「君しかいない」は嘘だったの?付き合った後に立場逆転されてしまう女の特徴
どうしていつもうまく行かないのだろう。
気がつけばアラサーにもなり、恋愛ならいくつも重ねてきたはずなのに…。
なぜかいつも男に振り回される。逃げられる。消耗させられる。幸せとは程遠いダメ恋を繰り返してしまう。
一体、何がいけなかったのか。どこで間違えてしまったのか。この連載では、自身のダメ恋を報告してくれる女性の具体例を基に、その原因を探っていく。
これまで浮気を許した女、プロポーズされない女、長文LINE女、自称・イケてる美女、日陰の女、捨て犬系女、結婚が破談になった女を紹介した。さて、今週は?

【今週のダメ恋報告者】
名前:浅井未央(仮名)
年齢:31歳
職業:外資系ホテル勤務
住居:恵比寿
ダメ恋報告No.8:「最初は彼のほうが一生懸命だったはずなのに…」
「彼は私のことなんか、もうどうでもいいんだと思います」
心地よい風の吹く初夏の宵。
『MERCER CAFÉ DANRO』のテラス席で、今回の報告者・浅井未央は投げやりに呟いた。
幼い顔立ちで、可愛らしい雰囲気の未央。しかしどうにも疲れているように見えるのは、ホテル勤務の早番を終えた後だから…だけではなさそうである。
「彼…一樹とは付き合って2年になります。フリーカメラマンの彼が私の勤めるホテルに撮影に来て、その際にアテンドしたのがきっかけで」
だが最初、未央は一樹に興味を抱かなかったという。
「私が好きなのは犬顔なんです。わかります?犬顔。そうですね、芸能人でいうなら山崎賢人みたいな感じ。でも一樹はぜんぜん犬顔じゃなくて…なんていうかゴリラ系?(笑)とにかく、外見が全然好みじゃないんです」
にも関わらず交際にまで発展したのは、一樹がそれはもう熱心に、一途に未央を口説いたから。
「俺には未央ちゃんしかいないんだ!とか、ただ傍にいてくれるだけで幸せなんだ、とか。聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらいでした。それなのに今じゃ…」
最初は未央が優位だったはず。それなのに立場逆転してしまった理由とは…?
2歳年上の一樹は、出会った当時31歳。当初から結婚に前向きだった。
「彼、品川で割と広めのマンションに住んでて。一緒に暮らさないかって誘われたり、はっきりプロポーズされたわけじゃないですが結婚したいと思ってる、と言われていました」
ただし当初は未央の方がまったくその気になれなかったのだ。
「私も当時29歳で、結婚願望がなかったわけではないんです。たださっきもお話したように、私は一樹の見た目がどうしてもしっくり来てなくて。生理的に受け付けないとかじゃないんですけど、結婚となると躊躇してしまって」
ところが、予想外の出来事が起こった。
付き合い始めて半年が経とうという頃、デートで六本木ヒルズを歩いていたら、ある女性が一樹に声をかけてきたのだ。
「私がいることわかっているのに、一樹!って呼び捨てにしたりして。最初から嫌な感じだったの。最後は、私のことを上から下まで品定めするように見た後、一樹にまたね、とか言って去っていったわ」
未央にとって不愉快でしかなかったこの出来事が、しかし一方で別の感情を呼び起こした。
「その人、一樹の元カノだったんです。これまで散々、俺には未央しかいないとかなんとか言ってたくせに元カノと話してる時の彼、満更でもない顔してて。それがなんだかすごく腹立たしくって…で、そしたら同時に、独占欲みたいなのが湧いてきたんですよね」
元カノが去った後、未央は遠慮することなく一樹に仏頂面を向けた。すると彼は慌てふためき、そのあと延々と彼女の機嫌取りに終始した。
「元カノと仲良くする必要とかある?」
「もう絶対に連絡とらないで」
未央が唇を尖らせて訴えると、一樹はどこか嬉しそうなそぶりまで見せて「わかったから。ごめん」と何度も謝ってくれた。
そう、一樹はいつだって未央の言いなりだった。未央にとって一樹は、いつだって自分を気持ちよくさせる存在だったのだ。
この時までは。

一度表に放出した独占欲は日ごとに膨れ上がっていく。そしてそれは次第に“依存”へと形を変えていった。
「友達からはやりすぎじゃない?って言われるくらい束縛したかもしれないです。例えば…?そうですね、会わない日は必ずどこで何をしてるか写真付きで報告させたりとか。でも私がヤキモチを焼くと嬉しそうだったし、全然嫌がる様子とかはなかったんですよ」
一樹は嫌がっていなかった。未央はそれに関して自信があるようで「本当ですよ」と強調した。
−未央、俺のこと本当に大好きだね−
未央が束縛癖を発揮するたび、一樹は呆れ笑いでそんなことを言っていたらしい。
「別に、そんなんじゃないし」などと口では否定してみるものの、実際のところその通りだった。
最初は「顔がちょっと」とか「好みじゃない」とか言っていた未央だったのに、気づいた時には逆に彼女の方が一樹にハマっていたのだ。
ハッと気がついたときにはもう遅かった。
時の経過とともに、次第に彼の態度が変わっていってしまったのだ。
気づいた時には完全に自分がハマっていた。しかしそうなると“狩猟タイプ”は逃げていく
狩猟タイプの男は、追う必要がなくなると逃げていく
「付き合って1年が経つ頃には、なんか私ばっかりが必死じゃない?って感じるようになっていました。1年記念日に食事しようって誘ったのも私。しかも約束したのに一樹ってば直前までレストランの予約をしないから、結局アニバーサリーっぽいお店は軒並み満席になっちゃって…」
完全に二人のバランスが崩れている。そのことを痛感した未央は、いよいよ焦りを抱くようになった。
「品川とか職場まで遠くなるし当初は断ってたけど、そろそろ一緒に住んでもいいかなって。でもそのことを私から言い出した途端、今度は一樹の方が微妙な反応をしたんです」
もう間もなく更新の時期で引っ越すかもしれないからとかなんとか言い訳をし、結論として一樹は未央と一緒に暮らすことを避けたのだ。
「もうすぐ付き合いも2年になるし、そろそろ結婚のこと考えようかって尋ねた時もそうでした。今は仕事がちょっとバタついててとかなんとか…言い訳ばっかり!」
当時のことを思い出したらしく、未央は語気を強めて言い放った。
「そもそも同棲のことも結婚のことも、最初に言い出したのは一樹の方。“俺には未央しかいない”んじゃなかったの!?」

もはや気のせいなんかではない。一樹の未央に対する態度の変化は目に見える形で現れていた。
「最近じゃ、週末どちらか会えたらいい方。平日の夜なんか、私がLINEを送ってもなかなか既読にならない。何時間も経った後にようやく既読になって、さらに返信が届くのは翌日とかもざらにあります」
はぁぁぁと大きなため息をつき、未央は残っていた白ワインを飲み干した。
「…私、いつもこうなんです。最初は相手の方が必死に口説いてくるパターンで始まるのに、気がついたら立場逆転しちゃう。未央しかいない、未央だけだってあんなに言ってたくせに…もういい加減、男性不信になりそうです」
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