会社員の夫が亡くなった場合は、遺族年金が2種類ありますが、問題は自営業の夫が亡くなった場合。遺族基礎年金の受給要件は「子のある配偶者」なので、18歳未満の子どもがいない妻には支給されません。また、子どもが18歳以上になると支給が停止します。
※国民年金または厚生年金の加入者だった人が亡くなった場合に、遺族基礎年金、遺族厚生年金が支給されるのは老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上であることが要件。
<妻が受け取れる遺族年金>

・遺族基礎年金
夫の死亡時に18歳未満の子どもがいる場合、妻に77万7800円+子の加算(1人あたり22万3800円、3人目から7万4600円)を支給。子どもが18歳になると支給停止。
・寡婦年金
保険料納付ずみ期間+保険料免除期間が10年以上ある自営業の夫が、年金を受け取らずに死亡した場合、妻が60〜64歳の間に受給。婚姻期間が10年以上あること。遺族基礎年金、死亡一時金との併給は不可。妻が老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合は受給不可。年金額の目安は夫の老齢基礎年金×3/4。
・死亡一時金
3年以上、保険料納付ずみ期間がある自営業の夫が、年金を受け取らずに死亡した場合に受給。保険料納付ずみ期間によって12万〜32万円。遺族基礎年金との併給は不可。
・遺族厚生年金
会社員の夫や、老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある元会社員の夫が死亡した場合に受給。年金額の目安は夫の老齢厚生年金×3/4。会社員の夫の場合、被保険者期間が300月未満のときは300月として老齢厚生年金を計算。
・中高齢寡婦加算
会社員や元会社員の夫の死亡時に40〜64歳の子どもがいない妻に支給。夫が元会社員の場合は被保険者期間が20年以上必要。遺族基礎年金との併給は不可。年金額58万3400円。

子どもが18歳になるまでは遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給され、その後、64歳まで中高齢寡婦加算58万3400円(年額)が支給。65歳以降は、遺族厚生年金と自分の老齢基礎年金を受給することに。会社員の夫が死亡した場合は、生涯2種類の年金が受給できます。
自営業は国民年金のみ加入なので、遺族年金の給付も国民年金のみ。子どもが18歳になるまでは遺族基礎年金が支給されますが、18歳以降は、妻が60歳になり寡婦年金が支給されるまでは、なんの給付もない空白期間に。65歳からは自分の老齢基礎年金を受給。
Q:繰り下げってどうやってするの?
A:受給開始したい年齢までほったらかしでOK

65歳の誕生日前に、日本年金機構から年金請求書が送られてきます。「老齢厚生年金」「老齢基礎年金」ともに繰り下げ受給を希望する場合は、年金請求書を返送しないで放置。どちらかだけを繰り下げる場合は、繰り下げる方に〇をつけて返送します。その後、受給開始を希望するときまで、ほったらかしにしておけば、繰り下げた年金が自動的に増えていきます。
Q:繰り上げってどうやってするの?
A:60歳以降、受給したいタイミングで手続きを
希望すれば、60〜65歳の間に年金を繰り上げて受給することができます。ただし、いったん繰り上げ受給をしたら取り消すことはできないので、減額した年金を一生受け取ることになります。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、どちらかだけを繰り上げることはできないので、両方を繰り上げることに。手続きは年金事務所で。事前に電話で予約するのがおすすめ。
Q:今からでも老齢基礎年金を満額に近づけることはできますか?
A:60〜65歳に国民年金に任意加入する方法があります

国民年金保険料を40年間納付した場合は、老齢基礎年金を満額受給できますが、未納や未加入などがあると年金額が減ります。その場合は、60〜65歳に国民年金に任意加入して年金額を増やす方法があります。1か月分の保険料を納付すると年額で約1600円増額。1か月分の元を取るのに約10年かかりますが、75歳よりも長生きした場合はおトクです。
Q:自営業で年金を簡単に増やすには?
A:「付加年金」なら2年で元が取れます

国民年金のみ加入の場合、国民年金保険料にプラスして月々400円を納付すると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。上乗せの分の年金額は、200円×保険料納付月数。2年間受給すれば、払った保険料の元が取れます。老齢基礎年金を繰り下げ(または繰り上げ)した場合、上乗せ分も増額(または減額)します。国民年金基金に加入している人は、付加年金に加入できません。
老後の年金を受け取る際は、国民年金は「老齢基礎年金」、厚生年金は「老齢厚生年金」といいます。
