バーゲン後ろ倒し3年目の夏 その効果は?

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 ルミネと三越伊勢丹の全店で今週、夏のバーゲンセールがスタートした。商業形態の異なる両社だが、2012年夏からセール開催時期の適正化を推進しており、今季で3年目。共に「取り組みが浸透してきた」といい、売り上げにも顧客やアパレル企業からの理解が表れてきているようだ。

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 国内で行われる夏のセールは、秋物に商品が入れ替わる7月中旬〜下旬が一般的だったが、長期にわたる景気低迷で近年は開始時期が早期化。「ニーズが高まる時期に色やサイズが欠品する」「正価(プロパー)での販売期間が短くなることで価格不信が起こる」「セールの常態化に伴う商品品質や接客レベルの低下」のような問題点が考えられるとして、東日本大震災以降マーケットの仕組みが変化する中、ルミネや三越伊勢丹は2012年からそれぞれ率先して開始時期を10日〜2週間程度繰り下げた。百貨店では附随する企業もあったが、売り上げが伸び悩むなどの理由から翌年冬以降からほとんどが例年通りのスケジュールに戻し、取り組みを継続する2社と他企業店舗でセールの分散化が生じている。

 今年は、三越伊勢丹が16日からクリアランスセールを実施。初日は基幹3店舗すべてで来店客数と売り上げが前年実績を上回ったと発表しており、好スタートを切ったようだ。2012年7月こそ単月の売り上げ高は前年比3.9%減を計上したものの、翌年は「MIQ(=三越伊勢丹クオリティー)」などオリジナル商品の拡充や伊勢丹新宿本店のリモデル効果もあり同1.5%の増加。オンワードの「組曲」や「23区」、三陽商会の「MACKINTOSH PHILOSOPHY(マッキントッシュフィロソフィー)」など大手アパレルでは本セールの開催時期を三越伊勢丹に合わせるブランドもあり、伊勢丹新宿本店では足並みを揃えるテナントが増えてきているという。

 ルミネは昨年よりも5日遅い翌17日から実施し、期間は5日間に集中。OL層の利用が増える夕方以降が平日はピークだが、大宮店には昨年を1割上回る人が開店時から来店し、1時間後には一部ショップで会計待ちの長い列ができていた。同社は2012年から顧客に向けビジュアル等でセール時期是正化の告知を行っており、同年夏のバーゲン期間(5日間)の売上高は震災の反動もあって11.2%増、2013年は6.2%増と好調を維持。顧客の中には「全国展開のブランドではその中の他店と差がでてしまう」との意見もあったが、「テイストに合うショップが集中していて買い回りしやすい」などの理由からルミネのセール開始を待つ人もいるようだ。

 異なる商業形態だが両社ともにセール前の落ち込みを防ぐ施策として、独自性がある商品や晩夏物・秋物アイテムの品揃えを拡充。単に安ければ良いという考えだけではなく、顧客自身にとって価値のある良いものを欲しいタイミングで買うという考えが年々強くなってきていることもあり、正価購入顧客の利用促進につながっているという。今後もマーケットや顧客の購買動向を検討した上で、なるべく本来の開催時期に戻していきたいとしている。