1カ月40ネタ採用!伝説のハガキ職人がおしえる「究極の採用される投稿術」
「ハガキ職人」という存在をご存じだろうか?
ラジオや雑誌のコーナーにネタを投稿し、数多くの採用をされている常連投稿者たちを指す言葉だ。インターネットが普及する以前は、ハガキにネタを書いて送っていたことから、メールでの投稿が主流になったいまなお、そう呼ばれている。
そんなハガキ職人の世界で、ひときわ多くのネタを読まれている男がいる。ラジオネーム「すり身」氏である。投稿先は25個ほど。バカリズム、ジャルジャルなどのラジオから、プレイボーイ、SPAといった雑誌まで投稿先は幅広い。
NHK「ケータイ大喜利」の最高位であるレジェンドの座につき、各種媒体で1か月約40〜50ネタ採用されるという驚異的な職人だ。
コンスタントに結果を残しつづける彼に、ネタ採用のポイントを尋ねた。「数多くの投稿から選抜される」という点において、就職活動の書類審査とハガキ投稿はちょっとだけ共通点があるかもしれない。
●「投稿先は25番組、1週間175投稿ペースだね」
-まずはすり身さんの投稿歴や投稿ペースをお聞きしたいのですが。
すり身:2006年にNHKの「ケータイ大喜利」がレギュラー放送になった時に、送り始めたのが最初で、そこからじょじょに送り先が増えていって、いまでは、1日25投稿、1週間175投稿ペース。投稿先は全部暗記してます。
-1週間175投稿!どれぐらい時間かかるんですか?
すり身:ばばっと出るときは1日1時間で終るんやけど、なかなか出てこないときは4時間ぐらいかかるなあ。移動中とか仕事中、常にネタを考えてる。スーパーのバイトをしながらネタを考えて、休憩時間に送ったりしてる。
バラエティー番組だったりニコ生など見ながらも、合間合間で投稿してます。
▲おもにMVPを取ったときに貰える芸人さんのサイン。「120枚ぐらいあったけど、だいぶあげちゃっていまは70枚ぐらい」だそうだ。
●モチベーション維持の方法は「85%の力加減でやること」
-そもそも投稿のモチベーションはなんですか?
すり身:モチベーションの源泉はベタなんやけど、不特定多数の人を笑わせたり影響あたえたいって気持ちやね。年間いくつ採用という目標への達成感もあるし。投稿を通じて、知り合いが増えたのも大きいね。
-どうやってそのモチベーションを維持してるんですか?実益があるわけではないので、ともすればやる気がなくなってしまいそうかなと。
すり身:常に85%の力加減でやる。100%だと反動で嫌になってまいそう。まだ出したい番組はあるけど、キャパを超えると疲れちゃうから無理はしないで、まだまだ俺はやれるぞって気持ちで抑えておく。
ハガキ職人で日本一になりたいけど、面白さでは一番にはなれないから、投稿数とか投稿の好きさで1位になれればいいと。65歳になって、まだ投稿やってたらめっちゃ面白いなって。いまは年齢的に(現在35歳)まだ中途半端やから、ずっとやっていかないと。
●採用のコツは「1個でも多くネタを送ることやね」
-コンスタントに1か月40〜50ネタ採用され続けるって尋常じゃないですが、採用されやすくなるポイントってあるんですか?
すり身:1個でも多くネタを送ることやね。採用数が増えたのは、単純に出すところと投稿数が増えたときからやし。界隈の人からの情報やツイッターとかで送れる先がないか常に調べてます。
-細かいテクニックとかではなく、送って送って送りまくることが一番重要なんですね。
すり身:せやね。投稿数が限られているものはネタを練るけど、いくらでもOKならポンポン送る。ただ受け手側に「コイツ数多いだけやん」と思われるのはよくないのである程度のクオリティは守るけどね。あと文言をちょっと変えたい場合は、もう一回ニュアンスを変えて送る。
あとはもう細かいことは気にしないでポンポン送る。
あと、どうしても長文ネタになりがちなコーナーは送らない。考えてる人は1つのネタに何時間も考えて送るから、そこは諦めてます。
●無駄打ちを少なくするため「NGラインを見極める」
-とはいえ、なにかテクニック的に採用されやすくなるポイントはないんでしょうか?
すり身:番組ごとのNGラインを見極めることが重要やね。たとえばNHKのケータイ大喜利なら下ネタはもちろんのこと、固有の商品名が入ったネタもダメ。無駄打ちをなくすことが大事やね。
-あ〜、そうか、商品名いれてたらどんなに面白くても絶対読まれませんね
すり身:ものにもよるけど、雑誌の場合、商品名をディスったり、芸能人をディスったりするネタは、上から「やめといたほうがいいんじゃない」って圧力かかって掲載されずらいパターンもあるからね。ラジオのほうがその辺、ユルいんやけど。
下ネタ、毒舌、ぶっとんだネタとか視点をズラしてあとはお気に入りのものをどうぞという姿勢でいろんなネタを送るように気をつけてるわ。
-1つの路線にこだわらないんですね。
すり身:そやね。放送作家が変わったりとかでも採用数がガツンと変わるし、採用のキーマンは意外と1人か2人で、その人との相性が重要だったりするから、いろいろ試してみるのがええと思います。
●ときには奇策を弄せ!「自信あるのはハガキで送る」
-めげずに送りまくるのが重要というのは、とても正攻法ですね。
すり身:とはいえ、とくに自信があるネタはあえてハガキで送ったりもするなあ。住所とか書くのがめんどいけど「こいつハガキで来てるやん!」ってパーソナリティーの目を引くことができるし、それ自体がネタにもなるから。
たまにはそういう手も使ってます。
●著者プロフィール
松澤茂信。1982年7月生。週末はもっぱら珍スポ巡りと大喜利に明け暮れております。病的に珍スポが好き。珍スポを経営してる珍オーナーも好き、大好き。東京別視点ガイド編集長。
