99.99%の「高純度シリコン」を自主量産、中国の科学者が重要な技術的課題を克服―香港メディア
2026年6月15日、香港メディアの香港01は、中国の科学者がシリコン基盤量子チップの重要材料となる高純度シリコンの自主量産に成功したと報じた。
記事は、中国核工業集団(中核集団)が15日に、純度99.99%を超えるシリコン28同位体の自主量産に初めて成功し、製品の主要指標が世界の先進水準に達したと発表したことを伝えた。
その上で、天然のシリコンにはシリコン28、シリコン29、シリコン30の3種類の同位体が含まれており、そのうち92.2%を占めるシリコン28が量子デバイスにおける環境ノイズの干渉を大幅に低減できるため、シリコン基盤量子チップに欠かせない核心的な材料になっていると説明。逆に干渉を引き起こしやすいシリコン29の影響を最小限に抑えるため、シリコン28の純度を99.99%以上に高める必要があったとした。
そして、研究チームが物質の反応によってシリコン29をシリコン28に変えるのではなく、3種類の同位体を物理的に分離してシリコン28を一つの場所に集めることで成分の比率を変えることに成功したと解説。中国工程院の雷増光(レイ・ゼングアン)院士(アカデミー会員)が、高純度シリコン28の製造は技術開発の開始から今回の量産化に至るまで研究チームの長年の苦労が凝縮されており、画期的な意義を持つと評価したことを伝えた。
記事は、今回開発に成功した高純度シリコンなどの安定同位体が先端科学技術や国家安全保障を支える重要な基礎材料であり、さまざまな分野で代替不可能な戦略的価値を持っていると紹介した。一方、世界の安定同位体の製造技術が高度に集中し参入障壁が極めて高かったため、中国独自の重要産業サプライチェーン構築におけるボトルネックになっていたと指摘した。
その上で、開発を担当した核工業理化工程研究院のチームがこれまでに12種類の元素、26種類の安定同位体の生産を相次いで実現しており、安定同位体分離技術の工程化と産業化を継続的に推進していることに言及。今後は原子力エネルギーや放射線医療、航空宇宙、量子情報などの分野における重大な需要を見据え、一連の安定同位体製品の研究開発を展開していく見込みだとした。(編集・翻訳/川尻)
