神戸市役所2号館再整備が本格始動 兵庫県初「コンラッド」進出 三宮と神戸港周辺などつなぐ新拠点に
神戸市役所本庁舎2号館再整備事業の起工式典と記者会見が12日、神戸市中央区の事業予定地で行われた。老朽化した旧2号館の建て替えを進める大型再開発事業で、市庁舎機能に加え、ホテルやオフィス、商業施設などの民間機能を併せ持つ複合ビルを整備する。神戸市が進める三宮再整備の中核事業の1つとして位置付けられており、2029年度の完成・開業を目指す。


旧本庁舎2号館は1957年に建設。老朽化のほか、阪神・淡路大震災で6階部分が圧壊するなど大きな被害を受けたことから建て替えが決まり、解体された。再整備事業はオリックス不動産を代表企業とし、阪急阪神不動産、関電不動産開発、大和ハウス工業、芙蓉総合リース、竹中工務店、安田不動産で構成する共同事業体が担う。
新たな施設は神戸市中央区加納町6丁目の庁舎跡地に整備される。敷地面積約4900平方メートル、延べ床面積約7万7000平方メートルで、地下2階、地上29階、塔屋1階、高さ約135メートルの複合ビルとなる。2029年9月の竣工を予定し、その後順次供用を開始する。

低層部には市役所機能に加え、商業施設や市民が自由に利用できる「(仮称)市民利用空間」を配置。木のぬくもりや緑を感じられる交流空間として、イベントや休憩など幅広い用途に活用できるようにする。正面エントランス前の広場や半地下の「サンクンガーデン」も整備し、市民や来街者が気軽に立ち寄ることができる開放的な空間をつくる。
フラワーロード沿いの1、2階と地下1階には飲食や物販、サービス店舗が入居する商業ゾーンを設ける。地下鉄海岸線三宮・花時計前駅や地下通路との接続を強化し、三宮駅周辺と旧居留地、再整備が進むウォーターフロント地区との結節点となることを目指し、回遊性向上を図る。


中・高層部にはホテルとオフィスを配置する。最大の注目ポイントは、米ホテル大手「ヒルトン」のラグジュアリーブランド「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」の兵庫県初進出だ。ホテル名は「コンラッド神戸」で、2030年の開業を予定している。
「コンラッド神戸」は4階と20〜28階に入居。50平方メートルを中心とした136室の客室のほか、ラウンジ、レストラン、バー、フィットネス、スパ、プールを備える。さらに約500平方メートルのボールルームや多目的ミーティングスペースも整備し、国際会議や宴会、ビジネス交流の需要にも対応する。


オフィス部分は神戸市内最大級となる1フロア約500坪(約1680平方メートル)の貸付面積を確保。最小約45坪から分割利用も可能とし、多様な企業ニーズに応える。9階には屋上庭園に面した専用ラウンジを設置し、企業間交流の促進などを図る。
市庁舎部分では、間仕切りのないオープンな執務空間や内部階段の設置などにより、働きやすく、生産性の高いオフィス環境を整備。防災面では中間階免震構造を採用し、電気室や防災センターなど重要設備を上層階に配置して浸水リスクを低減。帰宅困難者の受け入れにも対応できるよう、民間エリアの一部を一時滞在施設として活用することも想定しているという。


起工式典で、久元喜造・神戸市長は「三宮の再整備は個々の施設を単に作り直すのではなくてまち全体のにぎわいを作っていくこと。キーワードは回遊性」と強調し、「これまで市役所の手前で人波が途切れるのがネックだったが、新しい施設にはグレードの高い商業施設やホテル、オフィスが入ることになった。このプロジェクトは神戸のまちの再生に非常に大きな役割を果たしていくことだろう」と期待を寄せた。


