一般税務調査や特殊税務調査、又は移転価格調査が頻繁的に行われることにより、中国法人は税務リスク管理の意識を徐々に持たせられ、リスク低減に有利な調査対応も上手になってきました。

 特に移転価格調査において、輸出入の絡んだ関連取引では、輸入価格は不合理的に高い、或は輸出価格は不合理的に低いことがない、即ち中国法人が得る利益は少なすぎることではない、という立証の方向性は周知されています。

 一方、税務調査に比べそれほど多くない税関調査は近年増えています。税関の納得を得るのは税務対応よりずっと難しい、税関と税務局のバランスがどうしても取れないといった現場からの声が上がっています。輸入税金の計算ベースとなった輸入価格は低すぎるのではないかは税関の関心を持つこととなっており、その方向性は正に税務に反対するわけです。

 二重課税を避けるためには、取引価格が高すぎないよ、低すぎないよ、という片一方の証明は不十分です。価格の妥当性に対する直接的な立証が困難ではありますが、その方法しかありません。価格妥当性を証明する世界に入りますと、価格算定方法を検討しなければなりません。移転価格でよく使われている算定方法は税関においても適用されます。

 例えば、日本親会社より商品を仕入れ、中国で販売している販社であれば、税務上は無形資産の有無や、情報入手の容易性などを考慮し、独立価格比準法や原価基準法は殆どの場合において適用できず、再販売価格基準法をもって販社のマージンが妥当であることをグループポリシーとして実施され、ドキュメンテーションに落とすことが多いでしょう。しかし税関では、逆算法と呼ばれる類似な算定方法がありますが、適用順位は強調され、税関の情報獲得便利性からして独立価格比準法の排除は簡単なことではありません。

 また、中国販社は商標使用料を別途支払うとすれば、「単純に販売の目的で輸入する」という規定に該当し、当該使用料はもともと輸入価格に入れるべき、と指摘される可能性が高いです。その場合、再販売する前に付加価値のある加工が存在するかどうかは重要なポイントになります。

 日本親会社より原材料を購入する製造会社であれば、再販売価格基準法は税務上適用できなくなり、コストプラス法は主流算定方法になるでしょう。税関でもコストプラス法が列挙されておりますが、その対象は中国現法ではなく、日本親会社になってしまいます。中国の税関調査で日本側の情報開示は通常やりたくないでしょう。その際、案外に逆算法をもって説明するという選択肢があります。

 また、製造ロイヤリティの取り方にも注意を払わなければなりません。第三者向け売上高に比例して計算されるケースはよく見られますが、売上高には原材料価値と製造価値が含まれています。即ち、支払ったロイヤリティのうち、少なくとも一部は原材料に対するロイヤリティとなってしまい、それは輸入価格に含まれるべきものです。関税追徴か損金不算入のどちらかに引っ掛かるはずです。(執筆者:傅嘉欣 提供:中国ビジネスヘッドライン)