メリーランド州ベセスダにあるウォルター・リード国立軍事医療センターを離れ、ホワイトハウスへ向かうトランプ氏=26日/Kylie Cooper/Reuters

(CNN)米ホワイトハウスはこれまでのところ、トランプ大統領の直近の健康診断の結果を公表していない。ホワイトハウスの従来の慣例から逸脱しており、健康状態や職務遂行能力を疑問視する声がさらに強まる可能性が高い。

トランプ氏は米大統領に就任した人物で史上最高齢。26日にウォルター・リード米軍医療センターを訪れた後、SNSで健康状態は完璧だと宣言した。

だが、「翌日あたりに」健康診断の概要を提供すると約束して以降、ホワイトハウスは追加の情報を公表しておらず、トランプ氏の主治医がどこかの時点で結果を公表する予定なのかも定かではない。

3日間の沈黙は、トランプ氏のこれまでの健康診断を巡るホワイトハウスの対応からかけ離れている。昨年4月のウォルター・リード病院訪問後には、主治医のショーン・バルバベラ氏が結果をまとめたメモが2日後に公表された。トランプ氏が10月に病院を再訪して検査を受けた際も、引き続き「極めて良好な健康状態」にあるとのバルバベラ氏の声明がその日のうちに発表された。

80歳の誕生日を数週間後に控えた今回、トランプ氏の健康状態に関する情報は今のところ、本人が発信したものしかない。

ジョージ・ワシントン大学医学健康科学部の教授で、チェイニー元副大統領の心臓医を長年務めたジョナサン・ライナー医師は、「大統領の健康状態についてホワイトハウスから最も基本的な声明さえ発表されないなど、私には想像もできない」とコメント。「もしホワイトハウスが医療報告書を開示しなければ、大統領の職務遂行能力に対する懸念は確実に高まるだろう」と指摘する。

トランプ氏は長らく健康問題について口を閉ざしており、自らを強さと活力の絶頂にある人物と演出することに重きを置いてきた。選挙運動中も大統領就任後も、トランプ氏は自身の活力を政治的アイデンティティーの中核に据え、心身の健康ぶりをたびたび自慢。過去の医療報告もこの姿勢を反映するケースが多く、第1次政権時代、当時の主治医だったロニー・ジャクソン氏はトランプ氏の強い要請で開かれた記者会見で、「信じられないほどの遺伝子」を熱烈に称賛した。

だが80代に差し掛かるにつれ、トランプ氏は見るからに老化の兆候を示しており、時に不安定な言動も見られる。健康状態への視線は厳しさを増し、情報開示の強化を求める声が高まっている状況だ。バイデン前大統領の知的鋭敏さを巡って強い疑念が渦巻いた後だけに、米国民はおそらく、最高司令官の身体面、認知面の健康に関する疑問に特に敏感になっているのだろう。

トランプ氏は両手に頻繁にあざができており、それを厚いメークで隠すようになった。昨年、脚のむくみが写真に捉えられた後、ホワイトハウスはトランプ氏が慢性静脈不全と診断されたことを公表。これは高齢患者に典型的に見られる症状だ。今年3月には首に発疹が見られ、バルバベラ氏は「予防的な皮膚治療」によるものだと説明したが、そもそもこの治療が必要になった理由には具体的に触れなかった。昨年の会合やイベントでは、居眠りしているように見える場面もあったものの、トランプ氏やホワイトハウスは強く否定している。トランプ氏は以前、メディアが「まばたきした瞬間を取り上げただけだ」と述べ、会議は時に「かなり退屈になる」と冗談を飛ばしていた。

医療の専門家によると、こうした症状は単独では深刻に見えないものの、ホワイトハウスが詳細の公表を渋っているため、より大きな懸念を払拭(ふっしょく)するのがかえって難しくなっている状況だという。