2021年の幕開けで為替相場はどうなる? 外為オンライン佐藤正和氏
●ドル円・・1ドル=102円−105円
●ユーロ円・・1ユーロ=125円−128円50銭
●ユーロドル・・1ユーロ=1.2050ドル−1.2300ドル
●ポンド円・・1ポンド=134円−149円
●豪ドル円・・1豪ドル=76円50銭−79円50銭
現在の為替市場というのは、「リスクオン=ドル売り、リスクオフ=ドル買い」となっており、普段とは逆のメカニズムが定着しつつあります。全体的にみて、「緩やかなドル安」相場が続くとみて良いでしょう。
クリスマス休暇中に入っている欧米の相場では、ほとんど投資家が不在になるためにボラティリティー(変動幅)の大きな相場となり、荒れることが多い時期になります。
加えて、今年は12月31日に英国がEUとの離脱交渉の最終期限を迎えます。すでに市場は織り込み済みの部分はありますが、合意なきEU離脱が決まった段階で英国ポンドは売られ、その影響を受けて米ドルが買われます。さらに、その反動で日本円が買われて円高が進むといった構図が見られます。
フラッシュ・クラッシュと言われる市場価格の瞬間的な変動に、今年も注意が必要です。ただ、今年は1月1日が金曜日のため、世界的に年明けの取引は1月4日になるため、日本だけがクローズしているという事態にはなりません。言い換えれば、1月4日の初取引では注意が必要かもしれません。
念のため、ポジションをクローズしたり、縮小するなどの準備をしておいた方がいいと思います。
――最後に、2021年全体の見通しについて考えをお聞かせください。
やはり、新型コロナウイルス感染拡大の行方次第ではないでしょうか。ワクチン接種によって、感染者数が減少に転ずることが確認できるのか。ワクチンが効果的であることが証明されれば、2021年後半にも経済は復興していく可能性があると思います。
パンデミックの状況がおさまってくれば、米国国債の長期金利が1.0%を超えてくる局面も予想されます。為替相場や株式市場に大きな動きが出てくる可能性があります。
また、2020年との大きな違いは、Twitterひとつで世界中を振り回してきたトランプ米大統領という「不確定要因」がひとつ消えることで、市場はある程度、落ち着きを取り戻す可能性が高いと思います。バイデン政権への期待は高いと思います。
2021年で注目したいもののひとつとしては、米国の新しい財務長官に前FRB(連邦準備制度理事会)議長のイエレン氏が就任する可能性が高いことです。これだけのキャリアと実績を持った財務長官は初めてで、財政健全化などを含めた「ドル政策」に注目が集まります。
日本では、菅政権の支持率が急落するなど短期政権の可能性も指摘されており、政治の面では21年も不透明と言えます。
こうしたことを総合的に考えると、2021年のドル円相場の予想レンジとしては、円高方向では「1ドル=97円」程度、円安方向では「1ドル=112円」ぐらいまでが想定される範囲と言って良いでしょう。(文責:モーニングスター編集部)。
