「本社の不祥事、なぜ私たちが盾に」韓国スタバ店員の怒り “戦車デー”で大炎上、暴言浴びる現場に追い打ちの「人員削減」

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スターバックスコリアが5.18民主化運動の記念日に「タンク(戦車)デー」イベントを実施したことで物議を醸している。

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韓国全国で不買運動騒ぎが起きるなか、毎日のように暴言と“思想検証”にさらされているという現場スタッフの訴えが話題だ。このスタッフは、不祥事を起こしたのは本社なのに収拾は現場の役目になったとして、経営陣を鋭く批判している。

5月21日、オンラインコミュニティなどによると、会社員向けの匿名コミュニティ「ブラインド」に、「現在のスターバックスの状況に対する現場スタッフの意見です」というタイトルの文章が投稿された。この文章は数時間後に削除されたが、キャプチャ画像が各種SNSを通じて急速に拡散している。

韓国では5月18日、スターバックスコリアが同日午前に「ダンテ・タンク・ナスデー」という名称のイベントを告知した。5月18日を「タンクデー」と定め、「カラフルタンクタンブラーセット」や「タンクデュオセット」などを販売するという内容だ。告知画像には「机にドン!」という文言も書かれていた。

これが、5.18民主化運動を侮辱するとしてSNSやインターネットコミュニティ上で非難を集めた。5.18民主化運動記念日当日である5月18日に、軍事独裁時代の象徴の一つとされる「タンク(戦車)」という言葉を強調したことで、民主化運動を侮辱したのではないかという指摘が寄せられたのだ。

また、「机にドン!」という表現も、民主化運動時にソウル大生のパク・ジョンチョル氏が拷問死した事件において、捜査当局が「机をドンと叩いたらアッと叫んで倒れた」と発表したことを連想させるという指摘が出ていた。

(写真=時事ジャーナル)

そんななか、投稿内の文章で自らを「スターバックスの店舗管理者」だと明かしたA氏は、「タンクデー」騒動以降に店舗で起きている状況を生々しく伝えた。

A氏は「毎日出勤するのが恐怖で、レジの前に立つのが地獄のようだ。私たちがそのマーケティングを企画したのか? なぜ私たちが客の八つ当たりの対象にならなければならないのか」と怒りをあらわにした。

A氏は続けて、客から「何を考えてあんなことをしたのか?」「あんな事件が起きたのに平然と出勤してくるのは、あなたたちも同罪だ」といった言葉まで浴びせられていると吐露した。思想検証とともに、「お前らも同じ××共じゃないか」という暴言に苦しんでいるという。

A氏はさらに、経営陣に対する不満も爆発させた。売上の減少が予想されるやいなや、人員削減や残業制限の措置が取られているというのだ。A氏の主張によると、売上低下を予測した本社がピークタイム(午後12〜1時)の人員を普段の3〜4人から2〜3人に減らし、バリスタ5時間、スーパーバイザー7時間、店長・副店長8時間だった基本勤務時間を1〜2時間ずつ短縮した。

これとともに、返金や抗議への対応業務を現場のスタッフに押し付けず、本社レベルで専用の窓口を新設して現場と切り離してほしいとも要求した。A氏は「本社が起こした不祥事を、私たちが盾になって収拾する理由はまったくない」とし、「今回の件で店舗に圧力をかけたり、ゲリラ的な割引イベント謝罪ロモーションを企画したりすることも絶対に禁止だ」と声を荒らげた。

A氏は賞与(インセンティブ)削減の可能性についても、先手を打って警告した。「今回の事態を理由に、後で私たちの賞与や福利厚生を縮小したら黙っていない。過ちは経営陣が犯したのだから、責任はあなたたちの年俸やボーナスを削って取るべきだ」と警告した。

また、新世界(シンセゲ)が経営権を取得する以前は“売上を上げろ”という圧迫はなかったとし、「人員を最小限に絞りながら売上を上げろと言うから、このような無分別なイベントが発生し、そのイベントをチェックする人員さえいないから今回の事件が起きたのだ」と指摘した。

スターバックスコリアは今回の騒動直後に謝罪し、代表を即刻解任したが、波紋は拡大し続けている。スターバックスコリアは来週予定されていた「サマープロモーション」と「サマーe-フリークエンシー」イベントも延期した。米国のスターバックス本社も公式の謝罪文を発表し、「意図したものではなかったが、決してあってはならないことだった」とした。

(記事提供=時事ジャーナル)