Sony Walkman NW-WM1ZM2 / NW-WM1AM2

ソニーウォークマンの最高峰モデルNW-WM1シリーズを5年ぶりに刷新しました。

新製品は無酸素銅+金メッキ筐体など、音質のためこだわりを尽くした最上位モデルNW-WM1ZM2が市場想定価格 税込約40万円。アルミ筐体で一部の内部素材やストレージ容量が異なるNW-WM1AM2が約16万円。

ソニー ウォークマン WM1シリーズ NW-WM1ZM2(Amazon)ソニー ウォークマン WM1シリーズ NW-WM1AM2(Amazon)

純度99.99%の無酸素銅を削り出した筐体からオーディオ専用に開発した大型コンデンサ、音を聴いて金の添加量を調整したという「高音質はんだ」まで、パーツやアナログ部分の高音質化と同時に、新たに11.2MHz相当までのDSDリマスタリング対応、CD相当のFlacロスレス音源も機械学習処理で最大192kHz / 32bit相当にアップスケーリングするDSEE Ultimateなどソフトウェア部分も進化しました。

さらにAndroid 11採用で各社ストリーミング配信アプリ対応、WM-Portを廃したUSB-C接続で転送・充電速度向上、形式により前モデルより最大10時間長い再生時間など、2022年のフラッグシップにふさわしい利便性の向上も大きな特徴です。

従来モデルのウォークマン NW-WM1Z / NW-WM1A は、ソニーが2016年に発表した最高峰パーソナルオーディオ製品 Signature Series のひとつ。既存のフラッグシップであるZXシリーズの新機種ではなく、最上位のさらに上のクラスを新たに設ける製品でした。

4.4mm径バランス接続対応や、DSD 11.2MHzネイティブ再生に対応した新設計S-Master HXフルデジタルアンプといったオーディオ愛好家向け仕様に加えて、あくまで音質のため採用したという無酸素銅切削筐体など酔狂にも思えるパーツ構成と30万円台 (WM1Z) という価格でも話題を集めました。

NW-WM1AM2

今回の新製品はその Signature Series 最高峰ウォークマンを5年ぶりに刷新するモデル。Signature Series は各カテゴリーで1機種の扱いになったため、兄弟機の WM1ZM2 / WM1AM2のうち、厳密には金色の『Z』のみがSignature Seriesです。

素材やパーツ構成、設計による高音質化のさらなる追求と同時に、WM-PortからUSB-Cへ、LinuxベースからGoogle Play対応のAndroid 11採用で各社ストリーミング音楽サービス対応など、機能や利便性の面でも大きく進化しました。

純度99.99%「無酸素銅のトロ」採用

前モデルWM1Zの象徴だった金色でずしりと重い筐体は、WM1ZM2では素材である無酸素銅の純度が99.96%から99.99%になりました。筐体素材のコンマゼロ以下の高純度化による音質改善はサイエンスと怪力乱神の境界線にあるような気もしますが、ソニーによればあくまで音を聴き比べた結果の選択。無酸素銅による高剛性と大幅な抵抗値の低減により、「伸びのある澄んだ高音、クリアで力強い低音域」「空気感・余韻の表現力アップ」を実現したとしています。

アルミ切削ボディのWM1AM2 (想定 約16万円のほう)は、前モデルWM1Aでは樹脂製+コルソン銅合金の二分割だった背面カバーが一体型のアルミカバーへ。こちらは高剛性化により「伸びのある透明感を実現」との説明です。

WM1ZM2のシャーシ、メイン基板、シールド、背面カバー。横倒しのでかい足つきコンデンサに注目

何かの冗談のようにも聞こえる99.99%無酸素銅以外にも、突き詰めた高音質化パーツを随所に採用します。音への影響が想像しやすいアナログ部分・オーディオブロックの電源となるバイパスコンデンサは、ソニーがオーディオのために独自開発したFTCAP3を採用。コンデンサの内部構造をチューニングして、振動による影響を低減しています。

開発者によれば「音を決めるうえでとても重要」であるはんだも、金を添加した「高音質はんだ」。手付け部分だけでなく、リフローはんだもこの高音質はんだを採用しています。

金に糸目をつけない方ことWM1ZM2(想定 約40万円)だけのパーツとしては、バランス出力端子につながる部分の内部ケーブルに、大型ヘッドホンと同等の4軸編み込み構造キンバーケーブルを採用。基板を見ると、内部配線とは思えないゴツい大口径ケーブルが強烈な印象です。

画面と筐体自体がやや大きくなったことで、重さは初代WM1Zの455gから、WM1ZM2で490gに到達。とはいえ主に大型の高級ヘッドホンで聴くことを想定したオーディオ機器なので、頑丈で重いほうが良いものという世界ではあります。アルミのWM1AM2は初代の267gから299gへ。

DSDリマスタリング対応、DSEE Ultimateはアプリ不問

信号処理やソフトウェア部分の高音質化では、新たにDSDリマスタリングに対応したこと、アップスケーリング技術の DSEE HXが「DSEE Ultimate」に進化した点が大きなトピック。

PCM音源を独自アルゴリズムでDSD信号に変換するDSDリマスタリングエンジンは、同じ Signature Series に属する約100万円の据え置きプレーヤー DMP-Z1 で採用された機能。DMP-Z1では5.6MHz相当まででしたが、ウォークマン WM1ZM2 / WM1AM2 では11.2MHz相当のDSD信号に変換できます。(純正プレーヤーの『W.music』アプリ再生時、有線接続時のみ。)

DSEEは安価なプレーヤーやスマホなどソニー製品でおなじみのデジタルオーディオアップスケーリング技術。低ビットレートMP3などの圧縮音源でもハイレゾ相当で聴けるというあれです。登場以来改良を重ね、販売中の下位製品 NW-ZXシリーズやAシリーズでも、膨大な楽曲データを学習したAIでリアルタイムに音源を分析し 192kHz / 32bit相当まで拡張する「DSEE Ultimate」にまで進化しています。

WM1ZM2 / WM1AM2 では「DSEE Ultimate」をさらに改良。CD相当のロスレスコーデック (Flac 44.1kHz / 48kHz)からのアップスケーリング性能が向上したほか、W.musicだけでなく各社の音楽ストリーミング配信アプリでも、無線でもDSEE Ultimateを有効にできます (Bluetooth無線ではLDACで 96kHz / 24bit まで)。

聴き放題の音楽ストリーミングサービスが普及しロスレス配信も当たり前になったいま、アプリを問わず有効にできる高精度なアップスケーリングは魅力です。

フルデジタルアンプS-Master HXは、初代WM1で再設計されたCXD3778GFを引き続き採用します。

NW-WM1AM2

Google Play 対応、5インチHD画面に大型化

機能や使い勝手の面で最大の変化は、Linuxベースの独自UIから Android 11になり、Google Playで好みのアプリを導入して使えるようになったこと。

初代のWM1Z / WM1Aはアプリも含めて専用機の使い方でしたが、新製品の WM1ZM2 / WM1AM2 ではApple Music、Amazon Music、Spotify、Deezer など好みのアプリ / サービスを高音質で聴けるようになりました。802.11 a/b/g/n/ac Wi-Fi でストリーミングにも対応します。

汎用のアプリを使うため、ディスプレイは初代の4インチ854 x 480から、5インチ1280 x 720へ。昨今のスマホと比べれば大画面でも高精細でもなく最低限ではありますが、その気になれば音楽アプリに限らず動画サービスも語学アプリも利用可能です。

(ただしGPSは載せていないため、位置情報アプリなどは使えません。またSoC的にも、処理が重いゲームなど最近の高性能スマホを前提としたアプリを快適に動かす用途には向きません)

USB-C化ですっきりした底面

そのほか主な仕様や機能は、

バッテリー駆動時間が最大約10時間程度向上。Flac 96kHz / 24bit で前モデル30時間だったのが40時間など。ただしDSD 11.2Mhz / 1bitではステレオミニ端子で約15時間(ステレオミニ出力)など形式により異なります。

バッテリー充電時間も短縮。満充電まで4.5時間、3時間で80%。初代は6時間で80%。

USB-C端子はUSB3.2 Gen1準拠

Bluetoothの送信コーデックはSBC, LDAC, aptX, aptX HDに加えてAAC対応

ストレージは内蔵+microSD。内蔵ストレージは WM1ZM2が256GB (空き約215GB) / WM1AM2が128GB (空き約103GB)。

ウォークマンNW-WM1ZM2 / NW-WM1AM2 は3月25日発売予定。最高峰を謳うだけあって、市場想定価格は税込みでWM1ZM2が約40万円、WM1AM2が約16万円と貫禄のあるお値段です。

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NW-WM1ZM2

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