――どんなものをイメージしてたんですか?

MEG:田舎で見てたので、全然もっと自由なものだと思ってたから。普通に、自分のやりたいことは、すぐには出来ないということとか。「こんな曲をやりたい」と言っても、こういう仕組みで出来ないんだ、みたいなのが分かったり。自分のことだけど、本当に沢山の人を動かさないことには、好きなことは出来ないんだというのとか。自分が歌う曲も、自分で決められる訳じゃなかったし。でも、「その時のベストです」って発言しなきゃいけない状況があって。そういう所での戸惑いとか葛藤があって、一旦メジャーレーベルを離れて。

ダンスミュージックをやり始めて、今までのようなバラードとかカバーとか自分が発散するものより、その場を共有するようなものの方がやりたかったんだなって気付いてからは、ライブも面白いと思い始めたし、みんなでライブで聴けるものを作ろうという風に意識が変わって。そこから段々と音楽が好きになったから。その頃はライブのスタンスも全然違って、考えてることがもっと狭かったと思う。

――メジャーでイメージしてたのと現実が違うのを知った上で、インディーズで活動していた時期を経て、また再度メジャーに移籍するのって、一度も経験してないでデビューするのとはまた違うじゃないですか。

MEG:そうですね。何かそういう規制が出てくるのは分かった上で、それ以上にメリットというか、自分にプラスになることがあるのが分かったからやってみようと思ったんです。例えば、テレビとか、プロモーションビデオを作ることとか。クラブミュージックだとやっぱどうしても東京だったり、好きな人に与えるみたいな感じだったけど、そうじゃないようなこともトライ出来そうなプランがあったからやってみようと思ったし。むしろ、そういうことをするのであればしっかりやりたいと思ったから、テレビとかすごい苦手だけど、チームがみんなで「やろう!」と盛り上がってるんだったら、じゃあやりますかぁ…みたいな(笑)。

2回目は、自分も楽しめてたと思いますね。ダメな所も分かりつつ、「ここは自分でコントロールしないと流れちゃう所だな」とか1回目の教訓を生かしつつ。 1回目の時はレコードを出すにあたって、それぞれの人がどういう役割で、どういう仕組みで出来てるのかを勉強する機会だったような気がしてて、そこがゼロから分かった感じですね。それぞれの担当がどういう管轄で、どういう縦社会でやっていて、これは出来るけど、これは出来ないとか(笑)。この人だったら決定権があるんだとか、なんでこんなミラクル起きるんだろう?「あ、そういうことか」とか、そういうのを勉強してた機会で(笑)。

それを置いといて、また自分で出す術も学べたし、自分でやるとこういうメリットはあるけど、こういうデメリットはあるなとか。インディーズでの良かったことは、自分が好きな仕様で出せたこと。ワーナーの時はジャケットのここに透明カバーを使うといくらアップするからダメですとか、これをやると30円上がるからダメですとか、仕様に対しての規制がたくさんあったし、ロゴはここに絶対入れなきゃいけないとかあったから(笑)。それがなくなった分、好きなパッケージで音楽が出来たときにそれを出すことが出来てたのが良かった所で。悪かった所ではないんですけど、メジャーにあってインディーズに無い所は、ビデオを作ることとか、自分発信以外のプロモーションが出来る所。あとは、沢山の人達ともっと高いクリエイティブが出来ることがあるなと思って。今は、2回目の方が断然楽しいですね。

――MEGさんはパッケージに対するこだわりが強いですが、配信で音声ファイルだけを聴く楽しみ方に対してはどのように捉えていますか?

MEG:それは全然ダメとは思ってなくて、その方が便利なんだから、その方法もいいと思います。だって便利なんだもん! 私が音楽を気軽に楽しみたいと思ったら、こんな便利なものはないと思うし。iPadでもiPhoneでもその場ですぐに聴けるから、音楽を聴く行為としてはすごく環境整ってるじゃない!って思うから、そこに対しての嘆きみたいなものは意外と無くて。それはこっちが嘆いてるより、変えなきゃいけない所なんじゃないの?って思ってて。パッケージを買ってもらうために音だけを届けるんじゃなくて、もっとこだわらなきゃいけない所はあるし、値段も考えるべきだし。「買ってくれない」って嘆いているより、「いや、買ってもらえるものを作るように考えましょうよ」って、最初からそんな気がしてますね。