4年に1度のラグビーワールドカップ日本大会が開幕。過去最多の優勝回数3回を誇る「オールブラックス」ことニュージーランド代表は、今大会を制すれば前人未踏の3連覇となる。その鍵を握るのは、2016年、2017年に世界最優秀選手に2度輝いたSO(スタンドオフ)/FB(フルバック)のボーデン・バレット選手だ。


日本の印象について語ったニュージーランド代表のボーデン・バレット

───バレット選手は何度か日本に来られたことがありますね。

そうですね。去年も来ましたし、これで4回目になります。いつも楽しみにしているんですよ。日本の景色が好きなんです。ニュージーランドとも他の国とも違いますよね。それになんて言っても食べ物ですね。とんこつラーメンが大好きで、今回も日本に来てすぐに食べに行ってしまいました(苦笑)。日本食は大好きなので、今日はランチで寿司を食べました。

───温泉も楽しんだとか。

はい。ハードなトレーニングの後に温泉に入ると、すごく疲れが取れます。だからホテルに温泉があれば毎回入っていますね。

───今回、アディダスとの「#CreatorsUnite」プロジェクトで、日本のアーティストによって、ご自身がアート作品になりました。

すばらしいことですよね! 僕自身もすごく楽しめましたし、芸術作品なので、何十年、もしかしたら何百年もあとまで残るかもしれない、とワクワクしました。正直いうと、普段はアートに触れることはあまりないんですけど、逆に言えばアートが好きで僕らを知らない人たちが知ってくれる機会になるんじゃないかと考えたので、すごく有意義なプロジェクトだなと思います。

───今回ワールドカップで着用するオールブラックスのジャージも、ヨウジヤマモトさんのデザインですね。

すごく気に入っています! シルバーファーン(銀シダ)は、僕たちニュージーランドの人にとって大切なシンボルだし、いわば僕たち自身を表すものだと考えています。今回のジャージはそこに日本のエッセンスも加わっていますよね。

───やはりハカもマオリの文化ですか。

もちろんです。オールブラックスにとっても大事な文化です。すでに何度も経験していますので、ハカを踊ること自体はそんなに難しくない。だけど、チームのメンバーが一丸となって、家族や国を背負う覚悟を見せるものです。グッとモチベーションが上がりますね。


木梨憲武さんが手がけたアート。ボーデン・バレット選手のプレースキックのシーンをダイナミックに表現している

───ご家族といえば、今回は弟のスコット選手とジョーディー選手も一緒にオールブラックスのメンバーとして来日しました。バレット選手が育ったところはどんなところなんでしょうか。

僕が育ったタラナキという町は、東京のような都会に住んでいる人からすれば想像もつかないようなところだと思います。空が高くて、広い道路が横たわっていて、その脇には農場が広がっていて、あちらこちらに牧草が積んであって……何にもないんです。学校へ行くにもどこへ行くにも走っていました。いつでも裸足で走り回っていました。

ただボール遊びをするのには十分な広さがあって、それにたくさんの兄弟、従兄弟たちもいたので、僕たち兄弟は、子供の頃はそんな毎日を過ごしていて、それで自然とラグビーに必要な脚力だったり、体だったりが身についたんじゃないかと思っています。だから、ラグビー選手の僕らとしてはタラナキで生まれ育ったことは、非常に恵まれていた環境で幸せだと思っています。

───ご両親はどんな方なのでしょうか?

2人ともとても愛情深く僕ら兄弟を育ててくれていたと思います。父はいつも笑顔で冗談が好きな明るい人です。母もとてもおおらかというか、僕らの意思を受け入れてくれて、そして誰よりも見守って応援してくれています。今回も日本まで見に来てくれます。きっとスタジアムで熱く声援を送っている僕の家族の姿を、皆さんもどこかで見かけるかもしれないですね。

───そんなバレット選手のワールドカップでの活躍を期待しています。最後に日

本や世界のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
来日するたびに、温かいサポートを感じています。日本でワールドカップを戦えることをうれしく思っています。最高のオールブラックスのラグビーを皆さんの前で披露することができるよう頑張りたいと思うので、是非、応援してください!

【プロフィール】
ボーデン・バレット
1991年生まれ。2016年、2017年の2年連続ワールドラグビー最優秀選手賞に輝いたオールブラックスの司令塔。ゲームコントロールだけでなく、ランとキックのスキルにも長けており、トライを取る能力も高い。5兄弟と3姉妹の大家族で、LOスコット、万能BKのジョーディーとともに今回のワールドカップに出場する。