ナポリの新監督は元銀行員…異色キャリアの苦労人が初のビッグクラブ指揮へ
セリエAは6月半ばの現在、まだ大きなメルカートの動きはない。しかし各チームの監督はほとんどが決まってきた。フィオレンティーナはヴィンチェンツォ・モンテッラ監督を電撃解任し、バーゼルを指揮していたパウロ・ソウザを21日に迎え入れた。そしてナポリがラフェエル・ベニテス前監督の後に指名したのが、元エンポリのマウリツィオ・サッリ監督だった。56歳のサッリ監督とはどんな人物なのか。そのキャリアはちょっと異色だった。
セミアマ、セリエC2、C1で数々のチームを率いた後、2006年からセリエBのペスカーラやアレッツォの監督となった。地味だがじわじわとその能力を開花させ、ステップアップしていった。3年間、監督を務めたエンポリをセリエAに安定させたのも同監督だった。今年に入って、不調だったミランの監督候補に名前が挙がったこともあった。
「参考にしているのはアリゴ・サッキのサッカー」と稀代の名将がお手本だ。基本のフォーメーションは4−3−3だが、エンポリではミルコ・ヴァルディフィオーリをレジスタにした中盤4人をひし形に配置するロンボ(イタリア語でヒラメの意味)の布陣へと、ゆるやかに移行させた。そのナポリはベニテス時代の4−2−3−1から、ゴンサロ・イグアインとマノロ・ガッビアディーニを2トップとし、マレク・ハムシクをトップ下にした4−3−1−2のフォーメーションになりそうだ。サッリは“愛弟子”ヴァルディフィオーリを早速ナポリに引き入れている。
アウレリオ・デ・ラウレンティス会長がサッリ監督に目をつけたのは、皮肉にも今年4月末のセリエA第33節のエンポリ対ナポリだった。この試合でナポリは格下のエンポリに1−4という大敗を喫する。同会長の中でベニテス前監督への失望が決定的となる転機となったゲームだった。ちなみに昨年12月の第14節でもエンポリはナポリとドローで勝ち点1をものにした。
ナポリとの契約は2016年6月末までの1年間で、成績によっては2年目への延長もあるという。推定年俸は120万ユーロ(約1億6800万円)となっている。イグアインやハムシクなど個性の強い選手が多いナポリで、どのようにチームをまとめていくか。そのお手並み拝見といった初のビッグクラブでの一年目になるだろう。

